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風紋

鋼の錬金術師ファンの雑文ブログ



  リンとランファンに愛が偏っています


龍脈をつかさどる者、シン国皇帝。
東の大国の若き為政者。
ヤオ族首長にして、私の主(あるじ)。
そして、今ここでは国際錬金術・錬丹術学会の名誉総裁。

私はイシュバールに来ている。主のお供だ。
主が立ち上げのため尽力した『国際錬金術・錬丹術学会』の初会合のためだ。
シンのため、そしてアメストリスで体験した危機を二度と起こさぬために主は
この困難な事業をやり遂げた。
ロイ・マスタング中将を筆頭に有力な錬金術師を有志に始められた学会創設
は『錬金術及び錬丹術の発展と平和利用』を理念に掲げて行われた。
錬金術師が人間兵器として使われるような西の国々までも巻き込み、こんな
世界平和の理想を実現しようという会を作ることはシン国皇帝にしか出来な
かっただろう。
医療技術として発展した錬丹術の国であり、術師ではないが造詣のある皇帝
が自ら各国に呼びかけることで志ある術師や研究者が集まったのだ。

イシュバールに錬金術の研究都市が作られたと聞いてはいたが、こうして初会合
のため訪れて驚いた。
最初に砂漠越えをしてアメストリスを訪れたときは、もとの地形さえわからぬよ
うな瓦礫だらけの破壊された土地で、人気はないのに憲兵だけは見回っている
剣呑さに探ってみたい気持ちも抑えて足早に去ったものだ。
今はアメストリスの、軍からは切り離された国直轄の研究所と国立大学が
作られ、それに伴い民間企業の工場やホテルまでが出来ている。
シンとアメストリスを結ぶ鉄道が開通した時にもここを通ったが、発展をのぞむ
というありきたりな挨拶を本当のことに出来たのだと感無量になる。

国際会議とその後のレセプションに出席することになり、私は総裁の秘書とい
う立場でお供をすることになった。
皇帝の臣下で護衛ではなく、総裁の秘書。
どうしたものかと考えたが、主の本質は何も変わらないと思えば肝が据わった。
主が期待されているのはこの会をシン国皇帝御臨席という栄誉で輝かせること。
名前だけの名誉職だなどという的外れな批判が何ほどのことか。
ならばリン・ヤオ皇帝という眩いばかりの栄誉を御覧じろ。
私のお役目はその輝きを守ることだ。

一時帰国されていたメイ様と準備に追われた。
皇帝ではなく総裁だから、宮中の儀式にあたる者たちは使えない。
メイ様がアメストリスで使っているテイラーに依頼することにした。
出席者の装いでその会の格は変わるが、各国の術師と親しく語りあえるように
あまり仰々しくはしたくない。
よくよく考えてシンの衣装ではなく西洋の盛装を選んだ。
かたちは西洋をなぞっても、シンの懐の深さは失われない。
交易を通じあらゆる国から文物が入ってきたシンの王朝の歴史はどこの国のもの
でも受け入れ使ってきたのだ。好奇の目で見る輩には見せつけてやろう。
肩章や金モールで権威付けされた将軍の大礼服など霞むような、文化の洗練を
ご覧あそばせとばかりに。

西洋のテイラーにシンの生地で仕立てさせ、南洋の白蝶貝の釦や西域の玉を使っ
た装飾品をあわせる。
ディナージャケットは黒。襟に使われた渋い光沢の蜀錦がシンらしさを漂わせている。
ドレスシャツとチーフはあくまで清潔な白。溶けるような艶のある漆黒のタイ。
カマーバンドには、開催地への敬意を表し、イシュバール伝統の縞の織物。
イシュバラ神によって生を受けた体に慎みをもって腰や肩を覆う布を使った。
どこの国ともつかないが、主の黒髪が映える美しい装いになった。

秘書としてお供する私は黒のシルクドレス。
慣れない西洋の装いでも黒は馴染み深くてよい。以前主から賜った赤い扇も
映えるだろう。いざという時のために骨に鉄針が仕込んである扇だが。
西洋の姫のような足首丈の長い裾の広がったスカートは如何かと思ったが、
「タイトなロング丈シン式ドレスやマーメードラインのドレスなんかより、よっぽど
動けます!何ならスカートの中にいくらでも暗器を仕込めるし。」
というメイ様の言葉でこの型に決めた。
夜の宴は袖なしで肩をあらわにするドレスが正式だそうで、機械鎧の左腕を
覆うよう共布の長手袋がついている。
靴はここぞとばかりにシンの手仕事の粋を集めた総刺繍を使ったもの。きらきら
輝く金糸銀糸が複雑な模様を描いている。
首飾りの色石はドラクマの産だという光線の加減で深緑から暁紅にも見える。

メイ様はイシュバールの縞織物をシン式ドレスに仕立てられた。
ご自分の発表が古イシュバール語文献による錬金術/錬丹術分岐の歴史に
ついてであり、イシュバールの僧を束ねる師父と呼ばれる者に力になってもらった
感謝をあらわしたいからだという。
素朴な紺色の縞織だが、シンの吉祥結びで作られた飾り釦と案外うまく調和
して異国風の可憐さが出ていた。
「イシュバールストライプとして、広めたいんです。民族虐殺があってもかろうじて
残った手仕事で、祈りの象徴ですから。」
素晴らしい考えだと感心したが、反発も予想されるという。
「イシュバールへの偏見もまだありますし、イシュバール人じゃない私が身に着
けるのを嫌う人もいるかもしれませんね。」
それを聞いてここにいる間だけでも全力でお守りしようと誓った。
「何かあれば扇を骨ひとつだけ開いて合図して下さい。私も会場で警戒に
あたって危険を察知したら顔の横に扇を骨ひとつ開いて掲げます。」
「ランファンったら、優雅な扇すら道具ですのね。相変わらずというか、うん、
頼もしいわ。お願いね。」
メイ様は可愛らしい薄紫色の扇を振って笑った。
イシュバール縞の紺色と合って美しい姿だった。

学会は無事滞りなく終わった。メイ様の発表も素晴らしかった。
レセプションでの主はまさに栄誉を体現していた。
各国の有力者が挨拶に立ったが、悠然とした佇まいは際立っていた。
新聞社などの取材も来ており、今後の学会の発展が期待される盛会だった。

ロイ・マスタング中将から出席の報せを聞いていたが、エドワード・エルリック
とウィンリィ夫妻がレセプションに来てくれて顏をあわせることができた。
ひさしぶりの再会だ。
エドワードは私たちの姿を認めると目を見張り、そして腹をかかえ笑い出した。
失礼な奴だ。
近づきざま、脇腹を小突いてやった。機械鎧の左腕でなかったのはお情けだ。
「痛ってえ!顏をあわせたらいきなりこれかよ。」
「挨拶抜きで馬鹿笑いしてみせてこの程度で済むのをありがたいと思エ。」
「いや、面白いだろリンも何めかしこんでさぁ。」
「総裁と呼ベ。貴様も学会の会員だろうガ。」
「いやあ旧知の友というのはいいネ。どんな姿で会っても昔の仲になル。」
「いいんですカ、こんな」
とり散らかったやりとりをしていると金色の長い髪を揺らしてウィンリィが現れた。
「ごめんねうちのバカ亭主が早々に。」
水色のドレスのお腹が少しふっくらとしている。
「久しぶりウィンリィちゃん。直接会って言うのは初めてだネ、結婚おめでとウ。」
「そして、もうひとつもおめでとウ。」
私も率先してウィンリィの手をとり祝いの言葉を言った。
「何か月?」
微妙な話でも臆せず聞けるのは女同士の特権だ。
「6か月。安定期に入ったけど少し前まではつわりがひどかったわ。」
「そんな嫁をおいて先に行くとは貴様なんて奴ダ。」
「え、また俺?」
「ランファンなら怒ってくれると思ってた。ひどいわよね。」
全然ひどいと思っていない顏でウィンリィが言う。
「リンの姿見つけたらぴゅーって走ってっちゃうんだもん、どんだけ好きなのよ。」
「ごめんねウィンリィちゃん、俺モテモテだからサ。」
「リン、おまえ自分で言うかよそれ。」
「このあたりに居る者の半数は総裁と言葉を交わしたくて近寄ってきてると
思ってくレ。貴様の軽口も聞かれてるゾ。」
「その総裁は俺と話したいんだからいいだろ。」
その自信はどこから来るんだと訊きたいが、主は楽しそうにエドワードの旅の
話を聞いている。
私は扇を出し口元を隠しながら小声でウィンリィに聞いた。
「エドに振り回されて疲れたりはしていないカ。大丈夫カ。」
青い瞳を見開いたあと、ニッと笑って彼女は言う。
「チビの頃からの付き合いよ。慣れっこだから平気平気。」
「ウィンリィは強いナ。でも無理はしないデ。私の大事な友なのだかラ。」
「ありがとう。最近はスパナの出番はないよ。」
「それは良い傾向ダ。しかし何かあれば躾けてやらないとあの手の男ハ。」
「あー、さっきみたいな無礼千万とかね。やっぱスパナ要ったかな。」
「とりあえず今日はこれで行けばいイ。」
扇を畳んで左手の掌に打ち付けて見せるとウィンリィは驚いた顏をする。
「えー、私のとお揃いのこれでしょう?持ってきたけど叩きつけたりしたら壊し
ちゃうよ。」
結婚祝いに贈ったウィンリィの青い扇は色違いのお揃いだ。私のと違って鉄針
は入ってないが。
「畳んだとき外側に来る親骨で叩けばその一本に力が集中するから壊れル。
しかし畳んだ骨の並んでいる側ならすべての骨に力が分散して壊れなイ。
こうしてバシッとやれル。」
「へえー、なるほどね。いいこと聞いたわ。」
ウィンリィも真似て青い扇を掌に打ち付ける。
「私が教えたというのは内緒にしてくレ。」
「いやいやランファン、それバレバレでしょう!おっかしい!」
笑われてしまったが、ウィンリィが楽しそうで嬉しくなってしまう。
ひとしきり話したが、総裁と話したい人は多く私はそれに従いて移動しな
ければならない。
「もっと話していたいけれド行かなくてハ。」
「おうよ。あとでティーラウンジに来い。俺ら待ってるから。」
どうにも偉そうな口ぶりが治らないエドワードにはむかっ腹が立つが、その
提案はちょうどよい。
「総裁、そういうことでここは失礼しましょう。」
「ウィンリィちゃん、エド、じゃあまた後で。」

宴のあいだじゅう様々な術師と挨拶し話し、色々なことを聞いた。
宴のあとは約束どおり、ウィンリィとエド、アルフォンスにメイ様までが
集まって語り合うことが出来た。
あの年、シンに帰るときには思いもしなかった再会の仕方だった。
それをなし遂げた主は、どれほど強く未来を欲したのだろう。
私はそんな主に仕えられてどれほど幸せなことだろう。
夢のようだった。これは砂漠の街が見せた蜃気楼ではないだろうか。


高揚を冷まし、やっと落ち着けたのは寝室に引き上げてからだ。
随行員もほかの警護の者も下がり、二人きりだった。
ほの暗い灯火に張っていた神経がほどけて安らいでくる。
私は静かに佇んでいる主にお召し替えを促した。
「まだいい。それより」
向けられた目の光に麻痺したように動けなくなった。
最短の言葉で、いや言葉などなくともその眼差しひとつで主は私を操ってしまう。
呼吸の自由が奪われる。
望まれるままに吸えば顎があがり息をつけば唇がほどけてゆく。
やわらかく撫でるような口づけだった。
ゆったりと余裕ある愛撫に思わず陶然としそうになるのが少し悔しい。
―――情ひとつで放擲できるほど私の任務は軽くないのだから。
引き寄せられた胸を押し返して見返す。
そうそう思い通りにばかりにはなりませんと言外の抗議のつもりだった。
しかし、見上げたお顔には唇に歪んで滲んだ紅色。
私のだ。
少し間が抜けていて、そして大いに危険な色香があった。
これはいけない、どうにかしないと。
このひとがこのような隙を見せては大変なことになる。
何がどう大変なのかはわからないけれど、とにかく異物は排除せねば。

じっと見つめ目から微笑う。目頭から目尻、頬から口角と笑みを拡げる。
面をつけずに護衛のお役目をつとめるようになってから身に着けた微笑み。
他の者たちが言うには、妙に意味ありげで目が離せなくなるらしい。
私としては呼吸の読みあいであり、勝負と同じなのだが。
行ける。
肘からさりげなく耳元へ上げた手を推し出して指先を標的へ。
標的は主の唇。触れた指先で滲んだ紅を拭った。
「おいたはここまでです。」
強く牽制したつもりだったが、主はそんなことではまったくめげなかった。
抱きしめようとするのを寸でのところで背を向けかわす。
「逃げないで。」
背後から抱かれて囁かれると何もかも忘れそうになるから。
「だって。」
「顔も向けないなんて冷たいじゃないか。」
「このままじゃジャケットに白粉がついてしまいます。」
「そんなこと気にするな。」
「お召し物の管理も私の仕事です。随行員を減らしたのはどなたですか。」
「俺だな。」
「では秘書兼護衛のお願いを聞いてください。」
「わかった。ではどうしたらいい。」

しまった、と直感した。
主の仕掛けるゲームに乗ってしまった。
丁々発止なやりとりを好む主は、お互いのぞむことを言葉で言わせたがる。
仕事ならそのほうが良い。
だけどこんな色めいた場面では、私はどうにも困ってしまう。

「まずはジャケットを脱いでください。」
「それだけでいいのかい。」
「まずは、と申し上げたはずです。」
「もう二人だけの時間じゃないか。」
「それは後ほどに。今はお召し物に皺をつけないようにしたいので。」
「なら、あとで。」
割とおとなしく引き下がっていただいたと思ったが、
「焦らされた分、欲しいと言わせてあげるよ。」
そんな言葉をつけ加える、主はどうしてこう私をかき乱すのだろう。

ディナージャケットを脱ぐ主の背後に立ち袖を抜いたところをすかさず受け取り
ハンガーにかける。
その間に主はシャツの襟元に手をかけタイを緩めて引き剥がした。
手荒でいっそ粗野な振る舞いなのに、面倒くさそうにしかめた眉が物憂げで
なんともいえない色気があった。
シンで皇帝としての衣装を着ているときは、人間であってそれ以上の存在で
あると誇示するようで生身を感じさせない。
西洋の衣装は体を覆っていながら着けている者の生身を感じさせるようだ。
肩のひろさ、胸筋の漲り。
白い清潔なシャツの生地の下にある若い体の躍動を。

主は縞瑪瑙のカフリンクスに手こずっていた。袖口を顔に近づけ真剣な
面持ちでピンを外しにかかる。気難しそうにひそめた眉と眼差しに私は手助けも
忘れて思わず見とれていた。
開いた襟元と袖口から覗く素肌の鮮やかさに目をうばわれる。
やはりこの方はきっちりした隙のない正装でいるより、着崩した姿のほうがずっ
と似合ってらっしゃる。西洋の衣装だとなおさら。
ふと、グリードのことを思い出す。あれが主の身体を使っていた時の表情を
時折主のなかに見ることがあるけれど、こんな表情もあっただろうか。
黒い衣服の、闇の国の気ままな皇子のようだったあの男は。

「ん、どうした。」
「いえ、なんでもありません。」
そうは言っても誤魔化しのきく主ではないので、自分から白状する。
「どこか違う国の皇子様みたいだと。」
主の口の端が持ち上がり目尻を下げる。ニヤリと音がしそうな笑み。
「惚れなおした?」
そういう冗談めかした言い方をする時の主は照れが幾分か入っていることを
最近になってやっと私はわかるようになってきた。
「いやです、そういうからかうようなおっしゃり方。」
だいたい、惚れなおすなんて今まで気持ちが冷めたり離れたりしていたみたいだ。
そんな言葉は私の中にない。
「私がどれだけ長い間思い続けているかご存知のくせに。」
気の利いた返しはなかなかできないけど、嘘のない心からの言葉を伝えることで
主に精一杯応えるようにしている。
それが私の忠義で誠意だ。

私の言葉に主はご満悦の様子で
「レディ、首飾りを外させてくれませんカ。」
私をドレッサーの前へと促し、椅子の背を引いた。
かしずくような振る舞いだけど、有無を言わさずつきあわされるので私は
これも違ったかたちの奉仕だと思うようにしている。こうした遊戯は二人だけの
ときの余興のようなもの。私はどうにも大根役者にしかなれないけれど。
「どうゾ。」
せいぜいこの国の淑女のように余裕たっぷりの口調を真似てみる。
主は嬉しそうに背後にまわって首飾りの留め金に手をかけた。
おくれ毛に触れる指の動きを感じてのち、ふわりと感触が去っていく。
さっき縞瑪瑙のカフリンクスを置いた天鵞絨張りのトレイに、輝く石の鎖が
並んで置かれた。
「ありが…」
最後まで言い終わらぬ間に口づけが落ちてきた。
うなじに、首筋に。
「綺麗だ。」
押し殺したような囁き声と共に柔く濡れた感触が伝って。
「あ。」
予見していたことでもつい声が出てしまう。
「見てごらん。すごく悩ましい顏してる。」
主はそそのかすような声音で言う。
鏡の前に座ったときから魂胆はわかっていたけど、もう勘弁していただこう。
私はこういう時の自分の姿なんか見たくない。
主の情欲に暗く輝く目の光を受けるのはぞくぞくするけど。

「それより、まだ外すものが。」
主の気をそらすように声をかける。
私の着ているドレスは、体の線に添うように仕立てられていて脱ぎ着がしづらい。
「ここ、外してくださいませんか。」
背中のファスナーを指さす。
典雅な生地と繊細に作られた飾り金具は、私の左手で扱うにはやはり慎重に
ならざるをえない。
着つけてくれた仕立屋の優美な手つきを覚えているから尚更。

「あ、ああ。」
主を使いだてするのにはためらいがある。
しかしこんな遊戯の最中なら喜んでもらえるかと思ったのだけれど、反応が鈍い
ようだ。失敗だっただろうか。
背筋に沿って布を切り裂くような音をたててファスナーがおろされた。
同時に椅子から立ち上がり勢いよく両肩から布を滑り落とす。
ばさりと輪になって足元に落ちる布の塊。
豪奢な衣装は鎧だ。宴の席で堂々としているには必須の品。その輝きで生半可な
視線をはねかえしてくれる。
しかしその仰々しさで肩が凝ってもいたから解放感は格別だった。
足元の絹の海のなかから、靴も脱いで抜け出した。踊り子のようなレースの下着姿
になると動きが軽い。ステップでハンガーを取りターンでドレスを掛ける。

「あああ、せっかく色っぽい淑女だったのに。」
呆れたように主が言う。
「残念ながら私はがさつな護衛ですから。」
「そうじゃなく、もっとこう、さあ。」
「何がご不満ですか。」
「あんな恥ずかしがりだった娘はどこに行っちゃったんだろうな。」
ひとつ部屋で過ごすのに着替えを恥ずかしがっていたらやってられないのに。
「こういうお方に仕え続けてれば恥ずかしがりの娘だって図太くもなります。」
言いながら主のサスペンダーの金具をぱちんと外す。我ながら世話焼きだ。
「おまえのそう言う割り切りぶりは嫌いじゃないよ。」
苦笑まじりの主をおいて
「では私は顔を洗ってきますね。」
下着姿のまま洗面所に向かった。
目を強調した化粧は舞台役者のようで、自分の顏という気がしない。
油膏で顔を覆う化粧を落とし、石鹸で洗い流す。
鏡の中に見慣れた顏が戻ったところに、シャツを脱いだ主が写りこんだ。
「艶っぽい化粧顏もいいけど、やっぱりランファンは素顔がいいな。」
かがんで私の肩越しに顔を並べ頬を寄せてくる。
「こうして気にせずキスできるし。」
へにゃりと目尻が下がる笑み。心の温かくなる笑み。
ああ、やっぱり私はこのひとが好きだ。
そう思いながらの口づけは自然に長く深くなってしまって。

身体の芯が熱くなるのを感じてひそかにうろたえる。
それを知ってか知らずか、頬ずりが繰り返される。
頬に、額に、こめかみに。
欲が湧き上がる。もどかしさがつのる。
もっと触れてほしい。口づけが欲しい。熱い吐息が欲しい。
そう思ってしまった時点でもう駄目だった。

もう降参です。
このままあなたに睦言を囁かれながら脱がされながら意地を張り続けること
などもう私にはできません。
逃げなくては。
切羽つまったような気分に追い立てられ
「お先に失礼します。」
主から離れ素早くベッドにもぐりこんだ。

シーツに隠れて体にまといついている残りの衣服を取り去った。
お行儀わるく、そのままベッドの下に打ち捨てていく。
それは全面降伏の白旗。
主は私の振る舞いに呆気にとられたようで、しかしそれはすぐニヤリとした笑み
に変わった。
「やってくれるな。」
挑戦的な顏で言われ恥ずかしくて目を伏せる。
耳に届くのはベルトの金具がたてる金属音と、手荒く脱ぎ捨てる衣擦れ。
やがてすべて脱ぎ去った主がシーツの間に体を滑り込ませてくる。

すっかり裸の主からは先刻のどこかの皇子様のような雰囲気は消えている。
私の知っている、精悍な引き締まった体。守る力をもったたくましい腕。
寄り添って胸に額を押し付けつぶやく。
「こうすると安心します。」
触れる肌のなめらかさが心地いい。
「いつもの、リン様。」
うっとりと酔ったような声になってしまう。
体温のあたたかさはまどろみに落ちていくときのように心地よくて目をつむる。



このときの私は、いつになく激しく求めてくる主に翻弄されてわけがわからぬく
らい乱れ、くたくたになるほど長い夜になると予想できてはいなかった。

 

宴に高揚した頬を、宿泊棟への長い回廊はゆっくりと冷やしてくれる。
きらきらしい衣装や装飾品、グラスや食器酒瓶の輝きで眩んだ目を中庭の
暗がりにやれば、其処彼処で小さなかがり火が焚かれていた。
耳に届くのは楽器をケースに収める楽団員のざわめき、盆の上でグラスがぶ
つかりあう音、そして名残を惜しむ声。

ここが十何年か前にアメストリスで最も悲惨な内戦と民族虐殺があった街とは
思えない。
イシュバール。荒れた砂漠のなかの土地。
イシュバラ神を唯一の心の拠りどころとする褐色の肌と赤い目をもつ人々が、
蹂躙され斃れた場所。

久しぶりのアメストリスだった。
シン国皇帝という身では、そうそう訪れることができない。
砂漠横断鉄道が再び開通した時にシン・アメストリス両国で式典が行われた
時以来の訪問だった。そしてアメストリス国の招きではないのは初めてだ。
今回俺は『国際錬金術・錬丹術学会』の初会合に名誉総裁として参加した。
開催場所は研究都市が作られたばかりのイシュバール。
どちらも異例中の異例だ。

即位後俺がアメストリスを始めとする西の各国との国交を活発化させるにあたっ
て考えたのはシンを『歴史ある学問と文化芸術の国』と打ち出すことだった。
戦火の絶えない西の各国と距離をおいた先帝の判断は間違ってはいなかった。
しかし、その間に錬金術はシンの錬丹術とは全く違った進化を遂げていた。
たとえば人間大量破壊兵器として。
そんな国々に対し、『東の大国』として砂漠という緩衝地ごしに胡坐をかいてき
たシンが鉄道を再敷設し国交を回復させていくにあたってどう渡り合うか。
武力ではなく歴史ある学問と文化の国として、その存在感を示すには錬丹術を
大々的に打ち出すべきだと俺は考えた。
後宮を皇帝直轄の錬丹薬療院に変え、各部族から腕利きの術師を集めた。
勘違いした首長によって容姿端麗な娘の術師が寄越される例も多々あったが、
多彩な知識が集積されることになった。
もともと後宮に養生の知識が必要とされていたからだろうか。去る者もいたが、
そんな女性術師も求められるのは研究と知って尚残った者は優秀だった。
薬草治療や刀鍛冶の得意な部族や建築に優れた部族などの知識はもちろん、
呪術と思われているものにも意外な知見があった。
あとはこれをシンのために上手く使うだけだ。
留学に来たアルフォンスを通じてアメストリスの研究者たちと繋がり国際錬金術・
錬丹術学会を立ち上げさせ、自分は名誉総裁という座に滑り込んだ。
掲げる理念は『錬金術及び錬丹術の発展と平和利用』
『約束の日』にあんなグロテスクで自分勝手で破滅的な力をがわれるのを見た
者ならこれを心底願わずにはいられない。

当初は鉄道交易の拠点としての復興を狙っていたイシュバールを錬金術の街
として発展させたのは、ロイ・マスタング中将の辣腕によるものだった。
『約束の日』の顛末を軍上層部とそれに従った国家錬金術師の暴走という
線で明示していったのだから、軍と錬金術の癒着への視線は厳しくなった。
国家錬金術師制度の廃止も含めた事件の対応のなかで、セントラルの各
研究所が検証のため封鎖され、軍から独立した錬金術研究の拠点が必要
となった時にイシュバールにそれを置くとしたのは慧眼だ。
地理的に辺鄙だとも因縁の地で反感が懸念されるともいわれたイシュバール
研究都市計画だったが、好調な滑り出しで迎えられた。
地理的にシンと近いイシュバールを『東西文化の混ざり合う寛容の地』とすると
宣言したグラマン大総統の功績が大きい。
シンとの国交回復、鉄道の再開という変化に伴い民族色を東洋寄りに薄め
ることでイシュバール人が再び集まり住むことへの抵抗を減らしたのだ。
シン西域の部族の地に逃れていたイシュバール人に帰郷事業を伝えることが
できたのも、復興の足掛かりになったと思いたい。

事件があり、政権が変わり、人も変わっていく。世の中の変貌を肌で感じる。
アメストリスも随分と変わった。
軍と政治の分離が進み、民間の力が生かされるようになったと感じる。
国際会議が開かれたこのホテルイシュバールも民間の経営だそうだ。
長年錬金術師を厚遇してきたハンベルガング財閥により建設されたという。
過去に質実剛健さばかりが目に付く軍ホテルや迎賓館を見てきたが、こちらの
方が断然にいい。
乾いた土地の風景に溶け込みながらも悠然とした佇まいを見せるこんなホテル
や研究施設群が新しいイシュバールを作っていくのだろう。


宿泊棟のロビーラウンジでは旧知の友が待ち構えていた。
俺が理事たちとの挨拶に時間をとられあまり話せなかったからだろう。なかなか
可愛いところがある奴だ。口は相変わらず悪いが。
「おいリンこっちだ!」
「この場では総裁とお呼びなさいとあれほどド!」
ランファンが柳眉を逆立てる。
「俺らの間で今さら呼び方なんてどうでもいいだろうが。」
「貴様がよくても周りの人が何と思うか考えが及ばぬのカ。貴様いくつダ。」
「ちょ、ひと言多いだろ。ケンカ売ってんのか。」
「不審者として排除されぬよう気をつけろと言っていル。」
もういい加減落ち着いてもよさそうなのに、この二人は顏を合わせればこの調子だ。
結局似た者同士なのだろう。双方から全力で否定されるから口にはしないが。
俺を挟んでじゃれ合いをしているようなものだが、とりあえず止めに入る。
「ランファンいいヨ、エドが行儀よくしてたら気味が悪いだろウ。」
「はイ…」
ランファンは不本意そうだったが、一瞬ののち吹きだした。行儀のいいエドワードを
想像したのだろう。
「そんな甘やかしたら兄さんはシンの宮中に行ってもこの調子だよ。いいの総裁?」
「その機会が来たらアルが全力で躾けてくれるからネ。」
「うわ、僕に丸投げするの!さすが皇帝、人使いが荒いなあ。」
「アル様はシンの宮中でも女官たちが感心するほど礼儀を学ばれましたからネ。」
いつの間にか忙しくしていたメイも戻ってきて、ウィンリィの側で話しかける。
「メイちゃんお疲れ様。休まなくて大丈夫?」
「ありがとうございまス。総会が大成功で終わって疲れなんて吹っ飛びましタ。」
「お見事でしたお姫様。でもあまり無理しないでね。」
「あーんもう!西の賢者の息子で凄腕錬金術師でこんなに優しいなんてどれだけ
ハイブリッドな存在なのアル様ハ。」
メイとアルフォンスの戯れ合いは微笑ましく見守ればいいのか、呆れればいい
のか。多分どちらも正解だろう。
「メイちゃんはもちろんだけど、アルがシンでもの凄く熱心に研究したのがこう
して術師たちの間で知られてるのが私すごく嬉しい。エドが案外有名な研究者
だっていうのもね。」
「なんで俺は『案外』なんだよ。」
「家にいるときのあんたなんてばっちゃんの手伝いにもならないじゃない。」
「それは俺の知識と才能が発揮できないだけであって」
「否定しないんだナ。ぜひウィンリィの言う事をよく聞くいい夫であってくレ。」
また口ゲンカになりそうなランファンの発言だが、しみじみ願う言い方にエドは
言葉に詰まりアルは吹き出し、ウィンリィは感極まっている。
エドとウィンリィは一昨年結婚した。結婚式には俺もランファンも参列できなかっ
たがメイが代わりに祝辞を読んで祝いの品を渡してくれたのだった。
結婚を祝う言葉は今日再会した時に真っ先に伝えたが、こうして並んでいる
姿を見るとまた違った感慨がわいてくる。
「シンに夫婦旅行招待するより先にイシュバールで会うことになっちゃったけど、
よかったのかナ。」
「ひっさしぶりにランファンに会えるんだもの、文句なしよ。」
「えー、俺ハ?」
「リンはおまけかな。」
「おまえはランファンの腕が見たいってのが本音だろうが、機械鎧オタク。」
「ウィンリィったらランファン忙しいのにパーティー前の控室で機械鎧見せても
らってさ。」
「おいおい、事前の見回りが随分長かったのはそれでカ。」
「申し訳ありませン。総裁は理事の方々と一緒の控室で少々気詰まりだった
ものですからつイ。」
「私が無理言ったのよ。ドミニクさんの新作の機械鎧この目で見たくて。あー
ほんと最高にカッコいい!この腕もランファンも。」
ウィンリィがランファンの肩を抱くようにして言う。華麗なドレス姿の若い女性
が戯れあうのは目の保養だ。つい目尻が下がってしまう。

「本当は迷ったのよ。でも思い切って来てよかったわ。明日はお父さんとお母さ
んが亡くなった場所に行って、花を供えてくるの。」
「ウィンリィはイシュバールに慰霊公園が出来たときは行きたくないって言って
たんだよね。」
「だって、いかにも罪ほろぼしですって感じのパフォーマンスに見えたんだもの。
そんなの私の気持ちと違うと思って。」
「今はどんな気持ちだイ。」
「うん…。私も父さんや母さんを亡くしてつらい気持ちは全然薄れているわけ
じゃないけど、誰でも手をあわせて偲べる場所が出来たのはいいことだと思う
んだ。これからのために。」
よくある言葉だがこれから母になろうとするウィンリィが言うと重みが違う。
「そう、これからを語れる場所になったのはいいよね。悲惨な内戦があった、足
を踏み入れちゃいけない場所にされてたイシュバールがさ。」
「色んな人間がいる限り諍い争いは起こってしまうけど、それでも傷つけあわず
に妥協点を見出せるはずだ。そのための努力と知恵を放棄しない限り。
それを体現できる場所になれると俺は思う。」
「そうよね。母さんや父さんもそれを思って医療援助に行ったんだもの。錬金術
で出来ることがあればそれを活かすのがよい道だと思う。」
幼い頃に村がテロ事件で焼かれたことがある3人がそれぞれ、真剣にイシュバー
ルのことを考えている。
あの年の冬から春、イシュバールは単に血の紋を刻む点として陥れられ殲滅され
たと知ったのは、この3人が傷の男と共に行動する時間があったからだという。
イシュバールといえば傷の男を想起するのだ。俺もランファンも同じく。
『約束の日』にブラッドレイとの死闘の末爆発に巻き込まれ、瓦礫の下敷きに
なって死んだらしいという傷の男の姿はまだ心の中に消えがたく居る。
それを受けたようにメイも口を出す。
「私はイシュバールが錬金術で復興することが本当にいいことなのかまだ
わかりませんけド、錬金術師ではない普通の人のウィンリィさんがこんな
風に思ってるなら今日までイシュバール研究所でやってきて良かったでス。」
一番そのスカーと称した男の名を無邪気に呼んで、懐いてさえいたメイが
その名は出さずに思いを語っているのが伝わってきた。研究発表のときも
それは感じていたが、今は素の姿のせいかさらに強く響いた。
「メイちゃ~ん。私研究内容はよくわかんないけどメイちゃん頑張ってるのは
すっごくよくわかるから!あなたすごいから!ほんといい子!」
「ウィンリィさン!」
ひしっと抱き合う二人をエドとアルは少々引きながらも嬉しそうに見守って
いる。この兄弟も相当暑苦しい仲だがそれにひけをとらないあたり、ウィンリ
ィとメイもいい義姉妹になるだろう。

しばらく他愛もない話をして笑っていたが、
「失礼しますメイチャン先輩!師父がご挨拶したいそうです。」
メイの助手的存在らしい学生が呼びに来たのを潮に、名残は惜しいがお開きに
することになった。
立ち上がり向かい合うと髪の毛と同じ金色の眼と高さが並んだ。エドとは最初会っ
た頃は向き合えばつむじが見えるくらいの身長差があったものだ。あれから何年
経っただろう。あと何度こうして向かい合えるだろう。
柄にもなく切ないような何ともいえない気持ちになるのを抑えて言う。
「こうして先例を作ってやっタ。ややこしい立場だが、何かあれば俺はいつでも
駆けつけるつもりダ。また会う日を楽しみにしていル。」
「アルにまかせて後回しになっちまったけど、今に中将をちょいっとだまくらか
してシン国皇帝に謁見しに行ってやらあ。待っとけ。」
エドが勢いよく空威張りをふかす。
「そんな大層なこと言わなくてもシンは僕のもう一つの祖国だし、道も鉄道も
繋がっているよ。なんてことない、普通に、もう。」
「そうですヨ、本当ニ。」
留学で何度も行き来している二人は頼もしく言いつのる。
「そうだな。なんつうか俺ら、家族みたいなもんなんだから。」
「おウ!」
心意気が嬉しくて声をあげ拳を握った。
「またな。」
目の前に掲げた拳同士をお互いぶつける。
「まタ。」
いつかと同じような別れ。今日のようにまたきっと会うために。


ロビーラウンジからエレベーターのあるホールへと向かう。
腹心の臣下はドレス姿でも、いつものように背筋を伸ばし先導して歩く。
ふっと息をつくと
「いい宴だったな。」
思わず言葉が口をついて出た。
「ええ、楽しい時間を過ごせて感謝したいです。」
「こんな形で異国で友人に会うことが出来るなんて数年前は思いもよらなかった
のに、本当に出来たんだな。」
「皇帝自らご尽力されたのですから、当然です。」
「俺が出来ることなんかたかが知れてるよ。」
「夢を持てる未来のためにこうしたいと示してくださる皇帝がいらしてこそ、
私たち臣下は思いつきもしないことさえ実現させようと働けます。それは
皇帝の力です。」
「そうか。そうだな。」
成し遂げたことに今さら自分で納得するのもおかしいが、信頼できる臣下の
言葉でそれを聞けて改めて実感する。
それを補強するように臣下は言葉をつなぐ。
「術師、いえ研究者の集まりがあんなに面白いものとは思いませんでした。」
「世の中のどんな物も現象もあの連中にかかると玩具みたいになるな。」
「それもですけど、人物自体変わった方が多いですね。」
「多かれ少なかれみんなエドワードと同類だからか。」
「その括りはアルフォンスが嫌がりますよ。」
「あはは、違いない。」
笑っていると、改まった顔をして西洋の淑女の姿をした臣下が言う。
「私も非力ですが今回準備にあたって、メイ様には本当に助けられました。」
「あれは随分と立派になったな。あか抜けてどこの国へ出しても恥ずかしくない。」
「充分にねぎらっておあげ下さいませ。文官3人分の働きはして下さってますよ。」
それは重々承知している。ありがたいことだ。


国際会議をパネリストの一人として進めるメイは堂々としていた。
錬金術と錬丹術の相違がいつどこで起こったかを探る研究をライフワークにする
ようになり、この分野の第一人者である。『お父様』により長きにわたって隠蔽
されていたことを知り、ヴァン・ホーエンハイムと短い間ながら共に過ごしたメイが
この研究に関わるのは必然だったのだろう。
合成獣にされた人間をもとの姿に戻す研究をするアルフォンスには、自らの父
の辿った道を探る時間がなかなか持てず、メイが彼に代わって調べものをする
うちにそうなったのだ。
ホーエンハイムが隠者のように過ごしてきたことと、『お父様』が意図的に記録
を破却してきたことにより、当初は知れることはあまりにも少なかった。
そんな状況を打破できたのはイシュバールのおかげだ。シンにもアメストリスにも
残っていない古い錬金術の記録が古イシュバール語の文献により初めて裏付け
られたのだ。
そしてそれは、スカーとの逃避行中に古イシュバール語に触れたメイでなくては
できなかったのだから、運命というものを感じずにはいられない。

メイは現在、アメストリスに留学している。
帰国するアルフォンスと同時期の留学なので、すわ結婚かと騒がれたが優秀な
錬丹術師かつ信頼できる姫である可愛い妹をそう簡単には渡せない。
メイはごく若く、俺の治世もまだ始まったばかりだ。可能性は伸ばし、決断の
切り札は先の大事のときまでとっておきたい。
どんな形になるのが最善かはまだ見えないが、いつか来る決断が二人とふたつの
国によい未来をもたらすものであってほしいものだ。

「ランファンもこっち来て、一緒に写りましょうよ。」
エレベーター前のホールにはイシュバールの礼拝所を模した装飾壁があって、そ
こでメイは引き連れてきたシン国留学生仲間たちと記念撮影に興じていた。
見ればどの学生も色や形は様々ながらシン風を取り入れた盛装で、リボンやチー
フなどどこかにイシュバールの縞織を身に着けている。示し合わせて揃えたのだ
ろう。はしゃぎながら集って仲のよいことだ。
どの部族も守るという誓いは先帝から続く旧臣たちには理解しきれず融和など
綺麗事だという声もある。ならばより新しい世代の育成に努めることだ。
メイと共にすべての部族から代表して出された留学生たちは、あえて海路で
旅立たせた。反発しあっても完全に離れることのできない船旅はお互いを理解
し合うのにちょうどいい。調整役に駆り出されるメイは苦労したらしいが、彼ら
は皆よい関係を築けたのだろう。思えばメイとランファンも最初はいがみあって
ばかりいたが、シンに帰り着く頃はすっかり姉妹のようになっていたものだ。
狭い宮中でいがみ合うだけの連中はいずれいなくなる。
このように未来の指導者たちが世界に通じる知識と経験を積み、仲間として
一緒に成長しているのだから。

請われてひとしきり写真撮影に参加した後、メイと留学生たちはコテージ棟へと
移動していった。あの様子だと、夜通し集って語り遊ぶのだろう。
アルフォンスはそれに付き合って徹夜するだろうか。いや如才ないあの男のこと、
多分周囲をうまく言いくるめてメイを途中で連れ出すに違いない。
まあここは知らぬふりをしておいてやろう。

夜が更けて集っていた人々がそれぞれ休息を求めて部屋に戻ってゆく。
同行のシン国勢も顔に疲れが見えてきた。職員たちにねぎらいの言葉をかけ
随行の者も下がらせる。
「ご用を聞く者を残さなくてよろしいのでしょうか。」
時々存在を忘れるほどさりげない働きをする事務官が訊く。
「これが居る。問題ない。」
「では何かあればお申しつけください。この部屋におります。」
事務官はランファンに連絡カードを手渡す。
「明朝お迎えにあがります。」
どこまでもさりげない事務官はエレベーターの扉が閉まるまで礼をして言った。


特別フロアに人の気配はほとんどない。
警備のためエレベーター自体が他のフロアと分けられているからだ。
廊下の一隅で控えていた黒いスーツの職員が目礼をする。
「ご苦労。」
通りがけに声をかけると彼の目がランファンの左腕にさりげなく注がれていた。
だが俺が顔を向けると注意を解く。
「君、いい勘をしてるネ。俺の部下にならなイ?」
「いえ、私は。失礼しました。」
謙遜とも断りともつかぬ短い返事だけで職員は控えの場所に下がった。

「なあ、今のは。」
「キメラでしたね。」
充分に離れてから小声で確かめると、臣下は即座に断定する。
中年のあの職員は気配が明らかに普通と違っていた。
「たぶん犬。ザンパノと同じような者でしょう。」
「何にしろ、頼もしい。」
シンでは合成獣でも元軍人の仕事があるとアメストリスの地下退役軍人網で
噂になったらしく、皇宮の情報管理官のもとにひっそりと人材が集まりだしたの
は即位して3年目からだ。
ザンパノとジェルソがアルフォンスと共にシンに落ち着いた頃と時期を同じくし
ているので因果は明白だった。
シンの国軍では無理だろうが、皇帝の私兵に国内のどの部族とも繋がりを持たぬ
外国兵を雇うのはかえって好都合というもの。加えて合成獣にされた者は書類上
は死んだことにされているという。今さらアメストリス軍に通じることもないだろう。
わざわざ砂漠を渡って来た者は人柄は見るが委細は聞かず素知らぬ顔をして雇う
ことにしている。合成獣は人間の感覚では捉えられない異変を察知できる。隠れて
作戦行動することも上手い。
彼も同じような者だがこの国のシン大使館から来ている護衛だろう。
「私の左腕に気づける者なら任せても安心です。」
合成獣に慣れきって事もなげにそう片付ける彼女も、相当なものだが。



重厚なドアの向こうの部屋はあたたかみのある照明と花の香りで迎えてくれた。
厚手の織のカーテンが引かれ、中央に大きなランプが置かれたリビングは先ほど
のレセプションルームのミニチュアのようだ。
思わず何度も繰り返し演奏されていた輪舞曲をふざけた調子で口ずさむ。
くすくす笑いをしながら彼女もハミングで辿る。
あの曲は心が浮き立った。少しいたずらっ気がある楽しい旋律だった。
西洋の曲だが、打楽器にシンの銅鼓や箏を加えた編曲がされていたのだ。

「面白いですよね、西洋の音とシンの音が重なって。」
「音楽も錬金術だな。混ざって交わって変化し新しいものが出来る。」
あまり音楽には熱心でないランファンが目を輝かせていたのが珍しかったが、
どうやらよほど気に入ったらしい。
音楽は多くの人の動きを支配する力がありますから、というのが彼女の持論だ。
その場で演奏される音楽の流れに身を乗せると、楽曲を提供する側の支配下
におかれやすいから護衛としては夢中にはなれないという。
確かに軍楽はそれそのものだし、宮中行事などで音曲を演奏するのは威厳を高め
るたり、華やかさを演出するためだったりするのでもっともではある。
そんな彼女のプロ意識も今日の宴の間は取り去られたようで、嬉しかった。
やはり楽しい時は一緒に楽しい気持ちになってもらいたいものだから。

ちょっとした悪戯と、ハミングを続ける彼女の前に小腰をかがめ右手を差し出た。
ランファンは一瞬戸惑ったものの、俺の掌に指先を乗せドレスの端をつまんで小
首をかしげるようなお辞儀をする。普段は真面目きわまりない臣下だが今日は
ことさらにノリがいいようだ。
向き合って背筋を伸ばし互いの顏を見る。腰を支え手を組んで歩を滑らせる
と輪舞のステップになった。二人だけの部屋での小さな舞踏会だ。
三拍子を数えながらふりをしてみたが、たいして練習もしていないダンスの真似
事はそう長くは続かない。
あやふやになったのをお互い照れ笑いで誤魔化てし小舞踏会は終わった。
それでもよい心地はまだ残っている。
二人めいめいにソファへ体を投げ出して伸びをする。

「パーティーでダンスを遠慮しないで済むにはもう少しだな。」
「もっと音楽を聴いて、練習しませんと。」
「それもだけど、旧守派の大臣たちに西洋かぶれと苦い顔されないくらい、文化
が交わって欲しいものだ。」
「本当ですね。」
「俺たちの国も、かの王朝の時代はあらゆる国の者が集っていたんだからな。」
「驚くほど多くの物と人が行き来して、自由で活気づいて。」
「そういう強さを持ちたいよ。」
「多くの人の気が向かえば流れが出来ますよ、きっと。」
「流れ、かい?」
「どの術師だったかが言ってましたけど音も波、光も波なんですって。」
「理屈とすれば確かにそうだけど、なんでわざわざその話をおまえに。」
「波が起きて、広がって伝わってぶつかったり跳ね返ったり干渉しあったり、
絶えずそういうことが起こっているんですって。音も光も地殻さえも。」
「なるほど龍脈の話がしたかったわけだ、その術師は。」
「ええ。シン国皇帝は錬丹術師ではないのに龍脈という大いなる流れを
つかさどると言われるのは、民一人ひとりが感じ取っている光や音や風や
地鳴りを集め受け止める装置としての存在なのではないか、なんて事を
言ってました。」
「装置なんて失礼な、とか言って怒らなかったのかい。」
「皇帝を軽んじているようには見えませんでしたから。」
「なるほど。そういうところはエドとは違ったわけだ。」
「やめて下さいな。皇統を持たぬ国の者はこんな解釈をするものかと面白く
思いましたよ。私にはなんとも言いようがなくて黙って笑ってましたけど。」
「そうか、民の気という大いなる流れか。」
「ええ。外国の言葉で言われると改めて大切さを感じますね。」
「龍脈をつかさどる皇帝としてはよい流れを作っていかなきゃな。」

「そろそろ休むか。」
ランファンに声をかけ寝室へ向かった。
忠実という点では申し分ないが、俺の臣下はあまり趣を解さない。
部屋に入るなり瀟洒な長手袋を外し、いそいそと寝支度を整えようとする。
色めいた空気に気づかぬふりをしたがるのは昔からあまり変わらない。
「どうぞ、お召し替えを。」
部屋着をチェストの抽斗から出そうとする彼女を右手で制した。
「まだいい。それより」
眼差しを向けるその呼吸で察したように動きが止まった。
息をのんで待ち構える姿は崩れそうにはかなく、しなやかにつよい。
そのまま顏を上向かせる。白い顎を持ち上げて唇を差し出させる。
やわく口づけると白檀が香った。
軽く胸を押し返されて顏を離すと、彼女は艶然とした微笑みをくれ手を俺の顏
に向かって伸ばす。
そのまま指が触れたかと思うと、ついと唇をぬぐわれた。
「おいたはここまでです。」
指には深い赤。彼女の唇を彩っていた紅。
そんなものを見せつけられても更に欲望を煽られるだけだ。
するりと背を向けようとしたところを腕の中に抱き込む。

「逃げないで。」
「だって。」
俯いた首筋にかかるおくれ毛。鮮やかな白と黒の対比に欲がちりちりと疼く。
「顔も向けないなんて冷たいじゃないか。」
「このままじゃジャケットに白粉がついてしまいます。」
「そんなこと気にするな。」
「お召し物の管理も私の仕事です。随行員を減らしたのはどなたですか。」
「俺だな。」
「では秘書兼護衛のお願いを聞いてください。」
「わかった。ではどうしたらいい。」






 

いまさらですが、あけましておめでとうございます。
ていうか、おめでとうございました! 明日は2月じゃないですか。

前回更新が12月1日。
あの後太極拳三段の試験不合格が判明しまして、ぽっきり折れてました。
ふくろう宿に出奔の時点で相当ヤバかったわけで、それを押して試験受けても
駄目ですわな。

年末の忙しさをなんとか乗り切って迎えた正月は寝て過ごしました。
本当に寝てばっかりいた。
リビングにふとん敷いて駅伝見ながらうとうと寝て、本読みながらうとうと寝て、
3が日寝続けてやっと少しだけ気力が戻ってきた感じ。
その後も家族のためと思って頑張ってしまっては下手こいたりしたので、意識
して手を抜いて意識して休んで、やっとブログにまとまった文章書くところまで
戻してこれました。


はや2月になるということで、ニンジャ属性好きとしては取り上げざるをえない
モノを披露しておきます。
メリーチョコレートの2017バレンタインコレクション 「TUWAMONO」
そのうちのひとつ『疾風の者』

手裏剣モチーフのチョコですよー。
このシリーズには刀モチーフの『熱き者』というのもあるのですが、刀剣乱舞の
人気のせいか、売り切れ続出らしいです。
クナイのモチーフのチョコはさすがにまだ見つけられていません。


さて、もうおわかりとは思いますが。
鋼もリンランも相変わらず大好きですが、発信する力が今の私にはなくなって
しまっています。
なので今後このブログは開店休業の倉庫と思ってください。
いろんな方とお会いできて楽しい思いをしてきた場所なので、閑散とした状態
をさらすのはみっともないかもしれませんが、開けておきます。
小説棚は取り出しやすいようになっていますから、好きに見てください。
店番は奥で昼寝してます。
呼んだらだいぶ経ってからごそごそ起きてきます。
生存確認ならtwitterのほうを覗いていただいたほうがいいかもしれません。
かもと@kamoto417 です。
そして、もし何か書けたらその時はまたこのブログに置いておきますね。



拍手おへんじです。
遅くなってしまって申し訳ありません。

maoさま
昇級にお祝いの言葉をありがとうございます。
黒帯になってはじめて門の入口なので、ここは通過点と思ってまだ稽古
続けます!
茶帯になると沖縄の稽古行ける枠に入れるので、それが嬉しいです。

真田丸の出浦様ネタにも食いついていただいて。
W昌という呼称もできてた昌幸パッパと素破・出浦昌相のコンビは、役者さんの
溢れる色気で抜き差しならない関係になりすぎた!!
出浦様は史実では能吏として信之を支えたのですが、それ出なかったしww
影で支える忍び、尊い!!
命の危険を重々知りながら必ず帰れと送り出す主君、尊い!!
いやこれモロにリンランだろ、って思いますよね!

このブログは開店休業にしますが、作品の倉庫として残しますし、今後ももし
創作意欲がわいて何か書けたら置いておきます。
ほんのときどき覗いていただけたらと思います。

追伸:吹田の民博はチワン族の住居の展示をまだ置いてあるらしいですよ!



kituneさま
ふくろう宿はマジでモグリなのであまりお勧めはできませんが、トロッコ列車が
近くを走っているところにあります。
本気で気になるようでしたら、twitterでDMいただけたらお教えしますね。

太極拳と長拳を始められたとのこと、すごいです!!!
長拳、あこがれます。
本に関しては『カンフーガール』 八神かおり 文芸社 をお勧め。
青春拳法開眼小説というサブタイがついております。
作者が書きたいことを書きたいように書いたなと、1ページ目でわかりますww
小説としてはちょっと難ありですが、武術ネタ本としては情報量が盛り沢山
すぎて面白いこと、保証します!
映画に関しては、kituneさまのほうが絶対詳しいはずですよ。


 

11月初頭の空手の試合は型で2回戦進出も2-3で敗退。
組手は中段蹴りで先取も突きをくらい、延長の末判定負けでした。
いい年ながら健闘した!


そして先週やっと太極拳三段の試験が終わって、ホッとひと息…
といきたいところが、通院等用事多発で昼ごはんの時間5分という状態が
続いています。かもとです。

 

健診で貧血が判明して内科に通院。
発達のほうで成人向け検査やったりカウンセリング勧められたり、
あと空手で痛めた足の甲の治療で整形行ったりインフル予防接種したりと
も ~ う !!
なんでこんなに慌ただしく心が休まらないの?

 


試験前にもうすでにいっぱいいっぱいになってて、
『山奥の湯治場で風呂入って寝て本読むだけで過ごしたい!!』
という欲求が抑えられず、試験終了後に某所の温泉に逃避行しました。

 

ここがね。
以前はB&B(素泊まり宿)として公表してたけど、民泊に関して行政がうるさく
なったので今はやめてて、私は11月唯一のお客だとか。
つまりモグリ
なわけですよ。

 

私はある女性の体験ブログ(一軒家の素泊まり温泉ペットのふくろうつき)
を見て行くのを決めたのですが、
ここのヘンというか面白いというかあやしいところは私の想像をかるく超えてた!

 

*お風呂=一軒家の家庭用浴室。これは写真で見てた。けど。
母屋の勝手口入ってすぐ、脱衣場もなく台所で服脱いで入る式。
しかもいかにもおっさんの一人暮らしで散らかっている。

 

*宿泊する部屋=庭のログハウス
電話で、庭にケージがあってふくろうがいるとは聞いてたけど。
庭を鉄パイプと網で大規模に囲った 【中に】 ログハウスがある!!

 

ふくろうはふくふく太って目玉まんまるで猫みたく足で耳かいたり可愛かったv
背中見せると飛びかかってくるから気を付けて、と言われてはいたけど。
写真とろうとしたら真正面から飛びかかられて仰天して尻もちつきました。
はずみで爪でアゴのところ流血。すぐ止まったけど。
やっぱ猛禽類とは軟弱な人間はすぐ友達にはなれんなぁ。
オーナーにはむちゃくちゃ懐いててかわいいのですが。

 

 

しっかし、これもし何か事件事故起こったら、何でそんなあやしい所へ女一人で
行ったんだ自業自得だ自己責任と非難ごうごうのパターンだな、と思いました。
またふくろうと同じ檻のなかというのが映画やなんかであるヤバいところに
行きずりの旅人が泊まって惨劇、というフラグすぎて不安に。

保険として家族と友達に写メして現在報告して、少し下の温泉旅館に見物
がてらトイレ借りに行って万一のときの避難場所確認を。

 

のんびりしたくて来たはずの場所でなぜ危機管理行動してるのか、
いやもうモグリと判った時点でやめるのが良なのに、その判断すらできないほど
いっぱいいっぱいになってたところでもうアカンかったんや。
いろいろぐるぐるしましたが、結局オーナーのおっさんはいい人で夜二度風呂って
買ったごはん食べてエッセイと小説1冊ずつ読んで寝ました。
ふくろうの鳴き声を子守歌に。(なかなか素敵v)

 

あー、まー、エライ体験だなあと思いながら翌朝風呂入ったら、肌がツルツル。
さすが源泉かけ流し!!
私の超乾燥肌は温泉の効能がすごくよくわかるんです。
あちこち温泉に行っていますが、ひさびさの泉質実感でした。

 

ふくろうの羽をお土産にもらい、駅まで送ってもらって1日半ぶりに帰宅。
帰りの電車でものすごい疲れを感じ、これをよくまあ抑えてきたもんだなあ
と自分の抑圧の強さにあきれました。
そしてそれをふっとばしたふくろう宿、すごい非日常体験でした。

 

もし今度行くなら、こういうのを面白がってくれそうな人と二人で行くのが
楽しいなと思います。
興味のある方はメッセージ下さればメールしますのでww

 

 

月イチ更新すらままならなくなってきた当ブログですが拍手ありがとうございます。

以下おへんじです。

 

秋野さま

 

いつもありがとうございます。
秋野さまはお仕事に直結してるから大変ですよね。>筋肉&関節
頭を体の状態のほうにあわせたいのですが、なかなか難しい;
格闘家にはほど遠いですが、なんとか頑張りつづけています!

 

kituneさま

『魂の家族たち』の感想ありがとうございます。
ランファンは対リン限定の無限の包容力がありますよね!>行き倒れ発言
シン組はずいぶんエピソード省略されたんだろうなと思っています。
荒川先生は発表後の作品に関してかなりドライな感じがしますので
(実写化とか!!)外伝は期待薄ですが望みは捨てずにいたいです。
そんで自分で補完したのが『野辺送り』等のお話なのですが。

中国武術を習い始めたとのこと!!すごいです! お仲間ですね?
なんだろ?ビューティーカンフーとか長拳とかでしょうか?
詳しく教えてほしいです。
ブルース・リーの言葉はtwitterのbotでフォローしてたくらい好きです。
あの境地の裾の端っこすら遠いけど、むっちゃ参考になりますね。

中国武術は底なし沼ですからね~。ながーくつきあって下さいね?

 

 

拍手のみの方もありがとうございました。

 

気づけば10月が終わる! 完全に油断してました、かもとです。

毎年秋は太極拳の試験と空手の大会でいっぱいいっぱいなのですが、
今年はまさかの真田丸に大ハマりで更に脳みその容量余裕ナッシング。
こんなんじゃ結果はどうなるやら、です。
やっと体を地面に繋げられるようになったみたいで、身体感覚が少し
変わってきたのですが、それをのぞむ形で表現できるか…

ある動作をどうすれば効率よく美しくできるかと、何度も練り直し繰り返し
洗練させていったら『型』ができるのだなと、先日意外なところから腹落ち
させてもらいました。

吹田の『みんぱく』(国立民族博物館)で『見世物大博覧会』という
特別展をやってて、『人間ポンプ』の映像上演会に行ってきたんです。
キンブリーか?と思ったあなた、正解です。
白黒の碁石を飲み込んで、客のリクエストどおりにその色の石を吐き出す・
生きた金魚を飲み込み、その後釣り針のついた糸を飲み込み釣り上げる
という、まあトンデモ人間の万国ビックリショーなお人の芸です。
大道芸好きなので、この人の伝説的な評判は本なので知っていましたが
(既に故人)映像で実物を見るのは初めてでした。
いかにもあやしげなイメージを勝手に抱いていたのですが、全然ちがった!!
この人間ポンプの安田さんは愉快で明朗なおじいさんで、しかもやってる芸
は本当に『芸』だった!!
飲み込んで吐き出す、というグロになりそうな行為を究極に洗練させていて
まったく汚い感じを起させない!!
口のなかに隠しているわけじゃないですよ、と指つっこんで広げるポーズも
何度繰り返したんだろうというくらい洗練されている!
テレビ以前の木戸銭をもらって芸を披露する人は、お客さんに好かれなきゃ
おあしがいただけないと、本当に心をつかむ芸をしていたんだなあ。

ほかにも漫談や肉体芸、河内音頭と本当にいろんな芸を持っていたという
安田さん。
お客さんに見せられるものになるまで、ひたすら練習を繰り返しただろう、その
何度やっても失敗ない見事さは本当に『型』ができているなあと。
稽古後で筋肉痛でひーひー言いながらだったけど、行ってよかったです!


まったくリンラン関係ない話で終わってしまいそうですが、『みんぱく』は少数
民族関係とっても強いのでこんなお土産を手に入れました。
おんぶの女性は大理のイ族、黒の衣装はベトナムのルー民族です!
これ昔の特別展のときのポストカードだな、きっと。


また来月(ってもう数分後だけど)ブログ書きに上がってきますね!

 

 

 

【お詫び】 昨日は仮稿を間違ってupしてしまい失礼しました。

 

7年目にしてやっと空手で茶帯に昇級しました、かもとです。

長かったなあ。

こりゃ無理かと思ったり、そこそこのところでやめようと思ったこともあったし、これからも

思うだろうけど、地味に続けるだけでも成果が出せたのはよかったです。


そして先日から空手の稽古に本部道場の師範がたびたび来てくれるようになりまして、

防具つき組手をかなりガチでやってます。
今まで相当手加減した練習しかしてなかったのですが、現役バリバリの刑事でもある

某師範は遠慮なく指導してくれるもんで。

『アゴ上げるな!』と言われてもつい上がってしまってたのですが、

『ちょっとここ立ってみ?』と並ばされてコーン!と頭殴られた。

(安心して下さい、面つけてますよ。)
次アゴ引いて殴られたらダメージが半分以下!
体で納得しました、ハイ。

んで、アゴが痛い。
アゴというか首全体が張っている。
握った拳がダメージ受けて親指の付け根が痛い。

若い頃からやってる人はちゃんと骨から鍛えられて関節とかも太くなってるけど、私は

突きの強さに拳の強さがついていけてないようです。

そしてなりふり構わん私対策で、おとなしかった中1のNちゃんがいい突きを出すように

なったもので、先日は食らった弾みで口の中切りました。

ヤバい。
今年はエキシビションでなく本当の組手を大会でやるので、この機会にマウスピースを

作りました。
保険きかないから高かった(;´Д`)

 

 

まったくもって何やってるんだか、という現在ですが、そもそも武道を始めたのは

リンランがきっかけだったわけで。

優れた創作物にハマるとまず行動が変わって、体が変わって、人生まで変わっちゃう

んだなあとそら恐ろしくも笑ってしまいます。

 

 

年内はむっちゃ忙しくて日記が月記状態が続きそうですが、時々思い出して見に来て

いただけると嬉しいです!

無言拍手ありがとうございます。


 

超絶おひさしぶりです、かもとです。
前回up後、ふぬけになっている間に夏休みに突入してしまい、猛暑でボーッと
してるうちにこんなに日が経ってしまいました。

 

オリンピック陸上400mリレーはすごかったなぁ。あの4人のドキュメント読みたい。
吉田沙保里選手は残念だったけどレスリング界への影響は超金メダルだと思います。
あと、土性沙羅選手むっちゃカワイイ! あの色白ムチムキボディうらやましい!

 

それとお盆休みにシン・ゴジラ観てきました。
すっごい滾った!!
去年のマッドマックスのような興奮!と思ったら、去年twitterで怒りの○○と
アカウント名を変更してた層が軒並み シン・○○と名乗ってて笑ったw
市川実日子は私の中では「場末のスナックのバーカウンターにいる不思議女」
のイメージが強かったのですが、尾頭さんですっかり書き換えられました。
いい男・素敵オッサン・筋肉男子のスーツ&制服姿てんこもりで楽しいったらw
なかでも泉政調会長の「頼れる太目」最高!!
岡田准一の『SP』で同僚やってた時も好きだったなあ。
○人○○線爆弾(!!!!)で私の中の5歳男児が歓喜の雄たけびを
あげてスタンディングオベーションが止まりませんでした。
なんやかや面倒な感想もあるようですが、すごい娯楽作品でしたよ!!

 

来年の夏、鋼の実写映画は、どんな感じになってるのかなあ…

 


ハガレンはネタがないけど、培われた主従萌えはどうしようもないですね。
『真田丸』にハマりきってるのですが、もう主従尊い!
先日忍者マスター・出浦さまがボロボロに負傷しながら主の真田昌幸の
もとに戻ってきて、名を呼びながら抱きしめられるシーンがもう…
腐属性なくともあの凄絶な色気にはやられますよ。
今週の上杉主従も、
「画面に映ってないところで二人、どんなやりとりがあったの?」
と、本気になった御屋形様をとめられなかったのを、開き直ったように
清々しい顔で宣言する直江をむっちゃ問い詰めたかったです。
エンケン景勝さまに抱きしめられる三成、おまえ、そこ代わってくれ!
来週は、超絶いい声の直江状が来るようです。
声優さんという声のプロに慣れてるアニメ好きの方にもぜひ聞いていただきたい。
日本人には珍しいくらいのすごい低音なのによく通り歯切れのよいセリフ回し
で、家康を挑発弾劾しまくる書状の朗読、腰が抜けますよ。

 

 

さて、遅れに遅れて申し開きのしようもない拍手お返事です。

 


>秋野さま

超絶放置で申し訳ありません!
あまりにも久々の小説投下で糸が切れたように脱力しておりました。
他の方のを読むのはもはや習慣でやってしまうんですけど、出力のほうは気分的
なものがまったく向かわず、ネットでもひきこもり状態ですw

ランファンの決意を見せるのが好きなので自作でももう何番煎じかという
パターンになってしまいました(汗
でも原作のここは以前からずっと補完したかったので、書けてよかったです。
こうしてみるとリン様ヒロインでランファン騎士と言われるのがよくわかりますね。

 

>蓮一さま
うわあ~v ほんっつとうにご無沙汰しております~!
ランファン膝枕はわりとナチュラルにやってくれそうな気がしています、個人的に。
お互い傷だらけでボロボロ状態での接触って萌えますよね!
原作があんな感じだったので主従引きずってますが、本当ならもっと濃厚なハグ
とかなにやらさせたかった…!
リンの理想とする王の姿の理解者がランファンだと思ってますが、あのシン国は
ひとすじ縄じゃいかなそうで、私にはその経過を書ける能力ががが…
感想ありがとうございました。
蓮一さまのところにもひさしぶりにお伺いしますね!

 

>maoさま
いつもありがとうございます。
実は人気のクリニックなので予約がとれただけで、初診はまだです(爆)
今はわりと安定しているので、8割運行を心がけております。

小説は自分ではやはりぎくしゃくしてるなと思ってましたが、maoさまの感想で
読みづらくはなかったらしいと安堵しております。
リンは、フーを失ったことは悲しいけど納得していると思えたけど、グリードに
関しては「なんで!!」という感情がわだかまってるように思えました。
なのでこんな内容に描写したのですが、maoさまが気づきの機会になったと
言っていただいて、うわあ、いいのかなと(笑)
感想ありがとうございました!

 


拍手のみの方も、ありがとうございました!

 

 

ごうごうと耳元で音が鳴り続けている。
体が揺すられる。
巻きあがる魂の暴風の中でグリードがゆっくりと背を向ける。
初めて見る奴の後ろ姿。
右手をかるく上げ、黒いロングコートのポケットに左手を手を突っ込んで。

―――『あばよ。』

―――待ってくれグリード!
伸ばした俺の左手の甲から、ウロボロスの印が霧散する。
それと同調して俺の姿をしたグリードも砂が巻き上がるように消えていく。

―――俺をおいていくのカ、グリード!



自分のうなされる声で目が覚めた。
(ああ、やはりあいつはいないんだ。)
どこかでこれは夢だとわかっていたのだろう。
ごうごうとなる魂たちの声は列車の軌道と車輪のたてる音だった。
セントラルの動乱からひとまず遠ざかり、帰国の手筈を整えるために
俺たちは郊外の貨物駅から列車に忍び込んだのだ。

重い瞼を開けると目線の先にメイが木箱にもたれて寝ていた。
梱包用のボロい毛布にくるまっている。
俺はコンテナの壁にもたれて休んでていたはずがいつの間にか寝つぶれてたらしい。
ランファンが俺に膝を貸してくれていた。

「ランファン?」
俺を見る顔はいたましいものを見るように哀しげにゆがんでいる。
「どうしたんだ。」
「若が、泣いておられるから。」
体を起こし手の甲で目元をこすると水滴で肌が濡れていた。
寝ながら涙を流して泣くなんて、子供みたいだ。
「夢を見ていたんでしょう?」
囁くような小声は、寝ているメイを起こさぬようにだろう。
「グリードの名を何度も呼んでました。」

頭と体を起こしたくて立ち上がった。
まだ夢のなごりが額のあたりに残っているようで重苦しい。
ため息をつき、組んだ腕を高く上げて伸びをする。
「グリードの奴、なんでここにいないんだろうな。」
答えのない臣下をよそに胸にわだかまる思いをひとり呟く。
「本気で考えてたんだ。あいつとシンに帰ったらまず何を食べよう、何をしよう、
何を見せてやろうなんてさ。」
奴ならクソみたいな宮中のあれこれもぶった斬るか笑い飛ばすかしただろう。
「玉座のぶんどり合いもあいつならきっと楽しんでできたよな。」
一緒なら、皇帝にだって何だってなれる気がしたのに。


「馬鹿みたいだろ。」
「外国でわけのわからんもんに体乗っ取られて、しかもそいつを仲間にした
気でいたんだから。」
自嘲に鼻をならすと従者の生真面目な声がそれを遮る。
「いいえ、若がグリードをかけがえのない者としていたのはよくわかります。」
「体を返せって怒鳴ってたくせに。」
「私の一番で唯一は若ですから当然です。」
「おまえはいつもそうだな。俺以外はどうでもよかったりする」
「でも、」
無口な従者がいつになく鋭く言葉をはさむ。
「若と共闘してたから、」
「共に戦ってくれるあの者は仲間だと思いました。」
「認めてなければあいつの命令など聞きません。」

―――『来いランファン!!』
機械鎧の刃の一閃でグリードとの繋がりが斬られたあの時。
嘘をつかないグリードに裏切られて愕然とした。
それは今でも続いている。
それを為したランファンへの理屈にあわぬ恨みのような感情とともに。

「わたしは、」
黙り込む俺に昂った声が言葉を重ねる。
「若かグリードかわからない子を産むことまで覚悟してたんですよ!」

一瞬、何を言われたのかわからなかった。
呆然とする自分を前に、急にあたふたし始めたランファンの様子にやっと
意味を悟る。
このどこまでも忠実な臣下が、グリードと俺が皇帝になった時の継嗣に
関するリスクを考えないわけがないじゃないか。

「ランファン。」
激しい言葉を発した従者は今赤く染まった頬できまりわるげに俯いている。
「ありがとう。」
俺のいない間に、こんな大胆な覚悟をもって帰還を信じ待っていたのだ。
賢者の石を受け入れ、人造人間と化した俺に生殖能力はあるのか。
もし子ができたなら、その子は人造人間なのか、人間か。
それをシンの皇統として公に存在させてよいものか。
退屈な大総統府の地下でとりとめもなく考え、答えも出ずに棚上げ
していた問題を、影に徹するこの娘はこんな形で受け入れていたのだ。
改めて不在のあいだもずっと信じてくれていたことにじんわりと心が温かくなる。

「ごめんな、心配かけて。」
「今までで一番長い行き倒れでした。」
冗談は苦手なのに、気丈な従者はよくあることと笑いに変えようとする。
「きっと爺様もグリードも若が心配でまだ近くで見守っていますよ。」
「そこまで心配されるほど俺は頼りないかね。」
苦笑すると
「みんな若が大好きなんです。」
ランファンはあくまで真面目に言う。
(そのみんなの中の一番はおまえだよな、ランファン。)
心の中で思ったことは、時を選んできっと彼女に言ってやろう。
従者の仮面で答えから逃げることのないように、いつか近いうち。


貨車の小さな明かり取りの窓からは少し闇の薄れた空が見えた。
「さあ、まだ目的地まで時間がある。俺に寄りかかって寝ればいい。」
ランファンの隣に胡坐をかいて座り込む。
「あの、それは。」
「遠慮はしないこと。俺がそうしたいんだ。」
「ではこちらにさせて下さい。」
ランファンはさりげなく俺の右側にまわりこむ。
なぜわざわざ、という思いはすぐ消えた。
機械鎧の左腕が当たらないようにか。
ちいさく胸の奥が痛むが、これも俺が受け止める痛みだ。
座りなおした彼女の両手をまとめて包むように握る。
機械の左手と手甲をはめた右手。
この手を離さず、大事にしよう。
グリードのこと、賢者の石のこと。
アメストリスであったこの世のものならぬ力が起こした危機のこと。
すべてをわかってくれるのはこの娘しかいないのだから。




あとがき

2016リンランの日記念作品。
原作約束の日の退場後です。
『帰り道』→『野辺送り』→『魂の家族たち』の順ですが、
単体でも成立して読んでいただけます。

長らく書くことから遠ざかっていたので、書き上げることができてほっとしています。

最終回のリンがランファンに素っ気なさすぎて、あー、こいつどんだけグリードに
裏切られたショック引きずってるんだろ、と思ったのが創作のきっかけでした。
原作ではどこまで行っても主君と臣下な二人ですが、ランファンがリンの一番
の理解者であることは間違いないです。
どこまでも主君思いで、その真剣さがちょっとズレてるランファンはかわいい。
リンはそれに甘えてる自覚はありつつも主君の気ままを敢えて通していると思います。
グリードは主従という関係を変えるきっかけになった存在じゃないのかな。

祝!リンランの日!

先日は辛気臭い近況ですいませんでした。
気が重いおもいといいながらやっとクリニックの予約を入れました。
しかしアレだね。
本当にしんどい時は本人は病院にかかることすらハードル高いね。
9年前は保健婦さんがわざわざ来てくれたから、初診に繋げたんだなと
自治体にいまさら感謝しています。

んで、小説もうすぐ書きあがりそうです!
新作ひさしぶりすぎたけど、なんとかなりそうでよかったv
『約束の日』の退場後あたりの話です。


激励の拍手&メッセージありがとうございました。

kituneさま

こうして需要があるよと言っていただけるのは本当にうれしいです。
今回の作品はkituneさまのお好きなものに合致してたらいいのですが。
レス不要とのことでしたがありがたくてお返事書かせていただきました。



maoさま

アドバイスありがとうございます。
とりあえず市内によいと噂のクリニックがあるのでそっちにかかります。

マッドマックスはもう昨年というのが信じられないですねw
観ていただけたら大勢がいいぞと言うのがわかると思います。

新作は未来編でなく原作補完編になりました。
以前からこういう心の流れがないと、あのラストじゃ据わりがわるいと
考えていたものです。
未来編はもう少しリハビリしてからになりそうです。
maoさまもお体大事になさってください。


拍手のみの方もありがとうございました!

長らく放置してしまい、すいません。
どうにも心身の調子がわるくて、
「こんなつまらん人間が何をわざわざ発信することがある?」
というモードから抜け出せずここまで来てしまいました。

 

仕事も運動もちゃんとやっていられますが、微熱腹下しだるさ筋肉痛の
いつものコンボが続いて、6月前半は休みになると寝て過ごす状態で。
内科の検査では何も異常なしもいつものこと。
このしんどさは心療内科かなと思いつつ、病院に予約入れるのがどうにも
気が重くて、10年近く前に通院してた時の薬の残り1錠を1/3に割って飲んで
みたら翌朝の目覚めが違った。
明らかに頭にどよんとかかってた暗雲が晴れてる。

それで改めて、やっぱ私の脳の機能は少しおかしいんだなと実感。
自律神経を整えるためにできる限りのことをしてきているのに不調を自力
で改善できず、ほんの少しの薬剤には劇的な変化をあらわす。
病院行くべきなんだろうな、気が重いけど。

 


遠ざかってる間にハガレン実写化のサイゾーのすっぱ抜きが本当だと判明
したり、リンランの日が近づいたりしてますね。
実写化はまあネタとして楽しみゃええんちゃう?という、リンランは出ない
からこその余裕のスタンスでいられるのはいいことなのか悪いことなのかw
そしてスカーや筋肉少佐のキャストが発表されてないのは、日本人じゃ
あの肉体は無理だからいないことにされるんですかね。


リンランの日、なにかしたいけど今は何書けばいいか全然わからん…
皇帝リンのお供でアメストリス訪問したランファンが、元大総統夫人が
営む養護施設でセリムに会い、グリードも完全には消えずどこかにいる
のではないかと感じてリンに伝える話を少し書き出してみたけど、リンラン
要素薄くてつまらない…
シンからの手紙(アルフォンス視点)も、未来編は状況説明ばかりで
つまらないなあ。
どういうのなら今の私は萌えられるんだろう。

 


ちなみにこの春クールは、うしおととらの3クール目を録画しながらまったく
みておりません。お休みはさんで失速してしまった感じです。
かわりに大河ドラマ真田丸にはむっちゃハマってます。
おっさん天国!!
草刈正雄があんなにワイルドで食えない田舎侍になるとは思ってなかった!
最初にハマったのは昌幸パッパと出浦様。
出浦様はクナイ構える姿があまりにもカッコよすぎて倒れるかと思った。
そしてtwitterで中の人のジュウオウジャーでのかぶりもの姿見て益々惚れたw
今は上杉主従から目が離せません。
もともと遠藤憲一さん好きなので、景勝様をかぶりつきで見ていたのですが、
あまりにいい人すぎて笑いがこみあげて仕方ないw
そこにブリザードのように冷徹なツッコミを入れる直江兼続がいい声すぎて!

これってニンジャ属性萌え、主従萌えはリンランに通じる…のかな?


こんなふがいない状態ですが、小説へのヒントとかいただけたらうれしいです。
書けるかわかりませんが、少しあがいてみたいと思います。