オススメ本 千百冊目 禍 | カモシダせぶんの、日々の文

カモシダせぶんの、日々の文

松竹芸能のピン芸人、カモシダせぶんです。本屋と図書館が好き。そんな僕の、ブログです。僕を、知ってる人がいたら嬉しい。好きな小説家は詠坂雄二。好きな歌手は後藤まりこ。好きなダンは、モロボシダン。

現役書店員芸人カモシダせぶんの


日曜に、一冊、読んでほしい本


今回はー、小田雅久仁の短編集


禍(わざわい)




ちょっと前に話題になってたので今更ですが読了。


本を食べることに夢中になる女、耳の中に入り込む男、髪を大事にしてる新興宗教の儀式中に蠢く髪の毛など


基本のベースは怖気持ち悪い話なんですけど、SF的な要素や、不思議だったり、芯をつく真理があったり、どの話も「怖い」を上回るズンと来る読後感があります。


あと人間の顔や肉体にフォーカスを当ててるのも特徴的、もっとも自分から不可分なところにあるから、よりゾワゾワ。


特に好きだったのは「農場」「喪色記」


「農場」は、突然拉致られた男が謎の施設で鼻を土に埋めて育てる仕事を強要させられる話。育てるところが畑、じゃなくて畠と書かれてるのもポイント。


「喪色記」は主人公の目から女の子が急に飛び出たり、世の中の全ての物の色が無くなり灰色に朽ちていく、一見かなりホラーな話なのかなと思いきや、めちゃくちゃ情緒があって良いSFでした。


お話が心を侵食していく、そんな短編集です。怖いけど、それでも禍に触れて見たい人、是非。


YouTube 

【書店員芸人カモシダせぶんの読書のおとも】



チャンネル登録、高評価、お願いしますっ。