現役書店員芸人カモシダせぶんの
木曜に、一冊、本の話を
今回はー、宮島未奈の青春連作短編小説集
成瀬は天下を取りにいく。
舞台は滋賀、ほとんどのお話の中心になっているのは突飛な行動をクールに起こす少女「成瀬あかり」
閉店する西武大津店、ローカルテレビのカウントダウン生放送に毎日映り込もうとする成瀬
急に幼馴染とM-1グランプリに挑戦する成瀬
急に百人一首を部活動で始めてメキメキと頭角を現していく
高校入ったら急に坊主になる、髪の毛がどんなスピードで伸びるか確かめたいから
目標は200歳まで生きること
もうとにかく、目が離しません。そして彼女は目立ちたいとか、邪な思いが一つもないんですよ。
ここの純粋さと天才性がもう本当に、まぶしい。
別に泣かせるようなシーンじゃなくても
涙が出てくる。それは彼女のスター性もあり「10代の青春」という取り戻せないたいせつなものも超絶上手く書けているからこそ。
いやー、評判いいとは聞いてましたけど確かにこれは
とんでもない主人公小説だ……
滋賀ローカル小説としても読み応えがある。生まれて初めて「滋賀にめちゃくちゃ行きたい」と思いました。滋賀県の方、すいません。
最初の短編『ありがとう、西武大津店』がヤバい傑作なのは間違いないですが『レツゴーミシガン』も超面白かったです。ここに出てくる、西浦くんがマジ最高の恋愛してます。
かなり広く、老若男女に勧められる素晴らしい小説でした。元気出たー。
YouTube
【書店員芸人カモシダせぶんの読書のおとも】
チャンネル登録、高評価、お願いしますっ。