オススメ本 千九十九冊目 正欲 | カモシダせぶんの、日々の文

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松竹芸能のピン芸人、カモシダせぶんです。本屋と図書館が好き。そんな僕の、ブログです。僕を、知ってる人がいたら嬉しい。好きな小説家は詠坂雄二。好きな歌手は後藤まりこ。好きなダンは、モロボシダン。

現役書店員芸人カモシダせぶんの


木曜に、一冊、本の話を


今回は、朝井リョウの長編


正欲




とある人物のメッセージから始まり


場面が変わり、ある事件のネットニュースをどん、と読まされ


そこから各登場人物の話に入っていく群像劇。


普通とはなんだろう、社会とは、生きるとはなんだろうと、さまざまな立場の人間が考えていく。


読んでて常に「自分が他人を見てる目はどうだったろう」と考えさせられます。あと世間においての自分の立ち位置も。


最後の1ページ常時問いかけられてる様な、あまり無い読書体験でした。


外れてる人は除外すべきなのか、受け入れるのか、理解できるのか、そもそも関わって向こうは良いと思っているのか


向こうとはどこなのか


まぁホントこんなに考えるのにストーリーがきちんと頭に入ってくるのは凄い。作り込まれてる。


文庫版、臨床心理士の東畑さんの解説めちゃくちゃ良かった。この小説の捉え方をまさしく解説してくれてる。是非ここまで読んでほしい。


「立場」によってこの小説の感想は変わると思います。


僕が読んで思ったのは


芸人になって良かった。です。


外れていても受け入れられる、外れてることが評価される。しかも、例えば周りにハマってなかったとしても


お前は芸人じゃない、とまで言う人もほぼいない。


凄い社会だなと思ってます。人間じゃないと言われる芸人さんは結構います。


そんな人たちが沢山いる。仲間もできる。芸人社会があって良かったな、と外れてる僕なんかは心から思います。


めちゃんこ売れてるし、映画も評判いい。皆この作品に触れて、考えてるんだろうなぁ。


再来月、朝井リョウさん、高校ビブリオバトル全国大会のゲストでご一緒します。話せるのが楽しみです。


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