ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(ネタバレ)

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY



原題:Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn
2020/アメリカ 上映時間109分
監督:キャシー・ヤン
製作:マーゴット・ロビー、ブライアン・アンケレス、スー・クロール
製作総指揮:ウォルター・ハマダ、ゲイレン・ベイスマン、ジェフ・ジョンズ、ハンス・リッター、デビッド・エアー
脚本:クリスティーナ・ホドソン
撮影:マシュー・リバティーク
美術:K・K・バレット
編集:ジェイ・キャシディ エバン・シフ
音楽:ダニエル・ペンバートン
音楽監修:シーズン・ケント、ゲイブ・ヒルファー
出演:マーゴット・ロビー、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジャーニー・スモレット=ベル、ロージー・ペレス、クリス・メッシーナ、エラ・ジェイ・バスコ、ユアン・マクレガー、アリ・ウォン、ダニエル・バーンハード
パンフレット:★★★★☆(850円/信用できる松竹事業部のパンフ。コラムや企画記事が充実!)
(あらすじ)
悪のカリスマ=ジョーカーと別れ、すべての束縛から解放されて覚醒したハーレイ・クイン。モラルのない天真爛漫な暴れっぷりで街中の悪党たちの恨みを買う彼女は、謎のダイヤを盗んだ少女カサンドラをめぐって、残忍でサイコな敵ブラックマスクと対立。その容赦のない戦いに向け、ハーレイはクセ者だらけの新たな最凶チームを結成する。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※今回の記事は「剥がされた人間の顔の皮」という残酷な画像が貼ってあるので、そういうのが苦手な方は読まない方が良いです。
※本作のトリビアについては「ciatr」の記事が、音楽については「VirtualGorilla+」の記事がオススメでございます。


最近、すっかり新作映画の感想の更新が周回遅れ状態でして。たまには公開初日に観た話題作の感想をアップすることでアクセス数を増やそう…アクセス数を増やそうと思って、本日は本作の記事を書いてみましたよ (`・ω・´) フヤソウ! まぁ、2015年に公開された「スーサイド・スクワッド」は肌に合わなかったものの、マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クイン自体は好きだったし、そもそも「アメコミの映画化作品は劇場で観る主義」ということで前売り券を購入。3月20日(金)、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場にて、「PMC ザ・バンカー」とハシゴしてきました。「確かに面白かったけれども… (´・ω・`) ウーン」と思ったり。


前売り特典は「特製スマホステッカー」でした。


新型コロナウイルスのせいで映画館も大変そうなので、ついミルキー味のポップコーンを購入。


11番スクリーン、公開初日(祝日)なのに1/5ぐらいの入りでしたよ (・ε・) ウーン


ちなみに、20周年記念だかなんだかで、こんなバッグをもらいました。



最初にあらすじを雑に書いておくと、別れたことでジョーカーの庇護を失ったハーレイ・クインは、“ゴッサム・シティの支配を企むギャングのボス”ローマン・シオニス(a.k.a.ブラックマスク)を始めとするさまざまな敵から命を狙われることになりましてね。そこに“シオニスを逮捕しようとする刑事”レニー・モントーヤやら、“大金の隠し場所が記されているダイヤを盗んだ少女”カサンドラ・ケインやら、近所に住んでいるよしみからカサンドラを保護しようとするシオニスの歌姫兼運転手ダイナ・ランス(a.k.a.ブラックキャナリー)やら、“ダイヤの元の持ち主で一族を皆殺しにされた復讐の戦士”ヘレナ・ベルティネリ(a.k.a.ハントレス)が絡んできて、ゴッサム・シティは大騒ぎ…ってな調子。


ハーレイったらジョーカーとの“思い出の場所”を爆破したんですが…。


ジョーカーと別れたことが周囲にバレてしまい、さまざまな敵に狙われちゃうから、さぁ大変!Σ(゚д゚;し タイヘーン


結局、シオニスに捕まったハーレイはダイヤを探す羽目になるのでした。



で、いろいろあってハーレイがカサンドラを保護するも、中華料理屋を営む情報屋ドグに裏切られて自宅を襲撃されてしまいましてね。心が折れたハーレイは、カサンドラをシオニスに売ってしまうんですが、しかし。受け渡し場所に指定した遊園地にレニーがやってきて逮捕されそうになるわ、シオニスの部下ビクター・ザーズ&ブラックキャナリーに襲われて戦闘不能に陥るわ、ハントレスがザーズに復讐するわと、すったもんだがありました (´∀`し アラアラ で、シオニス with ギャング集団が襲撃してきたので、生き残るために女性全員で力を合わせて立ち向かって、最終的にはシオニスを爆殺! ダイナーでの打ち上げ後、警察を辞めたレニーはブラックキャナリー&ハントレスと自警団「バーズ・オブ・プレイ」を結成して、ハーレイはカサンドラと仲直り→エッグサンドを食べながら一緒に新たなビジネスを始めるムードで映画は終了。エンドクレジット終盤、「まだいるの?」「バットマンの秘密はね…」といったハーレイの声が流れて、終わってましたよ、たぶん。


最後はこんな感じで旅立ってました。この2人の友情が微笑ましいのです (´∀`) ウフフ



今年はいわゆる「ガールズエンパワーメント」的な映画が多く公開される印象があるワケですが、マーゴット・ロビー(女性)がプロデュースし、キャシー・ヤン(スーパーヒーロー映画を監督した初のアジア人女性)が監督して、クリスティーナ・ホドソン(女性)が脚本を書いて、主要登場人物のほとんどが女性と、本作もモロにそんな感じ。話の内容も、ハーレイがジョーカーから独り立ちしようとするだけでなく、レニーやブラックキャナリーは男社会の抑圧の中で働いていたりするし、さらに「出てくる男どもが軒並みクズ(優しいのはハイエナのブルースと“幼いころのハントレスを助けたマフィア”ぐらいで、好々爺すら裏切る)」だったりと、かなり「男社会からの脱却」に焦点を当てていて、非常に面白かったです。女性キャラクターたちはみんな魅力的で(特にハントレスの自己紹介練習シーンが好き!)、終盤に力を合わせるシーンにはグッと来たというか。先月封切られた「ハスラーズ」「チャーリーズ・エンジェル」が好きな人だったら普通にストライクな作品じゃないかしらん。


製作も兼ねたマーゴット・ロビーのハーレイ、「スーサイド・スクワッド」の時よりイカレた感が増したような。


終盤、5人が協力する展開は「キタ―――(゚∀゚)―――― !!」とテンションがガン上がりでした。


ちなみに本物のハイエナを使うのは危険なので、イヌをCGでハイエナにしたとのこと (゚⊿゚) ヘー



つーか、「チャーリーズ・エンジェル」の感想でも書きましたが、そもそも現実の女性は男性から特に肉体的な部分で舐められているため、「女性を主人公にしたアクション」というだけで「舐めていた女性、実は殺人マシン」(by ギンティ小林)的な面白さがある…というだけでなく。事前情報を入れていなかったので結構驚いたんですが、本作のアクション演出は意外と本格的でして(役者さんたちはほぼスタントを使わなかったそうな)。鑑賞後にパンフを読んでみれば「ジョン・ウィック」シリーズ「アトミック・ブロンド」でアクションを担当した87イレブンの仕事だったからスムースに納得ですよ(微笑)。詳しくはパンフ掲載のギンティ小林さんのコラムを読んでほしいんですが、例えばハーレイが警察署で暴れるシーンではリアル寄りの銃撃&格闘演出が見事なだけでなく、「弾帯に装備した12発しか撃っていない」といった細部もちゃんとしていて、感心することしきりでしたよ。


僕的に本作のアクションで一番好きだったのは警察襲撃シーンだったり↓




さらに「ハイエナに食われた人体の残骸」や「剥ぎ取った人間の顔の皮」が映し出されたりと、サラリとバイオレンス描写が盛り込まれているのも超僕好みのお母さん味ごのみアメリカではR指定だそうな)。映画の開始早々、ハーレイがシオニスの運転手(演じているのは“87イレブン作品の常連”ダニエル・バーンハード!)の両脚を折るシーンは爆笑したし、シオニスが手榴弾で爆殺されるラストも最高でしたね〜。残酷描写ではありませんが、ハーレイが止めようとしたスーパーの警備員をカートではね飛ばすシーンの「倫理観の低さ」も好きだったし、本作の悪役のシオニスとザーズがなかなか残虐非道なのも高ポイントでした(客を苛めるシーンが最悪!)。それと、DCエクステンデッド・ユニバースの作品ながら“超人がほぼ出てこない世界観”もちょうど良くて、ごめんなさい、正直なところ、『スーサイド・スクワッド』でこれをやってくれれば… (ノω・、) グスン」と心から思った次第(あんな人智を越えた敵と戦うのではなく「マクガフィン」を奪い合う的な?)。


剥がされた顔の皮が映った時、この場面を思い出しました(「バキ」より)。劉海王、もう本編には出てこないのかな…。


スーパーで窃盗するシーン、倫理的にはアウトだけど爽快感があって愉快なシーンになってましたよ。



って、好きなところばかり書いてきましたが(汗)、ハッキリ言って、明確な不満点もありました。「時系列を並べ替えながら進行する構成、必要なかったのでは?」とか「悪党どもに自宅がバレた割には襲撃のくだりがアッサリ気味」とか「遊園地のびっくりハウスで籠城戦が観られるかと思ったら、そうでもなかったぜ」とか「びっくりハウスから出る際の無防備さにはスゲー驚いた(そりゃ撃たれるわな)」とか「一応、グラスが割れる伏線はあったものの、本作では超人が出てこないかと思っていたので『キャナリークライ』(※ブラックキャナリーによる超音波攻撃)には乗れなかった」とか「カサンドラが手榴弾でシオニスを爆殺するオチ、愉快だけど唐突感も否めない」といったところは置いとくとしても。正直、アクション面がいろいろと気になったんですよね…。

パンフ情報によるとキャシー・ヤン監督は再撮影してアクションを増やしたほどなので、単に僕とは「好みが違う」って話なんでしょうけど、アクションが多くて長いというか。ハーレイたちが魅力的だった分、彼女たちのドラマに時間を配分してほしかった。まぁ、一致団結するのが終盤なので仕方ないんでしょうけど、アメコミ原作映画なので「キャラクター」がもっと観たかった…って伝わりますかね。例えば、ハーレイの警察署襲撃シーンで展開される「vs 警察官」「vs 拘留されていた犯罪者」「vs 賞金稼ぎ」の“3つのアクション”はどれも見せ方が違っていてさすがだし、それなりには楽しんだものの、正直、盛り込みすぎて話が停滞しているようにも感じちゃって。「2つで十分ですよ」と思う僕もいたのです。ブラックキャナリーがハーレイを助けるくだりも意外と長かった印象で、終盤にたっぷり見せ場があるんだから、あそこは瞬殺で良かったんじゃないかと思ったり。


なんとなく有名な店主の画像を貼っておきますね(「ブレードランナー」より)。



あと、ハントレスが「即殺す戦闘スタイル」なのは大好物だったんですが、“リアル”にこだわったせいなのか、クロスボウが乱戦時にあまり使われなくて残念でしたね…。(作品的にはアレでしたが)ガンアクションのような弓矢バトルを見せてくれた「フッド・ザ・ビギニング」のような“新しい何か”を見せてほしかったなぁと。つーか、クライマックスに繰り広げられる「バラクーダ」を流しながらの乱戦シーンだって、レニーは強そうに見えないし(警棒戦闘の見せ方がイマイチ)、ハーレイのローラースケートを履いた状態でのハンマー攻撃は痛そうに見えないし(踏ん張りが利かなさそう)、そもそも雑魚どもが仮面をかぶって襲ってくるのが納得いかないし…(スタントマンを使い回すという事情があるのかもしれませんが、戦闘員感が強まって好きじゃない)。場面的には長回しで非常に頑張っていたものの、もっとケレン味を重視した方が良かったのではないか…って、いろいろと偉そうですみませんネー (´∀`;) エヘヘ


まぁ、基本的にはこのガイア程度というか、「良く出来ているがゆえの不満」なのです(「刃牙道」より)。



「バラクーダ」「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」の特訓シーンでも流れてましたな。




その他、「鑑賞後、エッグサンドが食べたくなった…」なんてことはどうでも良いとして。要は、トータル的にはスゲー面白かったものの、「もっと良い作品になったのではないか」と残念に思う僕もいた…という複雑な男心 (´・ω・`) ウーム ただ、本作が“普通に楽しいアクション映画”なのは間違いないし、映画ファンとしてはこんなご時世にスケジュール通り公開してくれたのが超ありがたいということで、気になる人はぜひ映画館に足を運んでくださいな。おしまい。




デジタル盤のサントラ。国内CD盤スコア盤もあります。



マーゴット・ロビーのハーレイ・クインが初登場した作品。僕の感想はこんな感じ。



僕的にハーレイ・クインはこのアメコミのイメージが強いです。オススメ!



なんとなく貼っておきたいマーゴット・ロビー主演作。僕の感想はこんな感じ。



昨年公開された、87イレブンが携わっているキアヌ・リーブス主演作。僕の感想はこんな感じ。



本作で両脚を折られたダニエル・バーンハード出演のジャン=クロード・ヴァン・ダム主演作僕の感想はこんな感じ。