EXIT イグジット(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

EXIT イグジット(ネタバレ)

EXIT イグジット※追記しました(2/3)



原題:엑시트 Exit
2019/韓国 上映時間104分
監督・脚本:イ・サングン
製作:カン・へジョン、リュ・スンワン
撮影:キム・イルヨン
照明:キム・ミンジェ
録音:イ・ヨンジェ
美術:チェ・キョンソン
編集:イ・ガンヒ
音楽:モグ
スタントコーディネーター:ユン・ジンユル
出演:チョ・ジョンソク、ユナ、コ・ドゥシム、パク・インファン、キム・ジヨン
パンフレット:★★★(820円/薄めながら、江戸木純さんのコラムとか完全攻略ガイドの記事とか豆知識とか良かった!)
(あらすじ)
韓国のある都心部に、突如として原因不明の有毒ガスが蔓延し、道行く人たちが次々に倒れて街はパニックに陥る。外が緊急事態になっていることは知らず、高層ビルの中で母親の古希を祝う会に出席していた青年ヨンナム(チョ・ジョンソク)は、そこで大学時代に思いを寄せていた山岳部の後輩ウィジュ(ユナ)と再会する。しかし、そんな彼らのもとにも有毒ガスの危険が迫り、2人は地上数百メートルの高層ビル群を命綱なしで登り、飛び移り、危険な街からの脱出を図る。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


昨日は「山を登る映画」の感想をアップしたので、本日は「ビルを登る映画」の記事を更新しときますね。愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」にて、信用できる映画ライターのくれい響さん「オススメ韓国映画」の1本として本作を紹介されてまして。その他、高めの前評判も耳にしていましたが、予告編を観る限りは、正直、まったく面白くなさそうだったので(いろいろと失礼な文章)、最初はスルー予定だったんですけれども。周囲の評判があまりにも良いし、新宿武蔵野館ではそこそこ長く上映されていた&ユニークな展示に好感を持ったりしてね。いつしか「やっぱり観ておこうかな (・ε・)」と思い始めたものの、気が付けば都内の上映はすっかり終了していた…ということで! 1月29日(水)、あつぎのえいがかんkikiにて、水曜サービスデーを利用して、「フリーソロ」「地獄少女」とハシゴしてきました。「い〜いじゃないですか ( ´_ゝ`) エラソウ」と思ったり。


「野獣処刑人 ザ・ブロンソン」を観に行った時、新宿武蔵野館にはこんな展示があったのです。


厚木に行った日のgif。観客は10人でしたよ。


僕の気持ちを代弁する本部以蔵を貼っておきますね(「刃牙道」より)。



最初にあらすじを雑に書いておくと、主人公は無職ながらも日々鍛錬を欠かさない青年ヨンナム。母親の70歳の「古希の祝い」のパーティ会場をかつて告白してフラれた大学時代の後輩ウィジュが務める宴会場に設定しましてね。宴会が盛り上がる中、目算通りに彼女と再会できたものの(とはいえ、就職したとウソをつく)、なんと近くで有毒ガスによるテロが発生(企業と揉めた科学者が報復した)。毒ガスは吸い込むと高確率で死亡する上に、広範囲に及んでいたため、みんなビルの上に避難する…といった感じ。で、ヨンナムの山岳部で培ったスキルとK.U.F.U.により、せっかく救助ヘリに助けられるも「ご…ごめんなさい、ここはもうひとり、いえ…どうつめてもふたりまでです (´Д`;し ゴメンナサイ」なイベントが発生して、ヨンナムとウィジュは残ることになるのです。しかし、2人は山岳部で培ったスキルとK.U.F.U.によって、さまざまな困難を乗り越えて、タワークレーンの上で無事救助されまして。雨によって毒ガスが消失していく中(水に弱かった)、「カラビナが重くて持てないから、今度返してください 川´∀`)」「確かに重いなー (´∀`=)」といった会話をして終わってましたよ、確か。


エンディングで流れるイ・スンファンによる主題歌「슈퍼히어로(スーパーヒーロー)」を貼っておきますね↓




ハッキリ言って、予想外に楽しかった!(*゚∀゚)=3 ムッハー 「筋トレを欠かさない無職」が危機に直面してヒーローになるってのは「昔のカンフー映画」などにも通じるところがあって大好物だし、映画の序盤で「ヨンナムの冴えない日常」を見せられていただけに、「屋上の扉は外からしか開けられない→ビルの壁を登る」ことを決意して、何度もモノをぶつけてガラスを破るシーンはね、彼が自分の心のタガを外して覚醒した→ヒーローになった瞬間を見事に描いてましてね…(しみじみ)。もうね、あのシーンからずっとヨンナムを応援しながら観てました。演じたチョ・ジョンソクの演技も素晴らしくて、非常に魅力的な主人公だと感心しましたよ。ユナが演じた後輩ウィジュもスゲー良くて、救助ヘリに乗れなくて泣いたりとか人間臭いところが最高だったし、「ハニー」と呼んでくるクソ上司(クソLINE特集に出て来そう)をぶっ飛ばすラストはとても気持ち良かったです (°∀°)b ナイスビンタ!


この2人のキャスティング、実にハマッてたのではないでしょうか。



さらに山岳部のスキルを活かしたクライミング・アクションが始まると、数時間前に「フリーソロ」を観たばかりだっただけに、「こっちでもフリーソロか!Σ(゚д゚)」とテンションがガン上がり。こういうことがあるから、1日に複数の映画を観るのが好きなんですよネ (´∀`) エヘヘ つーか、パンフレットで江戸木純さんが「ミッション:インポッシブル」シリーズ「クリフハンガー」「ダイ・ハード」「スピード」など、さまざまなアクション映画の要素を自分なりに消化して取り入れていることを評価されていましたが、本当にその通りというか(尻馬に乗った文章)。例えば、焼肉店の換気扇のせいでピンチに陥ったりとか、ちゃんと本作ならではの面白さがあるのです。予告編を観た時は毒ガスのビジュアルの安さが好きになれなかったハズだったのに、実際に観てみれば全然気にならなくて、何度となく手に汗を握らされたのだから、「予告編の印象に固執するのも良くないな (・A・) イクナイ!」なんて思ったりもしましたよ。僕的には終盤、ヨンナムとウィジュがさまざまなビルの屋上を駆け抜けていく場面がグッときましたね〜。


ゲームのように降りかかる難関を次々とクリアしていくのが楽しいのです。



ただ、残念ながらスゲー苦手な部分もあって。非常に心が狭い文章を書くと、僕は韓国の「馴れ馴れしい親描写」が基本的に好きじゃないので、パク・インファン演じる父親が出しゃばるシーンは軒並み不快だったし(最後の「ありがとうございます」もイラッとした)、ラストに母親をおんぶするくだりも(「映画の序盤では無職ゆえにプライドが持てなくてできなかった…」ってことなんだろうけど)、ごめんなさい、気持ち悪かったです… (´Д`;) スミマセン まぁ、家族に会った途端、ちゃんと「息子の顔」になるチョ・ジョンソクの演技は見事だったものの、僕的にラストの親描写は「テレビで息子の活躍を観て感動した」レベルで止めてほしかったなぁと(序盤で叔父を恥ずかしがった甥っ子とラストに抱き合うのは全然OK)。それと、気になったのがクライマックス、2人はドローンを使った綱渡りに失敗するワケですが、あの状況からどうやって助かったんですかね? 僕が見逃したのかもしれませんが、いつの間にかクレーンに登っていたから、なんか釈然としなかったです。※(2/3追記)映画仲間のユーフォニア・ノビリッシマさんからご指摘いただいたんですが、なんとエンドクレジットのイラスト風アニメでその理屈が説明されていたそうで…。ああん、もう一度観なくちゃ!ヽ(´Д`;)ノ ハズカシイ!


韓国に限りませんが、こういう宴会とか本当に苦手…。



その他、思ったことを書いておくと、「序盤の鉄棒を使った自重トレーニングが良かった!」とか「チョ・ジョンソクのワキ毛、自然ながらももう少し処理してほしかった」とか「みんなから『うまくいく』と言われたことが実現するという脚本がイイ!」とか「いとこたちとか他の登場人物も意外と役に立つのがイイ!」とか「マネキンなどを使った屋上の矢印シーンは笑った」とか「ドローンの集合シーン、『サマーウォーズ』『こいこい!』を思い出した」とか「最後、『キスしない』のがイイ!」とかとかとか。あと、エンドクレジットで流れる主題歌「슈퍼히어로(スーパーヒーロー)」の歌詞がまた良くて、「僕はスーパーヒーロー」「一世一代のチャンス」「誰にでもチャンスはやって来る」「深く眠る無限の才能」と、本作の内容を表しているだけでなく、「冴えない人生を送っている(と思っている)人」へのスーパーポジティブな応援歌って感じがしてね、笑いながらも泣けてきたというね… (iДi) イイウタダナー


ということで、もう一度、貼っておきますね↓ 音源、買っちゃった♪ (*ノ▽ノ) キャッ




何はともあれ、「新感染 ファイナル・エクスプレス」といい、「エクストリーム・ジョブ」といい、やっぱり韓国で大ヒットしたエンタメ映画は面白い確率が高いですな〜。鑑賞前に嘗めていた分、マジで観ている間は「い〜いじゃないですか ( ´_ゝ`) エラソウ」と感心するばかりでしたよ。イ・サングン監督、これが劇場長編デビューだそうですが、これからも活躍するんじゃないかしらん。で、唐突に小市民的な文章を残しておくと、今回、厚木で観た3本の映画はどれも劇場にパンフレットが売られていなくて。本作のパンフだけは購入した記憶がなかったから超ガッカリしたものの、帰宅したらあったので、なんとなくオトクな気分を味わった次第 (o^-')b オトク!


買っといて良かったパンフを貼っておきますね。つーか、いつ買ったんだっけ…。



おしまい (o^-')b オトク!




本作の製作に携わったリュ・スンワン監督作。僕の感想はこんな感じ



韓国で大ヒットしたサバイバルスリラーつながりで。僕の感想はこんな感じ



本作と同じ日に観たドキュメンタリー。僕の感想はこんな感じ