ラスト・クリスマス(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ラスト・クリスマス(ネタバレ)

※本作は、ネタバレを知らないで観た方が絶対面白いので、ロマンチック・コメディが好きな方はぜひ劇場で観てから読んで!




ラスト・クリスマス



原題:Last Christmas
2019/アメリカ 上映時間103分
監督・製作:ポール・フェイグ
製作:デビッド・リビングストン、エマ・トンプソン、ジェシー・ヘンダーソン
製作総指揮:サラ・ブラッドショウ
原案:エマ・トンプソン、グレッグ・ワイズ
脚本:エマ・トンプソン、ブライオニー・キミングス
撮影:ジョン・シュワルツマン
美術:ゲイリー・フリーマン
衣装:レネー・アーリック・カルファス
編集:ブレント・ホワイト
音楽:セオドア・シャピロ
出演:エミリア・クラーク、ヘンリー・ゴールディング、ミシェル・ヨー、エマ・トンプソン
パンフレット:★★★(820円/高野裕子さんのコラムが面白かったけど、もうちょっと読み物がほしかったです)
(あらすじ)
ロンドンのクリスマスショップで働くケイト。華やかな店内で妖精エルフのコスチュームに身をまとうケイトは仕事に身が入らず、乱れがちな生活を送っていた。そんなある日、ケイトの前に不思議な青年トム現れる。トムはケイトが抱えるさまざまな問題を見抜き、彼女に答えを導き出してくれた。そんなトムにケイトは心をときめかせるが、2人の距離は一向に縮まることはなかった。やがてケイトはトムの真実を知ることとなるが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




97点


現在、「2019年に観たにもかかわらず感想をアップできなかった映画」が85本もあって、粛々と更新していきたいと思っているんですけど(汗)、まずは「2019年に観た新作映画ベスト10」に入れた作品からアップしていきますね。基本的には「デンゼル・ワシントンが街のクズどもを制裁する映画」などを好む僕ですよ(2019年のベスト2位!)、こんなド直球なタイトルのクリスマス映画を観る気なんて1ミリも起きなかったワケですが、しかし。

昨年の12月29日(日)、昼間に奥さんとデートをすることになったので、「確か『か和もっち』のオーナーさんが褒めてたっけ (゚⊿゚) ソーイエバ」程度の気持ちで、観ることに決定。日比谷の超オサレなカフェ(瘴気マスクをしていないと危険なレベル)で軽食を摂ってからTOHOシネマズシャンテで鑑賞いたしました。最高の映画体験でしたヨ (〃∇〃) ウフフ で、例によってここからネタバレ全開の感想を垂れ流しますけど、先の展開を知らないで観た方が絶対面白いので、あらためて書きますが、未見の方はこんなブログの駄文を読まないで、そのまま劇場へ足を運んでいただければ幸いです。


奥さんと。一品が1700円ぐらいするので、そりゃあ美味しかったです(どことなく嫌みな文章)。


スクリーン3、半分ぐらいの入りだったような。



最初に「そんな話だったっけ?(゚Д゚)」とすでに観た人々が首をひねる級に、雑かつ勝手なストーリーを書いておきますと、舞台は現代のロンドン。クリスマスショップで働くケイトは、歌手を夢見てオーディションを受けつつ、夜は酒を飲んで見知らぬ男と一夜を過ごしたりと、なかなか自堕落&自暴自棄気味な生活を送っていたんですけれども。ふと現れたアジア系青年のトム(ホームレス支援のボランティアをしている)から散歩に誘われましてね。ケイト的に、最初は「気になるアイツ」程度の存在だったものの、逢瀬を重ねるうちに大好きになってしまったので、「てめぇ、何者なんだYO!川`Д´)」と問い詰めてみれば! 実はケイトが自暴自棄気味だったのは心臓を患った→移植手術を受けた→喪失感を感じていたからだったんですが、なんとトムはその心臓のドナーだったのです!Σ(°д°;し ゲェーッ! 結局、親切な幽霊トムのおかげで、家族やら友だちやらホームレスやらにすっかり優しくなったケイトは、クリスマスの日、支援施設のパーティで「ラスト・クリスマス」を歌うのでしたーー (´∀`=し ゲビュマイハー


ということで、ワム!の「ラスト・クリスマス」を貼っておきますね↓




「ワム!」と言えばワムウの元ネタ…なんて有名なトリビアはどうでも良いとして。いや〜、スゲー良かったです!(*゚∀゚)=3 ムッハー 主演の2人を始めとする役者さんたちは超魅力的だわ、脚本もよく練られているわ、笑えるシーンも多いわ、ロンドンの街並みは素敵だわ(あまり見たことがない場所が多かった)、音楽は素晴らしいわ(ジョージ・マイケルについては高橋芳朗師匠のお話を読むべし!)、ホームレスや移民などの問題を扱う姿勢も見事だわと、もう「ワンダフルだわ!川・∀・)」「素敵だわ!ヘ(゚∀゚*し」と、すっかり「パームタウン編」気分(なにその気分)。


エミリア・クラーク、超可愛かった! 本作は彼女の代表作になると思います。


そしてヘンリー・ゴールディングのイケメン振りも凄まじかったです。恐ろしい男よ… (`Δ´;) ヌゥ


ミシェル・ヨーは安定のマダム演技。ヘンリー・ゴールディングとは2度目の共演ですな。



その他、名曲「ラスト・クリスマス」の「I gave you my heart」という歌詞を驚くほどストレートに活かしているのもスゴいしさぁ…。そりゃあ劇中のトムはあまりに不思議な男だからさ、正直なところ、「実は幽霊」という予感はあった。でも、「女性が主人公の『クリスマス・キャロル』として超良くできた話だと思ったし(試写で観た「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」「男女を逆転させた『プリティ・ウーマン』」だったのを連想した)、恋愛云々ではなく、もっと大きな「愛」と「癒やし」についての物語として、僕はとても感動した次第 ( ;∀;) イイエイガダナ-


「トムの正体」に関しては大塚平兵衛的な心境でしたけど、どうでも良いザンス(「刃牙道」より)。



製作・原案・脚本に携わったエマ・トンプソンは、故ジョージ・マイケルの大ファンだそうで。生前の彼と親交もあって、長年温めていた企画とのこと。超タメになる「映画秘宝2020年01 月号」掲載の長谷川町蔵さんのコラムを読むと、本作のホームレス要素はジョージの要望で入れていたりとか、劇中でトムがホームレス支援のボランティアをしているのは「スターになった後のジョージが正体を隠してシェルターで働いていた」という故事に倣っていたりとか、「ケイトの家族がユーゴスラビアからの移民」という設定は「ジョージのルーツがギリシア系キプロス人の移民ということから」だったりとか、もう感心することしきり。しかも、何がうれしいって、一緒に観た奥さんが「今年のベスト!ヘ(゚∀゚*し」と満足げだったことでして。「ラスト・クリスマス」を口ずさみながらの帰り道はとても幸せで(「Last Christmas, I gave you my heart」の部分だけをエンドレス)、年末に最高の映画体験ができたなぁ…というNO-RO-KE!m9・∀・) ビシッ


劇中で何度も使われた「ヒール・ザ・ペイン」↓ 監督的に本作のテーマはむしろこの曲だとか。




ということで、とても良い映画でした (´∀`=) ゲビュマイハー たぶん本作は「ロマンティック・コメディ」史に残る1本になるんじゃないかしらん。なんかね、本作でホームレス支援のボランティアをしていた人たちのように、僕ももう少し社会貢献したいと思います。おしまい。




観たらスゲーほしくなるサントラ(デジタル盤)。国内CD盤アナログ盤スコア盤もあります。



一番好きなポール・フェイグ監督作。僕の感想はこんな感じ



同じく2019年日本公開のポール・フェイグ監督作(ヘンリー・ゴールディングも出てる)。僕の感想はこんな感じ



ヘンリー・ゴールディングのイケメン振りが堪能できるロマンティック・コメディ。僕の感想はこんな感じ