シンプル・フェイバー(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

シンプル・フェイバー(ネタバレ)

シンプル・フェイバー



原題:A Simple Favor
2018/アメリカ 上映時間117分
監督・製作:ポール・フェイグ
製作:ジェシー・ヘンダーソン
製作総指揮:マイク・ドレイク
原作:ダーシー・ベル
脚本:ジェシカ・シャーザー
撮影:ジョン・シュワルツマン
美術:ジェファーソン・セイジ
衣装:レネー・アーリック・カルファス
編集:ブレント・ホワイト
音楽:セオドア・シャピロ
音楽監修:エリカ・ワイス
出演:アナ・ケンドリック、ブレイク・ライブリー、ヘンリー・ゴールディング、リンダ・カーデリニ、ジーン・スマート、ルパート・フレンド、アンドリュー・ラネルズ
パンフレット:★★★★(720円/ステファニーのブログを参考にしたオリジナルレシピの記事が素敵)
(あらすじ)
ニューヨーク郊外に住むシングルマザーのステファニー(アナ・ケンドリック)は、同じクラスに息子を通わせるエミリー(ブレイク・ライブリー)と親しくなる。事故で夫を失い、保険金を切り崩しながら子育てをしている気立ての良いステファニーと、スランプに陥っている作家の夫(ヘンリー・ゴールディング)との仲もむつまじく、華やかなファッション業界で働くどこかミステリアスなエミリー。2人は何もかも対照的だったが、お互いの秘密を打ち解けあうほど親密になっていく。そんなある日、エミリーが突然失踪してしまい、ステファニーは彼女の行方を追うが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※本作は、間違いなく“先の展開を知らないで観た方が面白いタイプの映画”なので、観ようと思っている方は読まない方が良いです。

2月末、「2019年3月公開で観たいと思っている映画の覚え書き」を書くにあたって「ぴあ映画生活」の作品紹介を読んだ時は、それなりに面白そうだとは思いつつも、高確率で観に行かないことを強く予感していたんですが、しかし。愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の今週の課題作品になったということで、月曜日にTOHOシネマズ新宿で観てきました(その後、「移動都市 モータル・エンジン」をハシゴ)。それなりに面白かったです (・∀・) マァマァ


12番スクリーン、満席でしたよ。1日2回上映とは言え、スゴいね。



本作のあらすじを乱暴かつ身もフタもなく書いておくと、夫の死亡保険金で細々と食いつなぐシングルマザーでありビデオブロガーのステファニーが、息子の幼稚園でバリキャリ系のエミリーとママ友になりましてね。お互いの秘密を打ち明けたりするレベルに仲良しになっていたところ、突然、エミリーが失踪→死体となって発見されるのです。で、ステファニーったら、ションボリしつつもエミリーの夫でありスランプ中の作家のショーンとセックスしたりして、すっかり再婚ムードを漂わせたりするんですけれども。不思議なことに死んだハズのエミリーの影がちらつくから、自己流捜査をスタートしてみれば、死んだのはエミリーの双子の姉であり(ヤク中のクズでエミリーを強請ってきた)、自分に掛けた400万ドルの保険金をゲットするために死を偽装したことが発覚! で、あーだこーだと揉めながら「あなたの策はお見通しよ!川`∀´) オホホホホホ」「いえいえ、私の方がお見通しよ!ヘ(゚∀゚*し ホエホエ!」合戦を経て、最後はステファニーの奥義「すべてビデオブログで生中継してました」が炸裂しましてね(微笑)。ステファニーはビデオブロガーとして大成し、ショーンは今回の事件を小説に書いて、エミリーは刑務所で活き活きとバスケをしたりして、映画は終わってた気がします。


保守的なステファニーとバリキャリママのエミリーが仲良くなるも、いろいろあって対決するのです。



監督がポール・フェイグだということは知っていましたが、本作はサスペンスだと思っていたので、結構コメディ色が強かったのはちょっと予想外でしたよ。パンフによると、ダーシー・ベルによる原作小説「ささやかな頼み」がアメリカで出版された時は「ゴーン・ガール」と比較する評論家が多かったそうですが、確かに僕も本作を観てスゲー連想したりしてね(笑える部分も含めて)。で、最初に不満を書いておくと、ミステリー部分に関しては、ごめんなさい、「双子オチですかぁ… (´∀`;) アラアラ」とストレートにガッカリいたしました。あと、「ショーンの母親の大事な指輪を盗んで悪びれないエミリー」という“魔性の女”感を強調するエピソードがありましたけど、あれってどれほど愛している人でも間違いなくドン引きするというか、「なにやってんだ、てめえ ( ゚д゚)シ☆))Д´し ギャッ」)」と即ビンタする級の所業だと思ったりもして、全体的に「なんだか現実感のない話だな…」と冷める部分もあったというね(そもそも双子ということを結婚相手に隠せるものですかね?)。それと、ラストの「実はブログで生中継してました」というオチも、この手の映画でスゲーよく見かける展開なだけに、「またこれか」感は否めなかったです。


本作を鑑賞中の僕の気持ちを代弁する愚地独歩を貼っておきますね(「刃牙道」)。
なんだか現実感がない


とは言え、本作の良さは、それ以外の部分にあって。なんて言うんですかね、古い例えで恐縮ですが(汗)、赤川次郎先生が書いていた“ライトな素人探偵モノ”っぽくて良かったんですよ。アナ・ケンドリックにブレイク・ライブリー、ヘンリー・ゴールディングたちのカラッとした演技が良いだけでなく(過剰に喚いたり、泣き叫んだりしない)、脇役の人たちまで良い感じの軽さがあって、ノーストレスで楽しめた…って、伝わるでしょうか。僕的に好きなのはラストで、車にはねられてからも必死に銃を取ろうとするエミリーに「動かないで、ケガをしているんだから」と話しかけるステファニーの呑気なような、底意地が悪いような台詞には笑いましたね。それと、最後に刑務所でバスケをするエミリーのタフな表情にはグッときたというか、なんかね、つい「ああいう感じで刑務所に入ってバスケをするのも良いかもな」って思った…って、あぶなーい!Σ(゚д゚;) ナンダコレ


ステファニー役のアナ・ケンドリック、可愛かったですね〜。エミリーのドレスを着て脱げなくなるシーンは笑いました。


エミリーを演じたブレイク・ライブリー、なかなかエロかったです… (´Д`;) ハァハァ


ヘンリー・ゴールディング、「クレイジー・リッチ!」での誠実な婚約者役も素晴らしかったものの、本作の軽薄なイケメン夫役もハマッてましたな。



そんなワケで、ミステリー部分はどうでも良かったけど、それなりに面白かったです (・∀・) マァマァ 僕的に今まで観たポール・フェイグ監督作の中では上位にくる作品ではありませんが、観て良かったなぁと。まぁ、軽いミステリーが好きな人は観ても損しないと思いますよ。おしまい。




ダーシー・ベルによる原作小説。評判は良さげ。



デジタル盤のサントラ。国内CD盤などもあります。



ポール・フェイグ監督の前作。僕の感想はこんな感じ



非常に連想したデビッド・フィンチャー監督作。僕の感想はこんな感じ



ポール・フェイグ監督作で一番好きなのはこれです。僕の感想はこんな感じ