アイネクライネナハトムジーク(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

アイネクライネナハトムジーク(ネタバレ)

アイネクライネナハトムジーク



2019/日本 上映時間119分
監督:今泉力哉
原作:伊坂幸太郎
脚本:鈴木謙一
製作:依田巽、畠中達郎、見城徹、佐竹一美、一力雅彦、佐藤吉雄
エグゼクティブプロデューサー:小竹里美、千葉伸大
プロデューサー:宇田川寧、遠藤日登思、松下剛
ラインプロデューサー:田口雄介
撮影:月永雄太
照明:藤井勇
録音:山本タカアキ
美術:松本知恵
衣装:田中亜由美
ヘアメイク:寺沢ルミ
VFXスーパーバイザー:小坂一順
音響監督:勝亦さくら
編集:相良直一郎
音楽・主題歌:斉藤和義
スクリプター:大西暁子
ボクシング指導:松浦慎一郎
音楽コーディネート:杉田寿宏
キャスティング:日比恵子
助監督:中里洋一
制作担当:斉藤大和
出演:三浦春馬、多部未華子、矢本悠馬、森絵梨佳、恒松祐里、萩原利久、八木優希、成田瑛基、こだまたいち、MEGUMI、柳憂怜、濱田マリ、中川翼、祷キララ、藤原季節、伊達みきお、富澤たけし、貫地谷しほり、原田泰造
パンフレット:★★★(815円/原作者と斉藤和義さんの対談、インタビューなどが多め)
(あらすじ)
仙台駅前で街頭アンケートを集めていた会社員の佐藤は、ふとしたきっかけでアンケートに応えてくれた女性・紗季と出会い、付き合うようになる。そして10年後、佐藤は意を決して紗季にプロポーズするが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




90点


※今回の感想は、なかなか情緒不安定気味なので、そういう文章が苦手な方は読まない方が良いです。

現在、「2019年に観たにもかかわらず感想をアップできなかった映画」が82本あって、粛々と更新すべく頑張っているんですが(汗)、本日は「愛がなんだ」の感想をアップした→今泉力哉監督作繋がりということで、なんとなくこの映画の記事も更新しておきますよ。最近は今泉力哉監督作が気になっている上に、7月に観た「愛がなんだ」が面白かったので、本作も観ようとは思っていたんですが、仕事が忙しくてなかなか劇場へ足を運べなくて。都内の上映がすっかり終わってしまった12月16日(月)、小山シネマロブレにて、メンズデー割引を利用して1200円で観てきました(その後、2回目の「ジョン・ウィック パラベラム」「ひとよ」をハシゴ鑑賞)。「これも悪くない 川´_ゝ`)」と思ってほしかったです。


12月16日のgif。観客は僕を含めて3人でした。


なんとなくグレート巽の画像を貼っておきますね(「餓狼伝」より)。



お話を雑に書いておくと、仙台を舞台にした群像劇でして。「ボンヤリ会社員・佐藤が街頭アンケート中に紗季と出会う→付き合うことになる」パートを軸に「日本人初のボクシング世界ヘビー級王者となったウィンストン小野と美容師・美奈子の恋、そして小野の勝利を願ういじめられっ子」やら「佐藤の大学生時代の同級生だった織田夫婦」やら「妻に別れを告げられた佐藤の上司・藤間」やらが絡んできましてね。中盤から物語が10年後に飛ぶと、今度は「10年間付き合ってきたので佐藤がプロポーズしてみたものの、彼のボンヤリ具合に厭気が差して実家に帰る紗季」パートを軸に「もう一度、ヘビー級王座に挑むウィンストン小野」やら「佐藤の大学生時代の同級生の織田夫婦の娘・美緒と、彼女に恋する少年・和人」やらが絡んできて。最終的には、ウィンストン小野は敗北するも良い試合をして、和人は美緒と良いムードになり、佐藤は“バス追いかけダッシュ”を経て紗季と和解。帰宅すると、家には紗季がいて、「おかえり ( ´_ゝ`)」「ただいま (´∀`=し」ってな調子で終わってたような気がするんだーー(ウロ覚えな着地)。


エンドクレジットで流れる斉藤和義さんによる主題歌「小さな夜」を貼っておきますね↓




「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」というモーツァルトの曲自体は耳にしたことはありつつも、「この映画の原作小説が伊坂幸太郎先生と斉藤和義さんのコラボから生まれた」なんてことは1ミリも知らなかったので、パンフを読んで驚いた…という文章はどうでも良いとして。もうね、大好きな映画でした。昨年の「新作映画ランキング」では226本中の24位にしましたが、本当ならベスト10に入れたいほどだったというか。本作は伊坂幸太郎先生の原作小説を映画化したものなんですけど、同じく“小説を映画化した作品”である「愛がなんだ」と比べると、かなりクライマックスがドラマチックで(ボクシングの試合とかバスを走って追いかけるとか)、“いつもの今泉力哉監督作”とは違った印象…って、数本しか観てませんがー。ただ、それはそれでとても良くて、いつものように「恋愛」をテーマにしつつもエンタメ色が強くて、スゲー面白かったです (°∀°)b ヨカッタ!


こういう会話シーンは相変わらず上手いんですけど…。


本作はボクシングシーンもあって。安っぽく見えなくて、意外と悪くなかったです。



「各登場人物たちが自分では気づかなくても各々繋がりつつ影響を与えていて、それらが小さな奇跡に繋がっていく」という作劇は上手くいってたと思うし、佐藤と紗季の距離が縮まるキッカケとなる「手に書かれた『シャンプー』」といった小ネタにもグッときた(これは原作小説の力ですかね)。役者さんたちもみんな良くて、特に三浦春馬さんはあんなイケメンなのにボンヤリ野郎を見事に演じてて感心したし、多部未華子さんは相変わらず素敵だったし、矢本悠馬さんも与えられた役割をキッチリ果たした感があったし、ウィンストン小野役の成田瑛基さんは、ヘビー級には見えないかな…と思わなくもないけど、頑張ってたし、「仮面ライダー響鬼」でモッチー役だった森絵梨佳さんが良い女優さんになっていたのもうれしかったですねぇ…(しみじみ)。それと、こだまたいちさんが演じた「仙台駅のペデストリアンデッキで、ずっと歌っているストリートミュージシャン」がまた素晴らしくて、“街を見守っている精霊”みたいな不思議な佇まいが良いし、彼が歌う「小さな夜」は斉藤和義さんとはまた違った魅力があって最高でした ( ;∀;) イイウタダナー


これは「シャンプーを買い忘れたことに激怒したDV彼氏にタトゥーを彫られた」ということではないです(不要な文章)。


ボクサー役を頑張ってた成田瑛基さんはなんとテコンドーの使い手だそうで。今後注目したいですな。


こだまたいちさんの歌声、癒されました… (´Д`;) ハァハァ



ただ、何よりも僕のハートを掴んだのは、本作のテーマが「出会い」だったこと。要は「その人と出会ったことが良かったのか?」的な話なんですが…。まぁ、僕自身は、奥さんと出会ったことに対して後悔したことは一度もないんですけれども。逆に、常に「僕で良かったのかな」とは思っていて。セックスレスになって9年、男としての魅力を感じられていないのは仕方ないにせよ、それ以上に、日々失望されているんじゃないかと。「アタシにも違った人生があったかも」なんて思われているんじゃないかと不安なのでね、かなり本作の佐藤に自分を重ねて観ちゃったというか。「奥さんと出会えたことへの感謝」を噛み締めつつも、劇中で流れる「小さな夜」を聴いていると、もうすぐ15年になる僕との夫婦生活を「これも悪くない 川´_ゝ`)」程度には思っていてくれたらいいなぁと思って、さめざめと泣きながら観た…って、伝わりますかね。


いつもこんな愚地克巳気分ではあるものの…(「範馬刃牙」より)。


奥さんには、せめてグレート巽気分でいてほしい…って、どうでもいいですかね(「餓狼伝」より)。



その他、思ったところを書いておくと、「この手の映画に出てくるボクシング中継シーンって安っぽいけど、本作は結構良く出来てたのでは」とか「濱田マリさん演じる母親の『歯車、なめんな』話に笑った」とか「駐輪所のシーン、スマホで動画撮るという発想はないの?」とか「『あの御方のお嬢さんですよね…』的な作り話って通用しますかね」とか「サンドイッチマンがセコンドとして登場してビックリした(仙台繋がりなのね)」とか「最後の試合中、成長したいじめられっ子が枝を折って小野を励ますシーンはスゲー感動して泣いたけど、そもそも枝を折る伏線が不自然だったような…」とか「小野の姉役でMEGUMIさんが出演してた→その後に観た『ひとよ』にも出てきて驚いた」とかとかとか。何はともあれ、作品の完成度的には前作の「愛がなんだ」の方が上だと思うんですが、僕的には一番好きな今泉力哉監督作になりましたヨ (´∀`=) ウフフ 普通に素敵な恋愛群像劇だと思うので多くの人に観てほしいし、本作は仙台駅のペデストリアンデッキが重要な場所→ぜひDJ JINさんと島晃一さんにも観てほしい…なんて文章を書いて、この感想を終えたいと思います。




デジタル盤のサントラ。CD盤もあります。スゲーほしい。



伊坂幸太郎先生による原作小説。ちょっと読みたい。コミック版もあります。



2019年に公開されて好評を博した今泉力哉監督作。僕の感想はこんな感じ



3月にはソフトが発売されるのです。



三浦春馬さんの主演作で一番好きなのはこれです。僕の感想はこんな感じ