Diner ダイナー(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

Diner ダイナー(ネタバレ)

Diner ダイナー



2019/日本 上映時間117分
監督・脚本:蜷川実花
原作:平山夢明
脚本:後藤ひろひと、杉山嘉一
製作:今村司、堀義貴、池田宏之、井上肇、石垣裕之、瀬井哲也、谷和男、山本浩、千葉均、吉川英作、田中祐介、和田倉和利
エグゼクティブプロデューサー:伊藤響
プロデューサー:伊藤卓哉、甘木モリオ
アソシエイトプロデューサー:宇田充、金谷英剛
撮影:相馬大輔
照明:佐藤浩太
録音:阿部茂
プロダクションデザイナー:enzo
食堂の装飾美術:横尾忠則
キャラクターデザイン:長瀬哲朗
スタイリスト:長瀬哲朗
ヘアメイクデザイン:ShinYa
フラワーディレクション:東信
フードクリエイション:諏訪綾子
編集:森下博昭
音楽:大沢伸一
主題歌:DAOKO MIYAVI
助監督:川村直紀
VFXスーパーバイザー;野崎宏二
アクション監督:川澄朋章
プロダクションマネージャー:道上巧矢
出演:藤原竜也、玉城ティナ、窪田正孝、本郷奏多、武田真治、斎藤工、佐藤江梨子、金子ノブアキ、川栄李奈、コムアイ、内田健司、前田公輝、吉村界人、板野友美、真琴つばさ、沙央くらま、木村佳乃、蜷川幸雄、角替和枝、品川徹、小栗旬、土屋アンナ、真矢ミキ、奥田瑛二、宮脇咲良、AMI、AYA、エリイ、中村里砂、マドモアゼル・ユリア、MEGUMI、SHIHO
パンフレット:★★★(850円/ビジュアルと記事を良い感じに混ぜ合わせたデザインが良いですな)
(あらすじ)
元殺し屋の天才シェフ、ボンベロ(藤原竜也)が店主をつとめる殺し屋専用の食堂「ダイナー」。日給30万円の怪しいアルバイトに手を出したばかりに闇の組織に身売りされてしまった少女オオバカナコ(玉城ティナ)は、ボンベロに買われウェイトレスとして働くことに。ボンベロが「王」として君臨するダイナーには、全身傷だらけの孤高の殺し屋スキン(窪田正孝)や、子どものような姿をしたサイコキラーのキッド(本郷奏多)、不気味なスペイン語を操る筋肉自慢の荒くれ者のブロ(武田真治)ら、ひと癖もふた癖もある殺し屋たちが次々とやって来て……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




55点


※今回の記事は、「子供の王国」「子供の情景」収録)のネタバレに触れているんですが、本当に厭な気持ちになる短編なので、読んでおいて!
※今回の記事は、映画とは関係のない文章や余計な下ネタが書かれているので、そういうのが苦手な人は読まない方が良いです。


暴れるぜ、暴れるぜ、純愛ダイナーマイツーー。そんな黒崎輝 & ジャック・ブラザーズは心に閉まっておくとして(不要な文章)。劇場で予告編を観た時、「これは観ないな (・∀・)」フォルダに入れる映画ってあると思うんですが、僕的に本作はそんな感じだった…というストレートな書き出し。なんて言うんですかね、有名な役者さんたちが“ぶっ飛んだキャラ”を“ぶっとんだムード”で演じるキツさがモロに漂っていて、おばあちゃんが魔女を使って届けてくれても「あたしこの映画、嫌いなのよね」って言っちゃうレベルというか。ただ、それと同時に「あの小説はそういう話なんだ!Σ(゚д゚)」と興味が湧く自分もいて。かなり昔に書店で見かけた時は表紙のデザインに惹かれたものの、平山夢明先生の小説って怖くてエグそうだからスルーしてたんですけど、「殺し屋相手の食堂が舞台」という、ある意味、「ジョン・ウィック」のような世界観の話なら、スムースに楽しめそうだなと。で、ふとkindle版を購入&読破してみれば、これがなかなか面白かったし、さらに7月10日(水)、つい池袋パルコの「カフェ・アドレス」にてコラボメニューを食べちゃったりしたものだから、ああん、観る気ゲージがすっかり満タンになっちゃって。劇場に足を運ぼうと思っていたんですが、しかし。


「カフェ・アドレス」に行った時のgif。スフレにコインチョコが入ってたのはグー (°∀°)b グー



僕だって仕事やら家庭やらこのブログやら自慰行為やらで忙しいエブリデイを送っているので、なかなか観に行けなくて… (´・ω・`) ウーン しかも、せっかくチケットを新宿ピカデリーで予約したのに、ちくしょう、2度も機会を逃したという体たらく(1度目は仕事、2度目は寝坊)。あまりヒットしなかったみたいだし、7月5日の公開から2カ月近く経ったら、もう上映終了だろうな…と半ば諦めていたところ、なんと渋谷のシネクイントでは9月12日(木)まで上映されるということで! 昨日(9月4日)、新宿で「風をつかまえた少年」を鑑賞→アップリンク渋谷「メランコリック」を観てから、ハシゴしてきました(その後、続けて「永遠に僕のもの」を観た)。「なっちゃいない (`Δ´)」と思ったり。


受付の方に発券してもらった「無駄になったチケット」を貼っておきますね (ノω・、) クヤシイ


劇場のgif。スクリーン1、予想外の盛況で、40〜50人ぐらいはいたような気がします。



本作のストーリーは、省略したり、変更したりと、ところどころ微調整しながらも、原作小説とほぼ同じという印象。ザッと雑に書いておくと、「主人公カナコは安易な気持ちで即金30万のバイトに手を出したら裏社会に踏み込むことに→強制的に働くことになった“殺し屋専用食堂”で必死にサバイブする→いろいろあって店主ボンベロと気持ちが通じ合うようになる→組織に殺されそうになるもボンベロが味方になってくれて銃撃戦がスタート→食堂大爆発!ヽ(`Д´)ノ バクハツ!→無事脱出したカナコは自分の店でボンベロが来るのを待つ」ってな調子だったんじゃないかしらん。


DAOKOさん×MIYAVIさんによる「千客万来」を貼っておきますね↓




WOWWOW ダイナー、正義はなんだ ダイナー、ほんとの愛はなんだーー。そんな光の巨人はどうでも良いとして(不要な文章)、僕的には結構好きなところがあって。前述しましたが、危惧していた“ぶっ飛んだキャラ”を“ぶっとんだムード”で演じるキツさについては、意外とそれが良かったという不思議。玉城ティナさん演じるカナコ以外は、本当にほとんどの登場人物が大仰な芝居だったり、「ヒャッハー!ヘ(゚∀゚*)ノ」的に演じられたりしているんですが、そのおかげでカナコの“普通”が際立つし、蜷川実花監督作ならではのギラギラした美術と良い具合にマッチしていて、ナッツぎっしりの「スニッカーズ」をチョコフォンデュにしてダース単位で味わったような、胸焼けギリギリの確かな満足感があった…って、伝わるでしょうか。

藤原竜也さん演じるボンベロの「オレはぁ〜ここのぉ〜王だ!(`Δ´)」の台詞も、予告編ではマジでどうかと思っていたのに、劇場で観たらスゲー面白かったし、キッド役の本郷奏多さんは子どもボディの合成感も合わさって不気味だったし、窪田正孝さんもカッコ良かったし、武田真治さんの筋肉アピールはいつだって愛しているし、「カッコつけてカブトムシを食べてすぐ死ぬ」という小栗旬さんの使い方も笑ったしと、思いのほか好みのタイプ。そして、本作のラスボスとなる“男装の麗人”無礼図役の真矢ミキさんにもかなりテンションが上がったというか。彼女の部下を真琴つばささん&沙央くらまさんが演じているから、なんか宝塚歌劇団が襲撃してきた!Σ(゚д゚;)」的なインパクトがあって、非常に良い配役&改変(原作に“男装の麗人”設定はない)だと感心しましたよ。贅沢を書くと、部下に男は入れずに全員“男装の麗人”にしてほしかったですがー。


本作のキッドは「子供の王国」のこのコマのような気持ち悪さがありましたな(「子供の情景」より)。



本作のキャスト&キャラ紹介動画↓ 意外と好きでした (´∀`) アラアラ




ダイダイダイダイ ダイナーマン、ダイダイダイダイ 大爆発だぁー、ダダッダーー。といった科学戦隊はどうでも良いとして(不要な文章)。とは言え、ハッキリ言って、好きなところがあった分、余計にイラッとした部分もありましてね。本作は「天才シェフが作る絶品の料理」が売りなのに(カナコとボンベロは「料理作りを愛する心」で繋がるのだから重要だと思う)、ちゃんと美味しそうに見せる&解説するシーンが少ないのが残念だっただけでなく。肝心のアクションの見せ方がダメなんじゃないかと。別に今さら「マトリックス避け」をやるのは逆に面白いような気がして許せなくもないけどさ、せっかく派手なシーンが展開されているのに、その場面場面がちゃんと繋がっていなくてブツ切りだから、驚くほど燃えないんですよね…。

特に、クライマックスに繰り広げられる無礼図とその部下たちとの銃撃戦、「狭い店で籠城戦」というアクション映画好きなら超燃えて(心が)即射精する級のシチュエーションにもかかわらず(入口の「三枚の扉」が閉まるシーンは激熱!)、位置関係や勝利条件がまったくわからないから、「すみません、今はどういう状況なんですかね… (´Д`;) ナニガナニヤラ」作品に全然没入できないんですよ。せっかくの「ボンベロと無礼図のタイマン」だってさぁ、役者さんたちは超頑張っているにもかかわらず、ごめんなさい、単なる「オサレポーズ合戦」ぐらいにしか見えなくて、心底ガッカリいたしました。蜷川実花監督、アクションには興味がないんですかね。その他、原作から改変した部分の不満を書くと、玉城ティナさん自体は良い感じだったし、カナコというキャラが自己主張すること自体は好きだけど(原作も彼女が立ち上がる話だしね)、スキンが死んだ直後の開き直り演説はムカついたし(理屈がバカバカしいし、「テメエが隠した酒を出してから死ねよ」って思った)、別れ際のキスは超蛇足だと思ったし(恋愛関係じゃなくて「料理を愛する者同士の共感」というところが良かったのに!)、もし白昼夢だとしても、ボンベロが店に訪れるラストは不要だと思ったり。


ということで、こんな気持ちになった次第(「範馬刃牙」より)。



そんなワケで、アクション演出(つーか、編集が良くないのかなぁ…)がしっかりしていて、R15ぐらいのバイオレンス描写が入って、うざったい「人間ドラマ」が少なめだったら、「日本版『ジョン・ウィック』的な作品になったような気がするだけに、本当にもったいないと思いました (・A・) モッタイナイ! 直前に観た「メランコリック」が、同じような話ながらスゲー面白かっただけに、余計に残念だなぁと。とは言え、僕が行った劇場には予想外に観客がいて、僕が考える以上に「好きな人は好き」な作品なのかもしれないので、この駄文を読んでなんとなく気になった人は観てみるのも良いかもね (o^-')b カーモネ




平山夢明先生による原作小説。エグい台詞&グロテスクな殺害描写の数々にビックリしました。



デジタル盤のサントラ。CD盤もあります。



河合孝典先生による小説のコミカライズ。これはこれで面白そう。



かなり前に劇場で観た蜷川実花監督作。僕の感想はこんな感じ



検索したら引っ掛かった同タイトルのバリー・レヴィンソン監督作。ちょっと観たい。