記者たち 衝撃と畏怖の真実(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

記者たち 衝撃と畏怖の真実(ネタバレ)

記者たち 衝撃と畏怖の真実



原題:Shock and Awe
2017/アメリカ 上映時間91分
監督・製作:ロブ・ライナー
製作:マシュー・ジョージ、ミシェル・ライナー、エリザベス・A・ベル
製作総指揮:マーティン・シェイファー、ウェイン・マーク・ゴッドフリー、ロバート・ジョーンズ、アラステア・バーリンガム、トニー・パーカー、クリストファー・H・ワーナー
脚本:ジョーイ・ハートストーン
撮影:バリー・マーコウィッツ
美術:クリストファー・R・デムーリ
衣装:ダン・ムーア
編集:ボブ・ジョイス
音楽:ジェフ・ビール
字幕監修:池上彰
出演:ウッディ・ハレルソン、ジェームズ・マースデン、ロブ・ライナー、ジェシカ・ビール、ミラ・ジョボビッチ、トミー・リー・ジョーンズ、ルーク・テニー、リチャード・シフ
パンフレット:★★★★☆(700円/落ち着いたデザインに読み応えのあるコラム、用語解説と、隙のない良いパンフ)
(あらすじ)
2002年、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、サダム・フセイン政権を倒壊させるため「大量破壊兵器の保持」を理由にイラク侵攻に踏み切ることを宣言。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストといった大手新聞をはじめ、アメリカ中の記者たちが大統領の発言を信じて報道を続ける中、地方新聞社を傘下にもつナイト・リッダー社ワシントン支局の記者ジョナサン・ランデーとウォーレン・ストロベルは、大統領の発言に疑念を抱き、真実を報道するべく情報源をたどっていくが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




75点


7月21日(日)=本日は参議院選挙の投票日ということで、ボンヤリと政治絡みの映画の感想をアップしておきますよ(微笑)。今年の3月29日に公開された実話ベースの本作、翌週の4月5日から始まった同じ実話ベースの映画「バイス」とセットで語られることが多くてね。さらにロブ・ライナー監督作でウッディ・ハレルソンとサイクロップスが主演となれば、「ううむ、やっぱり観ておかなければ (`Δ´;) ヌゥ」という気になったものの、ああん、仕事やら何やらが忙しくて、観るタイミングを逸してしまったのでした…。で、先日、いわゆる“二番館”っぽい下高井戸シネマで上映が始まったので、いそいそと足を運んできました(その後、新宿に移動して「新聞記者」をハシゴ)。スゲー良い映画でしたヨ (°∀°)b ナイス!


初めて来た下高井戸シネマ。6割ぐらい埋まってました。


「バイス」をもう一回観てから、連続鑑賞したかったなぁ (・ε・) ザンネン



お話を適当かつ雑に書いておくと、舞台は2001年、いわゆる9.11テロが発生して大慌てのアメリカでして。地方新聞社を傘下に持つナイト・リッダー社ワシントン支局の記者ジョナサン・ランデー(ウディ・ハレルソン)とウォーレン・ストロベル(ジェームズ・マースデン)は、ジョージ・W・ブッシュ大統領 with アメリカ政府が流してきた「イラクがビン・ラディンと組んで9.11テロを起こした!m9`Д´) ビシッ」という発表が信じられなくて、関係者に独自調査を進めたところ、どう調べてもウソだったので、バンバン記事を書いてみるも、傘下の新聞社は全然載せてくれなかったりするというね (´・ω・`) ウーン


政府の発表を怪しんだ腕利き記者2人が取材を始めると…。


内部告発者が続々登場→その証言を元に告発記事を作るも、市民は信用してくれないのです (´・ω・`) ザンネン



さらに政府は「イラクは大量破壊兵器を隠し持っている!(`・ω・´) キリッ」なんてことまで言い出したので、上司のジョン・ウォルコット(ロブ・ライナー)と伝説のベテラン記者ジョー・ギャロウェイ(トミー・リー・ジョーンズ)と頑張って、いろいろと否定する記事を書いてみたものの、ストロベルったら「大手新聞は政府を支持してるのに!(`Δ´) ウソツキ!」「人が死んでんねんで!(`Δ´) ヒコクミン!」と恋人の父親から売国奴扱いされちゃうから、やってられないわ ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ 結局、戦争は始まってしまい、4人の記者たちは慰霊碑の前で“戦争開始1週間後にイラクの即席爆発装置で下半身不随になった兵士”アダム・グリーン(ルーク・テニー)と出会って、シンミリして終了。実際の記者本人たちの姿が流れてから、テロップでイラク戦争での犠牲者数などの数字とともに、「イラクで見つかった大量破壊兵器=ゼロ」なんて文章が出て、エンドクレジットに突入してたような気がします、たぶん (´∀`;) ウロオボエ


残念ながらナイト・リッダー社の報道は無力であり、戦争が始まってしまうのでした。



最後に登場する本物の記者と役者さんのインタビュー動画を貼っておきますね↓




さすがは名匠ロブ・ライナー監督ですよ、「プロフェッショナルたちが頑張る話」として普通によくできていて面白かった。ウッディ・ハレルソンとジェームズ・マースデンが演じる腕利き記者たちが軽口を叩きながら取材をしていく姿は超カッコイイし、そんな2人を叱咤激励する上司役のロブ・ライナー監督もまた渋い(当初はアレック・ボールドウィンが演じる予定だったけど、降板したそうな)。しかも途中からやってくる伝説のベテラン記者ギャロウェイを演じたトミー・リー・ジョーンズが100点の素晴らしさで(「政府の失敗は兵士が贖う」とか「名誉は若者にやれ」とかの台詞で勃起!(筆者注:心が))、ハッキリ言って、この4人の演技&やり取りを観るだけで十分楽しかったです (・∀・) タノシー その他、内部告発者の「私とジェニファー・ロペスが寝るくらい不可能だ」の台詞は笑ったし、「勉強してきた」という体でストロベルの恋人リサ(ジェシカ・ビール)に当時のイスラム情勢を観客に説明させる演出は良かったし、奥さん役のミラ・ジョボビッチが「明るいと眠れないわ 川`∀´)」とウッディ・ハレルソンの手を自分の乳の上に置くシーンは、ふふふ、ちょっとエロくて好きでしたね。


本作のトミー・リー・ジョーンズ、激渋でしたぞ。



とは言え、正直なところ、同じく政府の陰謀を新聞社が告発する「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」と比べちゃうと、パンチが弱い感も否めない。映画冒頭、車イスの兵士アダムが公聴会にて「自分の言葉で話していいですか?」と用意していた原稿をしまって語り出したスピーチが「それも用意してたんじゃないの? (・ω・;)」と冷や汗が流れるほどの完成度だった…というのは置いとくとして。「イラク戦争直前、真実を報道していた新聞社があったのに、誰も耳を貸さなかった」という本作と、「アメリカ政府はなぜイラク戦争を起こしたのか?」ということを描いた「バイス」をセットで観ると味わい深いのは確かだけど、できれば「なぜ大手の新聞社は政府の発表を垂れ流すだけだったのか?」にも突っ込んでほしかったなぁと(劇中で少し触れますが)。あと、「結局、負けて終わる」ので、作品としては仕方ないものの(事実だしね)、後味の悪さはあまり好きじゃなかったです。


このウソを他のメディアが暴かなかった理由をもっと観たかったなぁ。



池田香代子さんと北丸雄二さんが本作と「バイス」について語る動画を貼っておきますね↓




その他、ちょっと思い出したのは当時のWWEで、確かブラッドショーあたりが「血を流している兵士がいるのに、戦争に反対する奴がいる!(`Δ´)」みたいな“モロに論点をすり替えたスピーチ”をして拍手喝采を受けたり、ラ・レジスタンスなんてフランス系ヒールユニットが出てきたりしてたなぁ…なんてね。どこの国でも治世者に敵対心を煽られると民衆は景気の良い報復感情に染まっちゃうんだよなぁ…。ウソをついてイラク戦争を始めた奴らは全員、戦争犯罪人として縛り首になってほしいくらいだけど(景気の良い報復感情に染まった文章)、「結局は大して裁かれない」ってのもまたどこの国でも一緒というか、権力者はウソをついたもん勝ちなんでしょうね、たぶん。


なんとなくウソをついてノーベル平和賞をもらった日本の首相を思い出したり(「天才バカボン」より)。



まぁ、何はともあれ、面白い上にいろいろと考えさせられる良い映画でしたヨ (°∀°)b ナイス! まだいくつかの映画館で上映されているので、興味が湧いた方はぜひ観てみてくださいな。そして驚くほど唐突ですが、選挙権がある人は投票に足を運ぼうね!ヘ(゚∀゚*)ノ オシマイ




デジタル盤のサントラ。輸入CD盤もあります。



10月にはソフトが発売されるのです。



ウディ・ハレルソン主演×ロブ・ライナー監督作。ちょっと興味あります。



非常に連想したスティーブン・スピルバーグ監督作。僕の感想はこんな感じ



こんな記者映画もありましたな。僕の感想はこんな感じ



やっぱり見直しておこうかなぁ… (`Δ´;) ウーム