新聞記者(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて

新聞記者(ネタバレ)

※今回の記事は、本作が好きな人は不快になる可能性があるので、気をつけて!




新聞記者



2019/日本 上映時間113分
監督・脚本:藤井道人
原案:望月衣塑子、河村光庸
脚本:詩森ろば、高石明彦
企画・製作:河村光庸
エグゼクティブプロデューサー:河村光庸、岡本東郎
プロデューサー:高石明彦
共同プロデューサー:行実良、飯田雅裕、石山成人
撮影:今村圭佑
照明:平山達弥
録音:鈴木健太郎
美術:津留啓亮
衣装:宮本まさ江
ヘアメイク:橋本申二
編集:古川達馬
音楽:岩代太郎
主題歌:OAU
演出補:酒見顕守
ラインプロデューサー:平山高志
出演:シム・ウンギョン、松坂桃李、本田翼、岡山天音、郭智博、長田成哉、宮野陽名、高橋努、西田尚美、高橋和也、北村有起哉、田中哲司、望月衣塑子、前川喜平、マーティン・ファクラー
パンフレット:★★(720円/仕方ないのかもしれませんが、内容が薄い…)
(あらすじ)
東都新聞の記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)のもとに、医療系大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届く。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、強い思いを秘めて日本の新聞社で働く彼女は、真相を突き止めるべく調査に乗り出す。一方、内閣情報調査室の官僚・杉原(松坂桃李)は、現政権に不都合なニュースをコントロールする任務に葛藤していた。そんなある日、杉原は尊敬するかつての上司・神崎(高橋和也)と久々に再会するが、神崎はその数日後に投身自殺をしてしまう。真実に迫ろうともがく吉岡と、政権の暗部に気づき選択を迫られる杉原。そんな2人の人生が交差し、ある事実が明らかになる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




50点


まぁ、深夜にアメリカの記者映画の感想を更新したのと、本日=7月21日(日)は参議院選挙の投票日ということで、なんとなく本作の感想をアップしておきますよ(微笑)。それなりに話題になっているし、愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」のリスナー枠に選ばれたということで、観ることにしましてね。6月28日の公開から20日経った7月18日(木)、下高井戸シネマ「記者たち 衝撃と畏怖の真実」を鑑賞後、新宿ピカデリーで観てきました。「マイッたな、こりゃ… (°д°;)」と思ったり。


劇場ロビーの展示。力、入ってますな。


8番スクリーン、満席でしたよ。


鑑賞中の僕の気持ちを代弁する範馬勇次郎を貼っておきますね(「範馬刃牙」より)。



最初に僕の政治信条を書いておくと、基本的に「権力者が嫌い」なのでね(a.k.a.中二気質)、どの政権だろうと嫌いだけれども、日本という国自体は大好きな「普通の日本人」もしくは「普通の愛国者」って感じでしょうか。で、当然ながら今の安倍政権も大嫌いなので、そこら辺の批判をしているというウワサの本作は松屋のカレギュウ並に美味しくいただけるかと思って、パンツを脱いで待っていたところ、意外とそうでもなかったから映画というのは難しいなぁと。本作で非常に不満を覚えたのは脚本と演出でして。「山口敬之記者が伊藤詩織さんを昏睡レイプしたにも関わらずベッタリだった安倍政権のおかげで不起訴になった疑惑」っぽい事件を出したりするのは好感が持てたんですが…。まず、「内閣情報調査室」の描き方にビックリしました。薄暗い部屋でパソコンをカタカタカタカタ…ってさぁ。まさか今どきこんなベタな「悪の組織ですゾ (o^-')b」描写を見せられるとは思わなかったです。

ただ、一番驚かされたのは終盤、本作で主人公たちが追う「森友学園問題」っぽい事件の“真相”。「大学で生物兵器を作るつもりだった」ってのは、フィクション・ラインが一気に上がりすぎて、「はぁ?(゚Д゚) ナニイッテンノ?」と。政治や軍事に詳しい人からすると「いや、ありうる!(`・ω・´)」と納得できるのかもしれませんが(製作者的には「戦争する国づくり」的な要素を入れたかったんですかね?)、ごめんなさい、僕の常識的にはいきなりハイレベルの絵空事をかまされて唖然としたというか。むしろベースとなった「森友学園問題」の本質を単純化してしまう「安易かつ浅い展開」にしか見えなかったです。実在の事件を扱って警察組織を批判しつつも映画としてちゃんと面白かった「日本で一番悪い奴ら」とか「ポチの告白」みたいな感じだったら良かったのになぁ。


主人公たちが生物兵器云々を言い出した時の僕は、この範馬刃牙気分でしたよ(「刃牙道」より)。



一応、クライマックスの展開を書いておくと、内閣情報調査室の官僚・杉原は東都新聞の記者・吉岡に協力して「大学設立は生物兵器を作るためだった!」的な記事が出て、めでたしめでたし…かと思いきや。ラスト、上司の多田から「吉岡記者を裏切ることと引き換えに外務省に戻ること」を提案されると、杉原は実に追い詰められた表情をしましてね。横断歩道の向かい側にいる吉岡が、そんな心の折れそうな彼に声をかけようとするところで、映画は終わるんですが…。もうね、この場面の役者さんたちの演技自体は素晴らしかったものの、多田からの提案が“あまりに普通”だったので、「杉原はそんなことも予期してなかったの?(゚⊿゚) マジ?」と呆れちゃって、まったく感情移入出来なかった次第。要は、役者さんたちの演技や劇中の演出はリアルかつ重めムードなのに、扱われていることが絵空事だったり、意外と大したことなかったりするから、そのギャップで微妙な気持ちになった…って、伝わりますかね。それと、僕はシム・ウンギョンが大好きなんですが、いくら帰国子女という設定だからって、片言の日本語はやっぱりノイズに感じちゃいましたね… (´・ω・`) ウーン


多田からの提案を受けてワナワナする杉原を観た時は、こんな愚地独歩気分になったり(「グラップラー刃牙」より)。



あと、心底ダメだと思ったのが、公式サイトに松江哲明監督のコメントが載っていること。2017年8月25日、池袋シネマ・ロサで起きた「童貞。をプロデュース」舞台挨拶事件については「映画は人助けをしない」さんの記事を読んでいただくとして。そりゃあ、松江監督に商業活動をするなとはまったく思いませんよ。ただ、「伊藤詩織さんが性的暴行を受けた事件」を扱っている映画のコメントに「性的強要をした」と告発されている人物を起用するのって、さすがにデリカシーがなさすぎじゃないでしょうか。まぁ、本作の関係者からすると「松江監督には問題がない」という判断なんでしょうけど、僕のような“業界の事情を知らない映画ファン”からすると、現時点では松江監督が不誠実にしか見えないから、本作のコメント起用にはかなりイラッといたしました。


松江監督のコメントを見つけた僕は愚地克巳気分だったというね(「グラップラー刃牙」より)。



何はともあれ、最近、「バイス」「記者たち 衝撃と畏怖の真実」といった“非常に優れた社会派ドラマ”を2本も観ていた分、本作を厳しい目で観ちゃった感もあるというか(汗)。松坂桃李さんや高橋和也さん、田中哲司さんの演技は見事だったし、こういった現政権を批判する作品を撮った心意気は買いたいので、ボンヤリと50点という着地。日本にもフェアユースが導入されて、この手の映画がもっと作りやすくなったら良いなぁ…なんて思ったり。で、驚くほど唐突ですが、本日20時まで投票できるのでね、選挙権がある人は投票に足を運ぼうね!ヘ(゚∀゚*)ノ オシマイ




原案となった、東京新聞の望月衣塑子記者によるノンフィクション。読む気は…起きないかなぁ…。



評判の良い藤井道人監督作を貼っておきますね。



なんとなく連想した白石和彌監督作。僕の感想はこんな感じ



「映画秘宝」で町山智浩さんが引き合いに出されていた映画。興味あります。



シム・ウンギョン主演作で一番好きなのはこれです。僕の感想はこんな感じ