バースデー・ワンダーランド(ネタバレ)
バースデー・ワンダーランド
2019/日本 上映時間115分
監督:原恵一
原作:柏葉幸子
脚本:丸尾みほ
製作:山本真、藤田浩幸、岩上敦宏、池田宏之、森田圭、森下勝司
企画:松崎容子、石川光久
エグゼクティブプロデューサー:種田義彦
プロデューサー:竹枝義典、本多史典、長南佳志
キャラクター/ビジュアル:イリヤ・クブシノブ
作画監督:浦上貴之、小林直樹、霜山朋久、新井浩一、竹中真吾、伊藤秀樹、山本史
演出:長友孝和
色彩設計:楠本麻耶
美術監督:中村隆
CG監督:遠藤工
撮影監督:田中宏侍
編集:西山茂
音楽:富貴晴美
テーマソング・挿入歌・イメージソング:milet
アニメーション制作:SIGNAL.MD
声の出演:松岡茉優、杏、麻生久美子、東山奈央、藤原啓治、矢島晶子、市村正親
パンフレット:★★★(820円/キャラや世界を紹介するページが良い感じだけど、ネタバレ前提で良いのでは…)
(あらすじ)
誕生日の前日、自分に自信がない小学生の少女アカネの前に、謎めいた大錬金術師ヒポクラテスとその弟子ピポが現れる。自分たちの世界を救ってほしいと必死で訴える2人に無理やり連れて行かれたのは、骨董屋の地下室の扉から繋がるワンダーランドだった。不思議な動物や人が住むそのカラフルな世界は、色が消えてしまう危機に陥っていた。ワンダーランドを守る救世主にされてしまったアカネは大冒険を繰り広げ、やがて人生を変える決断を迫られる。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
30点
※今回の記事は、本作が好きな人は確実に不快になると思うので、読まない方が良いです。
※今回の記事は、デビッド・フィンチャー監督作「ゲーム」のネタバレに触れていて、「ゲーム」は絶対ネタバレを知らないで観た方が面白い作品なので、気をつけて!
原恵一監督作は好きな作品が多いし、タイトルに興味を抱いたし(誕生日がワンダーって「ふろ水ワンダー」的なこと!? (・∀・) キニナルー)、愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」にて、原恵一監督やら松岡茉優さんやらが出演して宣伝されていたのも微笑ましかったので、観る気マンマンでしてね。とは言え、なかなか劇場へ足を運べなくて、公開から1カ月近く経った5月20日(月)、日比谷で「バイス」を観てから錦糸町に移動→TOHOシネマズ錦糸町オリナスにて鑑賞いたしました(その後、「オーヴァーロード」をハシゴ)。残念な気持ちになりましたよ… (´・ω・`) ウーン
8番スクリーン、半分ぐらい入ってたような。
ウソを交えながらストーリーをザッと書いておくと、誕生日の前日、自分に自信がない小学生の少女アカネが、クラスの人間関係で悩んでズル休みをしましてね。母親が預けたという誕生日プレゼントを叔母のチィが経営する骨董屋「ちゅうとはんぱ屋」へ取りに行ったら、店の地下室から大錬金術師ヒポクラテスと弟子のピポが登場。600年前に自分たちの世界を救った「緑の風の女神」にアカネを認定すると、半ば強制的に異世界に連れて行く(好奇心旺盛なチィ叔母さんは勝手に同行)…ってな調子。で、あーだこーだあって、自分に自信がなくてザン・グというゴロツキになっていた王子を「やるなら今しかねぇ!川`Д´)ノ」「やるなら今しかねぇ!川`Д´)ノ」と励ますことで、王子ったら元の姿に戻った挙げ句、“成功しないと水資源が不足して世界が破滅する&失敗したら『時なし雨の井戸』に身を投げる儀式”を大魔術師カマドウマの助力を得て成功させて、めでたしめでたし。現実世界に戻ってくると、アカネはちょっと成長したオーラをまとっていて、異世界と現実世界は時間の進み方が違う→600年前の「緑の風の女神」はアカネの母親だったのでは的なムードが漂ってエンドクレジットに突入しまして。Lenkaの日本語詞カバーとなる「THE SHOW」が流れる中、アカネがこじれた人間関係をスムースに解決するっぽい絵が映ったりして終わってたような気がします、たぶん(うろ覚え)。
miletさんが歌う挿入歌「Wonderland」を貼っておきますね↓
もっと「誕生日おめでとう!( ・∀・)」「おめでとう!ヘ(゚∀゚*)ノ」「祝え! アカネの誕生日である!(`∀´)ノ」といったバースデーワンダー感があると思ってた…というのは置いとくとして。ハッキリ言って、お話が飲み込みづらかったです。「子どもが異世界に行って成長する話」といえば「オズの魔法使」やら何やらたくさんあるワケですが、例えば主人公だけが体験するなら「この冒険は夢だったのかな? 現実だったのかな?( ̄ー ̄) フフフ」的な濁し方ができる→世界観がおかしくてもそれなりに飲み込めるものですが、本作の場合、チィ叔母さんという第三者も一緒だから、観客的にはアカネの体験を「夢」として処理できないじゃないですか。となると、本作は異世界の人々の暮らし振りとか魔法の扱い方とかが、いくらファンタジーだとしても“ルールがわからなくて現実味のない世界観”だったから(「ゴロツキが暴れ放題で罰せられないの?」とか)、いくらフィクションだとしても絵空事にしか見えなくて。危機的な状況に陥っても逐一ハラハラしなかった…って伝わりますかね。まぁ、原作となる「地下室からのふしぎな旅」は30年以上に書かれた児童文学ということで、文字情報だけだったら受け取り方が違う気はしますが…。
あと、かなり不快だったのが、王族がやらなくてはならない「しずく切りの儀式」でしてね。「失敗したら『時なし雨の井戸』に身を投げる」といった非人道的なルールがまかり通っていて、その時点で「この世界の偉大な魔術師やら錬金術師やらは、その問題に何百年も真っ向から取り組んでこなかったの?」とバカバカしくなるんですが(王子がザン・グとなって井戸を破壊しようとしたのもスゲーわかる)、それはそれとして。儀式に失敗した王子は、アカネの制止を振り切って井戸に身を投げる→そこには大魔術師カマドウマがいて、そいつが助けてくれる&儀式を再開させてくれるワケですよ(つーか、何でも知ってて何でもできちゃうご都合キャラ)。要は「儀式は王の覚悟を試すもの」っぽいオチなんですけど、「気持ち悪い ( ゚д゚)、ペッ」と。「僕が主人公だったら関係者を皆殺しにするだろうな」と思うほど嫌いなデビッド・フィンチャー監督作「ゲーム」の「全部お芝居でした」エンディングを連想したというか、ああいう「試し行為」は心底嫌悪しているので(自己啓発セミナーかよ)、水がビャーッと出まくって派手な場面が繰り広げられてましたけど、ごめんなさい、その前に感じた不快感が強すぎて、マジどうでも良かったです。
あの儀式を観た僕は、このグレート巽のような気持ちになりましたよ(「餓狼伝」より)。
その他、「えっ!? わたしが救世主!?」のキャッチコピーを見て「なんで、私が東大に!?」を連想した…という不要な文章。いや、ビジュアル的には素晴らしかったりするし、声優さんたちも良かったし、miletさんが歌う「THE SHOW」も素敵だったし(「マネーボール」を観てから大好きな曲)、エンドクレジットで流れる「仲直りのキッカケを作ろうとするアカネ」には涙を流したし、好きなところもあるんですよ。原恵一監督作で主人公が小学生の娘となれば、確実にストライクだったハズなのになぁ… (´・ω・`) ウーン 何はともあれ、所詮は偏差値の低いブログの書くことなのでね(苦笑)、気になる人はチェックしてみてくださいな。
柏葉幸子先生による原作の児童文学。小説だと面白いのかな…。
miletさんのEP。本作のメインテーマ「THE SHOW」と挿入歌「Wonderland」を収録。
デジタル盤のサントラ。CD盤もあります。
公式設定資料集。お好きな人はどうぞ。
キャラクターデザインやら諸々を担当されたイリヤ・クブシノブの画集。か…かわいい… (`Δ´;) ヌゥ
原恵一監督作で一番好きなのはこれでございます。僕の感想はこんな感じ。
2019/日本 上映時間115分
監督:原恵一
原作:柏葉幸子
脚本:丸尾みほ
製作:山本真、藤田浩幸、岩上敦宏、池田宏之、森田圭、森下勝司
企画:松崎容子、石川光久
エグゼクティブプロデューサー:種田義彦
プロデューサー:竹枝義典、本多史典、長南佳志
キャラクター/ビジュアル:イリヤ・クブシノブ
作画監督:浦上貴之、小林直樹、霜山朋久、新井浩一、竹中真吾、伊藤秀樹、山本史
演出:長友孝和
色彩設計:楠本麻耶
美術監督:中村隆
CG監督:遠藤工
撮影監督:田中宏侍
編集:西山茂
音楽:富貴晴美
テーマソング・挿入歌・イメージソング:milet
アニメーション制作:SIGNAL.MD
声の出演:松岡茉優、杏、麻生久美子、東山奈央、藤原啓治、矢島晶子、市村正親
パンフレット:★★★(820円/キャラや世界を紹介するページが良い感じだけど、ネタバレ前提で良いのでは…)
(あらすじ)
誕生日の前日、自分に自信がない小学生の少女アカネの前に、謎めいた大錬金術師ヒポクラテスとその弟子ピポが現れる。自分たちの世界を救ってほしいと必死で訴える2人に無理やり連れて行かれたのは、骨董屋の地下室の扉から繋がるワンダーランドだった。不思議な動物や人が住むそのカラフルな世界は、色が消えてしまう危機に陥っていた。ワンダーランドを守る救世主にされてしまったアカネは大冒険を繰り広げ、やがて人生を変える決断を迫られる。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
30点
※今回の記事は、本作が好きな人は確実に不快になると思うので、読まない方が良いです。
※今回の記事は、デビッド・フィンチャー監督作「ゲーム」のネタバレに触れていて、「ゲーム」は絶対ネタバレを知らないで観た方が面白い作品なので、気をつけて!
原恵一監督作は好きな作品が多いし、タイトルに興味を抱いたし(誕生日がワンダーって「ふろ水ワンダー」的なこと!? (・∀・) キニナルー)、愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」にて、原恵一監督やら松岡茉優さんやらが出演して宣伝されていたのも微笑ましかったので、観る気マンマンでしてね。とは言え、なかなか劇場へ足を運べなくて、公開から1カ月近く経った5月20日(月)、日比谷で「バイス」を観てから錦糸町に移動→TOHOシネマズ錦糸町オリナスにて鑑賞いたしました(その後、「オーヴァーロード」をハシゴ)。残念な気持ちになりましたよ… (´・ω・`) ウーン
8番スクリーン、半分ぐらい入ってたような。
ウソを交えながらストーリーをザッと書いておくと、誕生日の前日、自分に自信がない小学生の少女アカネが、クラスの人間関係で悩んでズル休みをしましてね。母親が預けたという誕生日プレゼントを叔母のチィが経営する骨董屋「ちゅうとはんぱ屋」へ取りに行ったら、店の地下室から大錬金術師ヒポクラテスと弟子のピポが登場。600年前に自分たちの世界を救った「緑の風の女神」にアカネを認定すると、半ば強制的に異世界に連れて行く(好奇心旺盛なチィ叔母さんは勝手に同行)…ってな調子。で、あーだこーだあって、自分に自信がなくてザン・グというゴロツキになっていた王子を「やるなら今しかねぇ!川`Д´)ノ」「やるなら今しかねぇ!川`Д´)ノ」と励ますことで、王子ったら元の姿に戻った挙げ句、“成功しないと水資源が不足して世界が破滅する&失敗したら『時なし雨の井戸』に身を投げる儀式”を大魔術師カマドウマの助力を得て成功させて、めでたしめでたし。現実世界に戻ってくると、アカネはちょっと成長したオーラをまとっていて、異世界と現実世界は時間の進み方が違う→600年前の「緑の風の女神」はアカネの母親だったのでは的なムードが漂ってエンドクレジットに突入しまして。Lenkaの日本語詞カバーとなる「THE SHOW」が流れる中、アカネがこじれた人間関係をスムースに解決するっぽい絵が映ったりして終わってたような気がします、たぶん(うろ覚え)。
miletさんが歌う挿入歌「Wonderland」を貼っておきますね↓
もっと「誕生日おめでとう!( ・∀・)」「おめでとう!ヘ(゚∀゚*)ノ」「祝え! アカネの誕生日である!(`∀´)ノ」といったバースデーワンダー感があると思ってた…というのは置いとくとして。ハッキリ言って、お話が飲み込みづらかったです。「子どもが異世界に行って成長する話」といえば「オズの魔法使」やら何やらたくさんあるワケですが、例えば主人公だけが体験するなら「この冒険は夢だったのかな? 現実だったのかな?( ̄ー ̄) フフフ」的な濁し方ができる→世界観がおかしくてもそれなりに飲み込めるものですが、本作の場合、チィ叔母さんという第三者も一緒だから、観客的にはアカネの体験を「夢」として処理できないじゃないですか。となると、本作は異世界の人々の暮らし振りとか魔法の扱い方とかが、いくらファンタジーだとしても“ルールがわからなくて現実味のない世界観”だったから(「ゴロツキが暴れ放題で罰せられないの?」とか)、いくらフィクションだとしても絵空事にしか見えなくて。危機的な状況に陥っても逐一ハラハラしなかった…って伝わりますかね。まぁ、原作となる「地下室からのふしぎな旅」は30年以上に書かれた児童文学ということで、文字情報だけだったら受け取り方が違う気はしますが…。
あと、かなり不快だったのが、王族がやらなくてはならない「しずく切りの儀式」でしてね。「失敗したら『時なし雨の井戸』に身を投げる」といった非人道的なルールがまかり通っていて、その時点で「この世界の偉大な魔術師やら錬金術師やらは、その問題に何百年も真っ向から取り組んでこなかったの?」とバカバカしくなるんですが(王子がザン・グとなって井戸を破壊しようとしたのもスゲーわかる)、それはそれとして。儀式に失敗した王子は、アカネの制止を振り切って井戸に身を投げる→そこには大魔術師カマドウマがいて、そいつが助けてくれる&儀式を再開させてくれるワケですよ(つーか、何でも知ってて何でもできちゃうご都合キャラ)。要は「儀式は王の覚悟を試すもの」っぽいオチなんですけど、「気持ち悪い ( ゚д゚)、ペッ」と。「僕が主人公だったら関係者を皆殺しにするだろうな」と思うほど嫌いなデビッド・フィンチャー監督作「ゲーム」の「全部お芝居でした」エンディングを連想したというか、ああいう「試し行為」は心底嫌悪しているので(自己啓発セミナーかよ)、水がビャーッと出まくって派手な場面が繰り広げられてましたけど、ごめんなさい、その前に感じた不快感が強すぎて、マジどうでも良かったです。
あの儀式を観た僕は、このグレート巽のような気持ちになりましたよ(「餓狼伝」より)。
その他、「えっ!? わたしが救世主!?」のキャッチコピーを見て「なんで、私が東大に!?」を連想した…という不要な文章。いや、ビジュアル的には素晴らしかったりするし、声優さんたちも良かったし、miletさんが歌う「THE SHOW」も素敵だったし(「マネーボール」を観てから大好きな曲)、エンドクレジットで流れる「仲直りのキッカケを作ろうとするアカネ」には涙を流したし、好きなところもあるんですよ。原恵一監督作で主人公が小学生の娘となれば、確実にストライクだったハズなのになぁ… (´・ω・`) ウーン 何はともあれ、所詮は偏差値の低いブログの書くことなのでね(苦笑)、気になる人はチェックしてみてくださいな。
柏葉幸子先生による原作の児童文学。小説だと面白いのかな…。
miletさんのEP。本作のメインテーマ「THE SHOW」と挿入歌「Wonderland」を収録。
デジタル盤のサントラ。CD盤もあります。
公式設定資料集。お好きな人はどうぞ。
キャラクターデザインやら諸々を担当されたイリヤ・クブシノブの画集。か…かわいい… (`Δ´;) ヌゥ
原恵一監督作で一番好きなのはこれでございます。僕の感想はこんな感じ。