女王陛下のお気に入り(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

女王陛下のお気に入り(ネタバレ)

女王陛下のお気に入り※ムービーウォッチメンのリンクなどを追加しました(6/13)



原題:The Favourite
2018/アイルランド、イギリス、アメリカ 上映時間120分
監督・製作・編集:ヨルゴス・ランティモス
製作:セシ・デンプシー、エド・ギニー、リー・マジデイ
脚本:デボラ・デイビス、トニー・マクナマラ
撮影:ロビー・ライアン
美術:フィオナ・クロンビー
衣装:サンディ・パウエル
編集:ヨルゴス・モブロプサリディス
出演:オリビア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルト、ジョー・アルウィン、ジェームズ・スミス、マーク・ゲイティス、ジェニー・レインスフォード
パンフレット:★★★★☆(820円/FOXサーチライトのパンフは安定のハイクオリティ)
(あらすじ)
18世紀初頭、フランスとの戦争下にあるイングランド。女王アン(オリビア・コールマン)の幼なじみレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)は、病身で気まぐれな女王を動かし絶大な権力を握っていた。そんな中、没落した貴族の娘でサラの従妹にあたるアビゲイル(エマ・ストーン)が宮廷に現れ、サラの働きかけもあり、アン女王の侍女として仕えることになる。サラはアビゲイルを支配下に置くが、一方でアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を狙っていた。戦争をめぐる政治的駆け引きが繰り広げられる中、女王のお気に入りになることでチャンスをつかもうとするアビゲイルだったが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※本作については、尊敬する映画評論家の町山智浩さんによる「映画ムダ話(216円)」の解説が超わかりやすいので、聴いてみて!

ヨルゴス・ランティモス監督作については、「籠の中の乙女」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」は劇場で観ていて、「ロブスター」は未見でしてね。2本ともそれなりに楽しめたものの、「この監督の映画は絶対に観る!」なんて思い入れはないし、最新作である本作も別に興味が湧かなくて。いくらアカデミー賞を獲ったとしても、あまり観に行く気はなかったんですけど、愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったので観ることにした…という、当ブログでは超ありがちな着地。そんなワケで、「アトロク」出演を控えてスゲー忙しかった今週月曜日、TOHOシネマズ新宿にて、「七つの会議」とハシゴ鑑賞いたしました(その後、吉祥寺へ移動して「チワワちゃん」を観た)。「えッ…えげつねェ〜 (°д°;)」と思ったり。


8番スクリーン、ほぼ満席だったような。


鑑賞中の僕の気持ちを代弁する範馬刃牙を貼っておきますね(「グラップラー刃牙」より)。



闇の中、見つめてる…手を伸ばし…つかみ取れ、君求める物ーー。お話を乱暴かつ適当に書いておくと、舞台は18世紀初頭のイングランド。「レディ・サラ権力を握っている女)」が「アン女王権力を握っていたハズの女)」との“幼なじみの仲”を存分に利用して政治を好き勝手に動かしていたところに、サラの従姉妹の没落貴族「アビゲイル権力を握ろうとする女)」がやってきましてね。女中の身ながら「痛風で苦しむ女王の脚に勝手に薬草を塗る」「『薬草を摘む時に風邪を引きました』アピール」「『ウサギ、可愛いですね』アプローチ」「女王への褒めまくり攻撃」といった技を繰り出すことで、出世街道をまっしぐら。さらに女王とサラの肉体関係を知ると、自ら枕営業を実施することで、「女王陛下のお気に入り」の座を見事ゲットするのです 川°∀°)b ヤッタネ!


こんな感じで従姉妹のアビゲイルが頼ってきましてね。


サラは意地悪に接しながらも下女として雇ってあげるんですが…。


アビゲイルったら、口八丁手八丁でアン女王のお気に入りとなるのでした… (`Δ´;し オノレ...



新しい誇りには…新しい…痛みさえ伴うだろうーー。となると、当然ながらサラは敵意全開で宮廷から追い出そうとするワケですが、アビゲイルは「自ら顔を本で叩いて女王の同情を買う」という手段に出て、女王直属の女官にクラスチェンジ。アン女王的には呑気に「私を2人で取り合って♪ (´∀`=し ウッフン」とウフフ気分を満喫していたんですけど、アビゲイルがサラの紅茶に毒を盛る→落馬して死にかけた挙げ句、売春宿で働かされそうになったりと、抗争はエスカレートする一方ですよ。そして、とうとうキレたサラったら、「2人の情事が書かれたラブレターをゴシップ誌に流しちゃうカモ!川;`Д´)」と脅迫しちゃうから、温厚な女王もブチキレで追放しちゃうんですが、しかし。サラがいなくなった後のアビゲイルは驚くほど調子に乗りまくって、「女王が子ども代わりに育てているウサギを足蹴にする」など、その本性をあらわしたので、女王は超ゲンナリ (ノω・、し アタシッテホントバカ 自分の足を強制的にマッサージさせることで格の違いを思い知らせるものの、厭なムードでウサギたちの姿がオーバーラップするのでしたーー。


アビゲイルは頑張って成り上がるも、結局は堕ちて行くというね。



「主人公が3人の作品は、ついつい『仮面ライダーアギト』を絡めたくなる」という己の衝動については後で反省するとして。本作については、尊敬する映画評論家の町山智浩さんによる「映画ムダ話の解説(216円)」を聴いていただければ十分なんですけど(苦笑)、一応、自分なりの感想を書いておくと、とても厭な映画でしたねぇ…(しみじみ)。最初はどん底から這い上がろうとするアビゲイルに若干の共感を抱いてたものの、彼女の“成り上がりテク”のえげつなさにはドン引きしたし、とは言え、権力を手にして強権を振るうサラは男前でカッコイイけど非道い女にも見えるし、尊大ながらも卑屈なアン女王は可哀想に思いつつも自業自得感もあるし、「観客は誰も応援できない」という絶妙なバランスでしてね。そもそも僕はあまり「大奥」モノが得意ではないので、ところどころコメディとして笑えるところがあったりしつつも、基本的には「厭な映画だな… (`Δ´;) ヌゥ」と思いながら観てましたよ。


「子どもの遊び相手の“怪物”?」なんて言われたアビゲイルはおどけてましたが…。


最終的に観客はすっかり徳川光成気分になるのです(「グラップラー刃牙」より)。



なんて言うんですかね、本作を観て考えさせられたことは2つあって。1つ目は「成り上がるためにはどこまでできるか?」ということ。アビゲイルはサラもしなかったクンニをすることでアン女王のセフレに昇格したワケですが、自分を彼女の立場に置き換えて考えると、仕事のためにチンコをくわえるということじゃないですか。そりゃあ松江哲明監督も躊躇するというかさ(余計な文章&リンク)、「すげぇな… (`Δ´;) ヌゥ」と冷や汗が流れるばかりだし、だから僕は仕事が上手くいかないのカナ…なんて思ったり思わなかったり (・ε・) ドッチダヨ 2つ目は「本当の友だち」について。やっぱり耳当たりの良い言葉を並べる人よりも、しっかり苦言を呈してくれる人の方が「本当の友だち」なんだろうな、などと思いながらも、物事には「言い方&伝え方」があるし、そもそも辛いことだらけの毎日を必死に生きてるんだからさ、やっぱり褒められたい…いつだって褒められたいんですYO!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン! だからね、僕もアン女王ライクに苦言を呈す人からはキッチリと距離をとって、甘い言葉を囁く人だけと付き合おう…って、本作から何も学んでませんな (ノ∀`) ダメネ


ここまで読んだ方の気持ちを代弁する加藤清澄を貼っておきますね(「グラップラー刃牙」より)。



以上、適当に思いついた文章をダラッと書いてみました。あまりにえげつなくて、引くところも多かったけど、基本的には楽しく観られましたよ (・∀・) ヨカッタ! 主演女優3人&ニコラス・ホルトの演技合戦を観ているだけでも愉快だし、いろいろな人が例えに挙げていると思いますが、「大奥」モノとか好きな人だったら、観ても損はしないと思います。おしまい。

宇多丸師匠による実にわかりやすい時評がアップされているので、ぜひ読んで! 音の演出とか気付かなかったです (ノ∀`) テヘ




デジタル盤のサントラを貼っておきますね。



それとなく観ていたヨルゴス・ランティモス監督作、その1。僕の感想はこんな感じ



それとなく観ていたヨルゴス・ランティモス監督作、その2。僕の感想はこんな感じ



未見のヨルゴス・ランティモス監督作。今月中には観ようと思っております。



パンフに載っていた英国王室御用達グッズを紹介する本も貼っておきますね。