ミスター・ガラス(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ミスター・ガラス(ネタバレ)

ミスター・ガラス※ムービーウォッチメンのリンク等を追記しました(2/13)



原題:Glass
2019/アメリカ 上映時間129分
監督・製作・脚本:M・ナイト・シャマラン
製作:ジェイソン・ブラム、マーク・ビエンストック、アシュウィン・ラジャン
製作総指揮:スティーブン・シュナイダー、ゲイリー・バーバー、ロジャー・バーンバウム、ケビン・フレイクス
撮影:マイケル・ジオラキス
美術:クリス・トゥルヒージョ
衣装:パコ・デルガド
編集:ルーク・シアオキ、ブル・マーレイ
音楽:ウェスト・ディラン・ソードソン
音楽監修:スーザン・ジェイコブス
出演:ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン、ジェームズ・マカボイ、アニヤ・テイラー=ジョイ、スペンサー・トリート・クラーク、シャーレイン・ウッダード、サラ・ポールソン
パンフレット:なし
(あらすじ)
フィラデルフィアのとある施設に、それぞれ特殊な能力を持つ3人の男が集められる。不死身の肉体と悪を感知する力を持つデヴィッド、24人もの人格を持つ多重人格者ケヴィン、驚くべきIQの高さと生涯で94回も骨折した壊れやすい肉体を持つミスター・ガラス。彼らの共通点は、自分が人間を超える存在だと信じていること。精神科医ステイプルは、すべて彼らの妄想であることを証明するべく、禁断の研究に手を染めるが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※今回の記事は、「アンブレイカブル」「スプリット」のネタバレに触れているので、知りたくない人は読まない方が良いです。
※man10さんからのご指摘で、間違えていた人名を修正しました。


僕は宇多丸師匠のようにいわゆる「シャマラー」「シャマラニアン」「シャマラニスト」「おシャマさん」などと呼ばれるほどのファンではありませんが、「アンブレイカブル」は大好きだったし、その16年後に公開された「スプリット」と世界観が同じだったのはビックリしたし、さらにエンドクレジット後に本作の公開が告知されたら、そりゃあ観る気マンマンになるのが人情ということで。公開週の1月下旬某日、TOHOシネマズ新宿にて、「ホイットニー オールウェイズ・ラヴ・ユー」とハシゴ鑑賞いたしました。「ス…スゲェ!! (°д°;)」と感心しましたよ。


6番スクリーン、2/3ぐらい埋まってたような。


僕の気持ちを代弁する丹波文七を貼っておきますね(「餓狼伝」より)。



乱暴にお話を書いておくと、「アンブレイカブル」以降、ダン(ブルース・ウィリス)は息子ジョセフ(スペンサー・トリート・クラーク)の助けを借りて、“監視者”として特殊能力を活かした自警団活動をするエブリデイ。で、「スプリット」で逃亡した多重人格の犯罪者ケビン a.k.a.“群れ”(ジェームズ・マカヴォイ)が新たに少女たちを拉致したっぽいので、オレ流捜査を実施してみれば、予想通りに遭遇したので超人バトルを始めるんですけれども。網を張っていた警察に2人とも逮捕されてしまい、精神病院に入れられてしまうのです ('A`)('A`) イヤーン


息子の力を借りつつ、自警行為を繰り返していたダンは、とうとう“群れ”を発見。


ビースト化した“群れ”と戦うも、2人とも警察に捕まっちゃうのでした。



そこにはスーパーヒーローの存在を確かめるために“事故を装った大量殺人事件”を何度も起こした異常者イライジャ a.k.a.“ミスター・ガラス”(サミュエル・L・ジャクソン)もいましてね。精神科医のエリー・ステイプル(サラ・ポールソン)から「世の中にはスーパーパワーなんてないんだよ J( 'ー`)し」「ニュース番組見てても得意げに2ちゃんねるの受け売りを披露してるけど、カーチャンとトーチャンだから笑って聞いてあげてたんだよ J( 'ー`)し」などと諭されているうちに(1つウソ)、ダンもケビンも「自分にスーパーパワーなんてないのカモ… (´・ω・`)」と思い始めていたんですが、しかし。骨はポキポキ折れるけど超知力を持つ男ミスター・ガラスが温めていたホカホカ計画を始動。ケビンと結託して、新しくできたタワーで大暴れしようとするので、ダンも怪力を発揮して病院を脱出すると、監視者vs群れのタイマンがスタートだッ!(`Д´)人(`Д´) マケナイゼ!


ミスター・ガラスを加えた3人で、カウンセリングを受けたりするんですが…。


ミスター・ガラスの企みによって、ダンvsケヴィンが勃発するというね。



そんな中、「実はミスター・ガラスが起こした鉄道事故のせいでケビンの父親が死んでた」ことなどが発覚して激怒したケビンにミスター・ガラスが致命傷を与えられたり、ケビンが警官に射殺されたりしましてね。これでめでたしめでたし…かと思いきや! 実はステイプル医師は「スーパーパワーを持つ人たちを処理して世界の均衡を保つ委員会」(勝手なネーミング)のメンバーであり、水に弱いダンを溺死させまして。スーパーパワーを持つ人たちが全員死亡→その存在が「なかったこと」になって、映画は終わり…かと思いきや! ああん、ミスター・ガラスったら「そんなのお見通し!m9・∀・) ビシッ」だったので(苦笑)、「タワーで大暴れ計画」は当然ブラフ。目的は「監視者vs群れのタイマン」をインターネットで配信してカリスマYouTubeになる「スーパーパワーを持つ超人類の存在」を世間に知らしめることだったのです。映像が世界に流れてステイプル医師が悔しがる中、ダンの息子ジョセフとケビンに拉致された女性ケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイ)、イライジャの母親(シャーレイン・ウッダード)の3人は、不思議とホッコリ顔なのでしたーー 川´∀`)´∀`)´∀`) ホッコリ


ミスター・ガラスの計画がブラフだったことを知って、“神心会のデンジャラスライオン”加藤清澄が驚きましてね(「グラップラー刃牙」より)。


最後はこの3人が痛みを分かち合うムードでしたよ。



なんて言うんですかね、どうかしてる映画だとは思うんです。そりゃあ、「自分を信じることが大事」的なことを描いた「超人映画」として面白かったけどさ(「スーパーヒーロー映画」とは言えない気がする)、そもそもミスター・ガラスはクソみたいな大量殺人者なワケで、「ミスター・ガラスほか3人の犠牲によって超人たちの存在が知らしめられた」的な感動ムードで終わるのはどうなのか。正直なところ、映画のラストで手を繋ぐジョセフたちに関しては「お前らなにホッコリしてんの (゚Д゚) ハァ?」って思っちゃいましたよ。大体、「映像で世界に発信する」というオチも「えっ、それだけ?」って思っちゃったし…(あれを観ても、普通に「VFXだろ?」って思いそう。「デス・ウィッシュ」の方がネットの扱いが上手かったと思う)。それと、監視カメラの映像などを意識した部分もあるから仕方ないのかもしれませんが、アクション演出はもう少し凝ったものを観たかったなぁ (・ε・) ウーン


ミスター・ガラス、命をかけた「自己の存在証明」と考えればグッとくるけど、コイツのやったことってさぁ… (`Δ´;) ヌゥ



ただ、僕的にはこんな話を3部作でやり切ったシャマラン監督への「スゲェ!! (°д°;)」という気持ちの方が大きかったというか、その「己の意思を通す力」に感動した。「前作2作の稼ぎ&所有地を抵当に入れて製作費に充てた」という情熱だけでなく、「それで作ったのがこの映画!? (°д°;)」という、彼の“リスクを怖れずに己を信じる強さ”を尊敬しちゃった…って伝わりますかね。ある意味、シャマラン監督自身を描いた作品だったんだなぁと(「才能を持っている僕vs無理解な周囲」的な?)。その他、褒めるところを書くと、ジェームズ・マカヴォイの多重人格演技は素晴らしかったし、ダンの息子やイライジャの母親をちゃんと「アンブレイカブル」の時の役者さんたちに演じさせているのは偉いと思ったり。


サラ・ポールソン演じる秘密組織のメンバーは「シャマラン監督に無理解な人たち」ってことなんでしょうかね。



そんなワケで、手放しで褒められないけど、好感が持てる映画でしたヨ (´∀`=) ヨカッタワ- 本作でシャマラン監督を本当に見直したし、僕も彼みたいに頑張れればなぁ…なんて思ったりしてね。何はともあれ、次回作がスゲー楽しみでございます。

※町山智浩さんの実にわかりやすい「ミスターガラス」評(216円)がアップされているので、聴いてみて! 僕的にラストの解釈は実に頷ける感じ。
※宇多丸師匠によるシャマラニストならではのしっかりした時評がアップされたので、読んでみて! 「レディ・イン・ザ・ウォーター」、観ておくべきかなぁ… (`Δ´;) ウーン





デジタル盤のサントラがありましたよ。



記念すべき1作目。前は一番好きなシャマラン監督作でした。



まさかのシリーズ第2弾。僕の感想はこんな感じ



一番好きなシャマラン映画。僕の感想はこんな感じ