アメリカン・アサシン(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

アメリカン・アサシン(ネタバレ)

アメリカン・アサシン



原題:American Assassin
2017/アメリカ 上映時間112分
監督:マイケル・クエスタ
製作:ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ
製作総指揮:ダニエル・M・スティルマン
原作:ビンス・フリン
脚本:スティーブン・シフ、マイケル・フィンチ、エドワード・ズウィック、マーシャル・ハースコビッツ
撮影:エンリケ・シャディアック
美術:アンドリュー・ロウズ
衣装:アンナ・B・シェパード
編集:コンラッド・バフ
音楽:スティーブン・プライス
出演:ディラン・オブライエン、マイケル・キートン、テイラー・キッチュ、サナ・レイサン、デビッド・スーシェ、シーバ・ネガー、ナビド・ネガーバン、スコット・アドキンス
パンフレット:★★☆(720円/2本のコラムはタメになるけど、ちょっと薄いかなぁ)
(あらすじ)
無差別テロ事件で恋人を殺された青年ミッチ・ラップは、テロリストへの復讐に人生をささげることを胸に誓う。潜在能力を高く評価されCIAの対テロ極秘スパイチームにスカウトされたミッチは、元ネイビーシールズの鬼教官ハーリーのもとで過酷な訓練を積み、テロの最前線で活躍するまでに成長。核兵器テロを阻止するためヨーロッパへ向かったミッチは、正体不明のテロリスト「ゴースト」に翻弄され、自身の真価を試される最大の試練に直面する。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




90点


ほら、「近い時期に公開される“似たオーラの映画”」って、あるじゃないですかぁ〜(突然、馴れ馴れしく)。例えば、「脳内ポイズンベリー」「インサイドヘッド」脳内繋がり)とか、「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」「万引き家族」貧困家庭繋がり)とか、「ザ・シークレットマン」「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」ニクソン大統領繋がり)とか、「マンハント」「コンフィデンシャル 共助」バディモノ繋がり)とか、「フューチャーワールド」「死の谷間」ディストピア繋がり)とかとかとか。で、僕はそういう作品を合わせて観たくなる習性があるということで、「リミット・オブ・アサシン」と“アサシン繋がり”の本作は絶対押さえておこうと思ってた…って、ここまでほぼKO-PI-PE!m9`Д´) ビシッ で、6月29日に公開されたものの、なかなか観に行けなくて、7月下旬の都内最終上映日、やっとTOHOシネマズ日比谷で鑑賞いたしました(その後、「レディバード」「猫は抱くもの」をハシゴ)。「大好物だけど… (`Δ´;) ウーム」と思ったり。


1/3ぐらいは埋まってた記憶。劇場番号が「リミット・オブ・アサシン」と同じ「10」だったのは理由が…?(不要な深読み)。



この作品、アメリカでは大人気の小説「ミッチ・ラップ」シリーズの実写化だそうで。要は「ジャック・ライアン」「ジェイソン・ボーン」みたいな“現代のリアルな情勢を反映したスパイ小説”ってな様子。ただ、僕が本作を観て即連想したのは、ジェラルド・バトラー主演の「エンド・オブ・キングダム」だったりしてね。作中の「邪魔になる悪党は片っ端から殺しちゃえばいいじゃん (゚⊿゚) ダメナノ?」的なムードがあまりに凄まじくて、「オッス、オラ極右」っぽさも感じるほどだったというか(なんだこれ)。さすがに「今どきこれは大丈夫なのかな… (・ω・;)」と思うところもなくはなかったんですが、しかし。ちくしょう、もともとその手の乱暴な映画が好み&アクション的には大好きなシーンばかりだったから、デートに誘われた山本リンダさん気分ですよ (´∀`;し コマッチャウナー 


なんとなく、人を殺すことに一切躊躇しないジェラルド・バトラーを貼っておきますね(「エンド・オブ・キングダム」より)。
どうかしてる主人公


本作の魅力をダラッと書きますと、まず驚かされたのがオープニング。もしかすると、寝不足の僕が観た幻かもしれませんが(汗)、ディラン・オブライエン演じる主人公ミッチが恋人カトリーナにプロポーズする場面で顔が大写しになると、彼の鼻毛が見えたんですよ。映画を観ていて登場人物の顔がドアップになると、「これでよく鼻毛が見えないよなぁ」なんて思ったりしたものですが、いざ見えると結構ビックリするというか。「ある意味、本作はリアルなのかもしれんな… (`Δ´;) ヌゥ」なんて冷や汗を流していたら、テロリストたちによるビーチでの殺戮がスタート。これが結構凄惨に描かれていて(裸なので銃創が生々しい)、「目の前で婚約者にトドメが刺されるのになぜかミッチは放置」という不自然さはあるものの、観客に「ミッチが復讐を決意するのもやむなし!m9`Д´) ビシッ」と思わせるだけのパワーがあって、実にグーなのです (o^-')b グー


ビーチでのテロシーン、迫力がありましたな。



場面が変わって、事件から18ヵ月後、「ミッチが独学でアラビア語や格闘術諸々を学ぶ&駆使してテロリストと接触する」という特訓&潜入シーンがあって、テロリストを自ら倒そうとしたところにCIAが突入→ミッチがスカウトされるワケですが…。CIAの極秘ミッション遂行チーム“オライオン”に入るためにまた特訓シーンが始まるから、特訓シーンの二度漬けというか、串カツ屋だったら出入り禁止の展開ですけど、訓練シーン好きの僕的にはたまりませんがな(微笑)。しかも、なかなかユニークというか、VRを使った軍事訓練シミュレーター描写に笑ったのはもちろんのこと(「失敗すると電気が流れる」という出川哲朗さんあたりがバラエティ番組でやりそうな内容)、僕的には野外での格闘訓練シーンがストライク。ミッチにライバル心を燃やす訓練生ヴィクターを“次世代ヴァン・ダム”と呼ばれたアクション野郎スコット・アドキンスが演じているんですが、2人が揉み合い殴り合っている最中に、いきなりマイケル・キートン演じる鬼教官ハーリーが直近で発砲したり、他の人が殴ったりと、実戦を想定した邪魔をしてくるから、「新しい!Σ(゚д゚;)」と。まぁ、本当に実用的な訓練なのかは置いとくとして、実に良い訓練描写を観たというか、スニッカーズを1ダース食べたぐらいの“確かな満足感”がありましたねぇ…(しみじみ)


格闘&射撃&ナイフ投げと“オレ流訓練”をこなす日々を送って、やっと目当てのテロリストと接触してみたら…。


CIAがやってきてターゲットを射殺した挙げ句、ミッチをスカウトするのです。


で、また訓練が始まるというね (´∀`) アラアラ



訓練が終わると、「謎のテロリスト“ゴースト”の核兵器テロを防ぐ話」に突入するんですが、やっぱりアクションは良くて。期待のスコット・アドキンスが何の見せ場もなく殺されたのは心底ガッカリしましたが、「ドント・ブリーズ」を連想させる犬とのバトルや、「敵ボディガードの腕を折る→開放骨折で飛び出した骨で刺し殺す」描写(わかりにくいのが残念)、スパイと疑った同僚工作員への苛烈な暴行&水責め、敵アジトへの車での特攻=3人轢き殺す残酷描写、ラストの水中核爆発シーンなどなど、素敵な場面が目白押しでしてね。特に良かったのが、テイラー・キッチュ演じるゴースト(=ミッチのシャドー的存在)との一騎討ちで、CIAでの訓練シーンで見せた「ナイフを手で摑んでから(我流)、敵のノドを刺す(ハーリーの教え)」という“伏線をキッチリ活かしつつ主人公の成長も見せた上でケリをつける”から、「お見事!ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ!」と感心。ラストは、ミッチが勝手にイランのお偉いさんを暗殺しそうなムードで終わってましたけど、この日で都内の上映が終わったのが残念で仕方なかったというか、もう一度すぐ観たかった…(「もう一度キスしたかった」風に)。


クライマックス、水中での核爆発によって惨事が起きるくだりは斬新だったような (・∀・) ヨカッタ!



監督のマイケル・クエスタについてはまったく知らなかったんですけど、日本未公開の長編劇場映画を何本か撮っていて、さらにドラマ「HOMELAND」などで名を挙げた人だそうで。僕的にはアクションを見せるK.U.F.Uの数々に好感が持てたので(アクションコーディネーターの力も大きいとは思いますが)、他の作品も観たくなるほどでした。役者さん的には、ミッチを演じたディラン・オブライエン、吹き替えナシの場面が多くて(たぶん)、その身体能力の高さには見惚れちゃいましたね〜。それと、鬼上司ハーリー役のマイケル・キートンもまた最高であり、訓練シークエンスでの厳しさは「セッション」のJ・K・シモンズのようで愉快だったし、容赦なくツメを剥がされる“超痛そうな拷問シーン”での雄々しさは100点としか言いようがなくて。マイケル・キートンがテイラー・キッチュの耳を噛み切った瞬間は、危うく(心が)射精するところでしたよ… (´Д`;) アブナカッタ...


半裸シーンが多めだったディラン・オブライエン。「メイズランナー」シリーズが観たくなったり。


本作のマイケル・キートンのマッチョ振りは完全に好みでした (´Д`;) ダイテ!


爆破を振り返らないゴースト役のテイラー・キッチュも頑張ってましたな。



そんなワケで、スゲー楽しかったんですけれども。話的に「CIAに入りたてのミッチが勝手な行動→結果を出す」という展開が繰り返されるので、彼以外の人間が無能に見える上に、ミッチも有能というよりは“運が良いチートキャラ”っぽく見えちゃった部分もあるし、そもそも「自分たちの撒いた種(ゴースト)を刈り取るために、勝手に他国に乗り込んで人を殺しまくった挙げ句、地中海で核爆発」という事態を巻き起こしたCIAの責任問題を考えると微妙な気持ちにもなるということで、「大好物だけど… (`Δ´;) ウーム」なんて感想になった次第。何はともあれ、もう一度ぐらいは大画面で観たいほど好きな作品であり、公式サイトの劇場情報を見てみれば、長野の千石劇場では8月25日(土)から上映されるということでね、長野まで行こうかなぁ…なんて思ったり、思わなかったり (・ε・) ナンダソリャ




ビンス・フリンによる原作小説。内容は結構違うっぽい。



デジタル盤のサントラ。国内盤輸入盤もあります。



なんとなく連想したマイク・バニングシリーズ第2弾。僕の感想はこんな感じ