悪女 AKUJO(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

悪女 AKUJO(ネタバレ)

悪女 AKUJO



原題:악녀 The Villainess
2017/韓国 上映時間124分
監督・製作・脚本・アクション指導:チョン・ビョンギル
製作総指揮:キム・ウテク
脚本:ユン・ビョンシク
撮影:パク・ジョンフン
アクション指導:クォン・ギドク
出演:キム・オクビン、シン・ハギュン、ソンジュン、キム・ソヒョン、キム・ヨヌ、サン・ミン・ジウ、イ・スンジュ、パク・チョルミン、ミン・イェジ、チョン・ヘギュン、キム・ヘナ
パンフレット:★★★★(720円/岡本敦史さんによるアクション解説、下村勇二さん×園村健介さんのアクション監督対談が素晴らしい!)
(あらすじ)
犯罪組織の殺し屋として育てられたスクヒ(キム・オクビン)は、いつしか育ての親ジュンサン(シン・ハギュン)に恋心を抱き、やがて2人は結婚するが、ジュンサンが敵対組織に殺害される。怒りにかられたスクヒは復讐を果たすが、国家組織に拘束されてしまい、国家の下すミッションを10年間こなせば自由の身になるという条件をのみ、国家直属の暗殺者として第2の人生を歩み始める。やがて、新たな運命の男性(ソンジュン)と出会い、幸せを誓ったスクヒだったが、結婚式当日に新たなミッションが下され……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


何月号かは失念しましたが、「映画秘宝」の紹介記事で本作のことを知ってから、あまりの期待に胸と股間がパンパン状態でしてね(若干の下ネタ)。「2018年に絶対観たい新作映画10本」に選びつつ、前売り券を買って、とても楽しみにしていたのです。で、なかなか忙しかった2月中旬、角川シネマ新宿で1回目を観て、3月下旬に同劇場で2回目を鑑賞いたしました。「アクションはスゴいんだけどさぁ… (`Δ´;) ウーン」って思いましたよ。


角川シネマ新宿は本作にかなり力を入れてまして。


1F階段がこんな感じになっていたり…。


その上にも場面写真が飾られてたりしましてね。


ロビーにも当然、パネルが展示されていたのです。


しかも、パンフと一緒に飲食物を買うとポスターがもらえるということで。


コカコーラゼロとプレッツェルドッグのセットを買っちゃった♪ (〃∇〃) エヘヘ


プレッツェルドッグのビジュアル、なんだか…ドキドキしますね… (´Д`;) ナンダソリャ


2回目は狭いスクリーンの方でしたが、観客は半分以上入ってました。


ちなみに前売り特典は「オリジナルポストカード3枚セット」だったり。



99%の確率で感想に「ねぇ、マリコは?マリコの部屋に電話はかけないの?(´Д`;) ネェネェ」なんて雑なボケを書く。そんな風に考えていた時期が僕にもありました ( ´_ゝ`) ナニコレ 何はともあれ、サスペンス部分は恐ろしく雑ながらも、凄まじいアクションで観客の度肝を抜いた「殺人の告白」を撮ったチョン・ビョンギル監督作ということで、確かにアクションはスゴいのひと言。バイオレンス全開な7分間の超絶アクション(最初は「ハードコア」のようなFPS風で、後半でショットが切り替わる)から始まって、日本刀で戦いながらのバイクチェイスや、シップマスト風に車のボンネットに乗って運転しながらのバスへの飛び乗り→車内での殺戮絵巻など、後世に残したいシーンが目白押しでしてね…(しみじみ)。主演のキム・オクビンはテコンドー&ハプキドーの黒帯で、本作のアクションのほとんどを自分でこなしたそうですが、お見事としか言いようがなくて。Blu-rayが出たら即購入して、アクションシーンだけ何度も見直したいほどなのです。ちなみに僕が一番好きなのは、バス内の戦闘で不利な状況を打開すべく、スクヒがいきなりバスを運転していた敵チュンモ(イ・スンジュ)の腕を手斧で切断するシーンで、あまりの乱暴さに爆笑いたしました (o^-')b イイネ!


キム・オクビン、アクションだけでなく、過去と現在のシーンでちゃんと違うように見えるのもスゴかったなぁ。


アクションシーンは一見の価値アリでございます。



だがしかし。凄まじいアクションで度肝を抜きながらも、サスペンス部分が恐ろしく雑だった「殺人の告白」を撮ったチョン・ビョンギル監督作ということで、ストーリーがあまりにも酷い&非道い。そりゃあ、監督が大好きな「ニキータ」にオリジナル要素を加えたかった気持ちは買いたいけどさ、まず、「中国朝鮮族の犯罪組織に暗殺者として育てられた女性が警察に捕まって、国家情報院に工作員として教育される」という“話の二度手間”感が飲み込みづらくて。しかも、国家情報院が筆舌に尽くしたいほどバカな組織で心底ウンザリさせられるというか、特に監視役だったヒョンスと幼い娘ウネが爆死するくだりの後手後手振りは、ヒロインを苦境に陥れるための無理矢理な展開にしか見えなくて、超ムカつきましたね。


国家情報院の監視員システム自体にもイラッとしたんですが…。


この爆死シーンに至る国家情報院の無能振りには口がアングリでしたよ。


あと、「ニキータ」の名場面にウェディングドレスをプラスした“心”は好きだけどさ、かなり強引だとも思ったり。



つーか、話のオチを書いておくと、死んだと思っていた育ての親&元夫のジュンサンは、スクヒの父親を殺した後ろめたさから彼女を騙してまして。「彼女に国家情報院を襲撃させるべく、部下にヒョンスとウネを爆殺させた」というくだりが監視カメラにバッチリ写っていた→そのことを上官のクォン幹部(キム・ソヒョン)に教えられたスクヒが激怒して犯罪組織のアジトを襲撃→ジュンサンを含めて皆殺しにするワケですが…。ラスト、警察に取り囲まれたスクヒが見せる笑顔は「悪女の誕生」というよりは「狂っちゃった」というムードでしてね。もうね、幼いころに目の前で父親を殺されて(ハンマーで頭を割られる)、叔父(「殺人の告白」でもクズ役だったチョン・ヘギュン!)に(たぶん)犯されて売春もさせられて、愛したジュンサンは親の仇で、娘まで殺されて、やっとジュンサンを殺してみれば心が壊れちゃう…って、こんな非道い物語があるかと。1回目に観た時はあまりの胸糞悪さに全然乗れなかった次第。


シン・ハギュン演じるジュンサン、有能なんだかバカなんだかわからなかったです。


その他、主人公をライバル視していた女工作員の無惨な末路も微妙に感じましたよ。



ただ、「ブレード 刀」「ドラゴン危機一発´97」が、ストーリー自体はワケわからないのにアクションのスゴさで傑作認定されているように、本作もアクション自体は良かったので、つい2回目を観てみたら、ちくしょう、やっぱり素晴らしかったので80点という乱暴な評価。パンフによると、チョン・ビョンギル監督はチョン・ドゥホンが設立したソウルアクションスクールの元生徒で、スタントマンを挫折して映画監督になったという筋金入りのアクション野郎なのでね、またぜひアクション映画を撮ってほしいものの、次回作はもう少しまともな話にしてほしいと切に願っております。おしまい。




デジタル盤のサントラを貼っておきますね。



チョン・ビョンギル監督作。僕の感想はこんな感じ



キム・オクビンとシン・ハギュンが共演したパク・チャヌク監督作。僕の感想はこんな感じ



チョン・ビョンギル監督が多大な影響を受けたリュック・ベッソン監督作。そりゃあ僕も好きよ。



同じ女性が活躍するバイオレンスアクションでは、こっちの方が好き。僕の感想はこんな感じ