バーフバリ 王の凱旋(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

バーフバリ 王の凱旋(ネタバレ)

バーフバリ 王の凱旋※ムービーウォッチメンのリンクなどを追記しました(8/9)

バーフバリ 王の凱旋

原題:Baahubali 2: The Conclusion
2017/インド 上映時間141分
監督・脚本:S・S・ラージャマウリ
製作:ショーブ・ヤーララガッダ、プラサード・デービネーニ
原案:V・ビジャエーンドラ・プラサード
撮影:K・K・センティル・クマール
美術:サブ・シリル
衣装:ラーマ・ラージャマウリ、プラシャーンティ・トリピルネーニ
編集:コータギリ・ベンカテーシュワラ・ラーウ、タミンラージュ、バンサン・タベロン
音楽:M・M・キーラバーニ
出演:プラバース、アヌシュカ・シェッティ、ラーナー・ダッグバーティ、ラムヤ・クリシュナ、ナーサル、サティヤラージ、タマンナー
パンフレット:★★★☆(700円/ページ数は少なめながらも、コラム3本にトリビアと頑張ってる)
(あらすじ)
ある日、シヴドゥは自分が今や人々の語り草となっている伝説のヒーロー、バーフバリの息子だと知る。彼は父親の家臣カッタッパから父はある人物の裏切り行為により命を落とし、王座を追われたという話を聞く。かつて父バーフバリはカーラケーヤとの戦いに勝利し、国母シヴァガミから王位継承者として認められ……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




93点


前編である「バーフバリ 伝説誕生」については、昨年4月の公開時はスルーしちゃったんですけれども。公開後のネットの評判が非常に高かったので(ちなみに小覇王さんの昨年のベスト!)、昨年末にDVDで鑑賞。年明けに後編となる本作を観に行こうと思っていたら、ちょうど愛聴しているラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったので、新宿ピカデリーで鑑賞してきました。「強いッッ (°д°;)」と度肝を抜かれましたよ。


4番スクリーン、満席でした。
4番スクリーン

僕の気持ちを代弁する愚地夏恵を貼っておきますね(「グラップラー刃牙」より)。
強いッッ


UFC 第1回大会において優勝したホイス・グレイシーが「兄ヒクソンは私の10倍強い」と発言したことは有名ですが、映画の2部作は前編の方が面白いことが多い昨今、本作は前作の10倍強かった印象。お話はいわゆる貴種流離譚であり(パンフの前川輝光先生のコラムによると、インドでは超有名な叙事詩「マハーバーラタ」をベースにしたオリジナルなんだとか)、同じく昨年公開されて実に無双感があった「キング・アーサー」を連想したりもしましたが、本作の方がもっともっと無双だったので本当に驚きました(バカっぽい文章)。


一応、前作「バーフバリ 伝説誕生」の予告編を貼っておきますね↓




アクション演出やビジュアルは「300 スリー ハンドレッド」を過剰にインド風アレンジしたみたいだと思ったんですが、僕のような凡人からすれば「え、今の何?Σ(゚д゚;)」と二度見してしまうような「どう考えてもおかしな行動」でも堂々としたスケールで描くから、度肝を抜かれてばかりだったというか。例えば、映画後半、「門を閉ざした城にどうやって乗り込むか」というシーンで、従者のカッタッパが「頭を使うのです」なんてわざわざ言うから、王族だけが知っている秘密の地下水路などから忍び込んだりするのかと思いきや。城の周辺にあるヤシの木をしならせる→投石器のようにして兵士たちと城壁へ飛んで行く場面はね、さすがに「着地で死ぬだろ!(°д°;)」驚いたものの、当たり前のように他の兵士たちも次々と飛んで行くから、「無理が通れば道理引っ込む」というように、おかしいと思う自分が悪いような気になってきたという不思議。たぶん本作が好きな人にあのシーンのおかしさを訴えたところで、「えっ、だってバーフバリだよ? (゚Д゚) ナニイッテンノ?」とか「あのシーンが変だとかウザいよね… 川´д)ヒソヒソ(´д`し クサクナイ?」なんて言われるだけな気がする…って、どうでも良いですな。


この場面には口がアングリというか。なんかもう「トランスフォーマー」っぽくもある。
ヤシの木作戦

観た時の僕の気持ちを代弁する寂海王を貼っておきますね(「バキ」より)。
えらいことになりましたな


で、インド映画は、劇中で突然、歌ったり踊ったりするシーンが挿入されることで知られていますが、本作ではかなりプラスに働いていて。現代を舞台にした作品でいきなりダンスが始まると、「おやおや、インド映画らしいですな ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ」といったヤレヤレ気分になったりすることもなくはなかったんですが、インド映画史上最大の製作費(43億ルピー=約73.5億円)を費やして、CGやら美術やらを駆使して見せる“歴史スペクタクルワールド”で繰り広げられると、むしろ幻想的な雰囲気を高める効果があったというか。僕的には過去シーンの「アマレンドラ・バーフバリが妻となるデーヴァセーナと一緒に船で母国に向かう時の歌とダンス演出」で頭がクラクラいたしました。


もうね、船が飛んだりとか、何が何やらですな… (`Δ´;) ヌゥ




さらに役者さんたちも凄まじくて。主人公バーフバリ(父親と息子の2役)を演じたプラバース(身長189センチ体重85キロ)は役作りのために30キロ、敵役のバラーラデーヴァ役のラーナー・ダッグバーティ(身長192センチ体重95キロ)は25キロも筋肉を増量したそうで。確かに両者の存在感&画面支配力は圧倒的であり、原哲夫先生の漫画の登場人物が三次元に侵略してきたかのよう。しかも、そんないかついマッチョ2人が物理法則を無視したパワフルすぎる人外バトルを繰り広げるんだから、「大好物」のひと言なのです (´∀`) オイシー あと、国母シヴァガミ役のラムヤ・クリシュナの目力はスゴかったし、デーヴァセーナ役のアヌシュカ・シェッティの毅然としたオーラも素晴らしかったですよ。一応、話のオチだけ書いておくと、シヴドゥことマヘンドラ・バーフバリは激しいタイマンの末にバラーラデーヴァを薪の上にひざまずかせる→母親のデーヴァセーナが生きながら焼き殺して(預言が成就!)、無事王座に帰還。砕かれたバラーラデーヴァの黄金像の頭部が、シヴァ神のご神体の元に流れ着いて、映画は終わってたんじゃないかしらん。


父の哀しい過去と己の運命を知り、戦いを挑むマヘンドラ・バーフバリ。
マヘンドラ・バーフバリ

迎え撃つのは、“ジャギの心を持ったラオウ”バラーラデーヴァだッ!
バラーラデーヴァ

この2人の濃い目のマッチョがこんな感じで戦ったり…。
なにこの一騎討ち

こんな肉弾戦を見せてくれたりするのだから、もうお腹いっぱいでございます (´∀`) ゴチソウサマ
肉弾戦!


その他、「身分を偽る展開が昔話っぽくて良いし、炎で服だけ焼けるシーンはケンシロウかと思った」とか「クマラが臆病者から勇者に変わるくだりで涙… (ノω・、)グスン」とか「弓を3本同時に射る方法を教える場面が100点」とか「デーヴァセーナがクズの指を斬る展開がざまぁすぎて好き」とか「ラスト、散々暗躍してきたビッジャラデーヴァが罰せられないのはなぜ?」とか「なんとなく『ハイロー』シリーズを思い出した」とか思うところはあるんですが、割愛! 強いて文句を書くと、位置関係がおかしいシーンが多々あるとか「ビッジャラデーヴァは死んでほしかった…」といったことは置いとくとしても。父親アマレンドラ・バーフバリはまだ訓練シーンがあったから納得できたけど、息子のマヘンドラは武術の訓練をしていないのに強いのがちょっと…とは思いましたが、たぶん本作が好きな人に訴えたところで、「えっ、だってバーフバリだよ? (゚Д゚) ナニイッテンノ?」とか「マヘンドラが生まれつき強くて変だとかウザいよね… 川´д)ヒソヒソ(´д`し クサイヨネ」なんて言われるだけな気がする…って、どうでも良いですな。


刺客を迎え撃ちながら3本の矢を同時に放つ技を教えるシーン、カッコイイ上にロマンチックなのです。
3本の矢の放ち方

デーヴァセーナの従兄クマラの成長エピソードが感動的だっただけに、騙されて死ぬシーンは哀れでしたな… (ノДT) ウェェェェ
デーヴァセーナの従兄クマラ

ビッジャラデーヴァが無惨な死を迎えなかったのは残念でしたが、このパンチシーンはスゲー好き。
柱を砕くビッジャラデーヴァ


何はともあれ、そんなワケで、今までに観たことがある“CG多めの歴史スペクタクル系ムービー”の中でもいろいろな意味で一番強い映画であり、スゲー圧倒されましたよ… (`Δ´;) ヌゥ S・S・ラージャマウリ監督、さすがはあの「マッキー」を撮った男だと、あらためて見直しました。まぁ、本作が前作よりも面白かったのは、「劇場の大画面で観た」という要素もスゲー大きいと思うので(というか、マジでスクリーンでの鑑賞がオススメ!)、アクション映画&インド映画が好きな方はぜひ足を運んでみてくださいな。

※宇多丸師匠による熱い(熱い)時評映画の見どころ解説ラージャマウリ監督との対談などがアップされているので、チェックしてみて!m9`Д´) ビシッ
完全版の感想も書いてみました。





前作。僕の感想はここの6本目



1作目のデジタル盤のサントラ。



そしてこちらが2作目のデジタル盤のサントラでございます。



S・S・ラージャマウリ監督によるハエ版「ゴースト ニューヨークの幻」。僕の感想はこんな感じ