エクスペンダブルズ3 ワールドミッション(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

エクスペンダブルズ3 ワールドミッション(ネタバレ)

エクスペンダブルズ3 ワールドミッション
※ムービーウォッチメンのリンクなどを追加しました(11/10)
※本感想の問題点について、追記しました(2021/12/12)

エクスペンダブルズ3 ワールドミッション

原題:THE EXPENDABLES 3
2014/アメリカ 上映時間126分
監督:パトリック・ヒューズ
編集:ショーン・アルバートソン、ポール・ハーブ
製作総指揮:トレヴァー・ショート、ボアズ・デヴィッドソン、ベイジル・イヴァニク、ガイモン・キャサディ、ジョン・フェルトハイマー、ジェイソン・コンスタンティン、イーダ・コーワン
製作:アヴィ・ラーナー、ケヴィン・キング・テンプルトン、ダニー・ラーナー、レス・ウェルドン、ジョン・トンプソン
脚本:シルベスター・スタローン、クレイトン・ローゼンバーガー、カトリン・ベネディクト
撮影:ピーター・メンジース・Jr.
美術:ダニエル・T・ドランス
音楽:ブライアン・タイラー
出演:シルベスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、アントニオ・バンデラス、ジェット・リー、ウェズリー・スナイプス、ドルフ・ラングレン、ケルシー・グラマー、ランディ・クートゥア、テリー・クルーズ、メル・ギブソン、ハリソン・フォード、アーノルド・シュワルツェネッガー、ケラン・ラッツ、ロンダ・ラウジー、グレン・パウエル、ヴィクター・オルティス、ロバート・ダヴィ、トーマス・カネ ストラーロ、スラヴィ・スラヴォフ(Slavi Slavov)、ヴェリザール・ビネフ
パンフレット:★★★★★(820円/今年のベストパンフ決定!m9`Д´) ビシッ
(あらすじ)
最強の傭兵軍団“エクスペンダブルズ“を率いるバーニー(シルベスター・スタローン)は、かつて共にエクスペンダブルズを結成した仲間で今は悪に染まった組織の大物ストーンバンクス(メル・ギブソン)の捕獲作戦を命じられる。バーニーは若いメンバーと新たなチームを組み、世界を股にかけた攻防戦に挑む。(以上、ぴあ映画生活より)

予告編はこんな感じ↓




95点


※今回の記事は、いろいろと面倒くさい文章が書かれていて、不快になる可能性があるので、そういう文章が苦手な人は読まない方が良いです。
※今回の記事は、無駄にダラダラと長くて読みにくいので、そういう文章が苦手な人は読まない方が良いです


なんだかんだと6回観てきました。「良い映画だったなぁ… ( ;∀;) イイエイガダナー」と思いましたよ。


予告でしか使われなかったエミネムの「Berzerk」を貼っておきますね↓




まず、簡単にあらすじを書くと、バーニーたちが刑務所に移送されているエクスペンダブルズの旧メンバーであるドクター・デス(ウェズリー・スナイプス)を助けつつ、刑務所を爆破。で、みんなで一緒に武器商人を暗殺しに行ったら、これまた死んだはずの旧メンバー・ストーンバンクス(メル・ギブソン)がいたから超ビックリ。バーニーったら、つい名前を呼んじゃったもんだから、アッサリ反撃にあって、シーザー(テリー・クルーズ)が重症を負ってしまうんですね。


ドクを助けて、刑務所を爆破したまでは調子良かったんですが…。
刑務所を爆破!

暗殺予定の武器商人が“自分が殺したはずの男”だったため、思わず名前を叫んでしまって、作戦が台無しになるのでした ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ
ビックリしたバーニー


「仲間がこれ以上傷つくのは耐えられないカモ… (´・ω・`)」とダウナー状態になったバーニーは、クリスマス(ジェイソン・ステイサム)たちの反発を食らいながらも解雇。古い仲間のボナパルト(ケルシー・グラマー)に連絡して、若者中心にメンバーを集めていきまして。4人ほど揃ったので、旧メンバーの嫌がらせを振り切って、ストーンバンクス捕獲作戦をスタート。無事成功したかと思いきや、GPSトラッカーだ!Σ(゚д゚;)」ということでストーンバンクス一味の襲撃に遭うというお約束展開なのです。


スカウトされた若者たち。なかなかの能力の持ち主揃いなんですが…。
若者4人組

追跡装置には気付かなくて、囚われの身になってしまうのでした~。
案の定、捕まった4人


バーニーだけ何とか逃れたものの、4人の若者が人質になってしまったので奪還すべく、敵地に単身乗り込もうとしたところ! はぐれ傭兵のガルゴ(アントニオ・バンデラス)が仲間になってくれた上に、旧メンバーもやってきてくれまして… (ノДT) で、乗り込んでみたら、もちろん罠だったんだけれども、「みんなの力が1つになれば勝てる!ヽ(`Д´)ノ」とバーニーが説教することで闘志がバーニング! 乱戦に突入すると、各々が見せ場を披露→“赤いベレー帽”or“目出し帽”を被った人たちが安い命を散らしていく中、CIAの指揮官ドラマー(ハリソン・フォード)がヘリにトレンチ(アーノルド・シュワルツェネッガー)&ヤン(ジェット・リー)を乗せて援護に来てくれたりしてね。


スカウトシーンに出てきたものの、相手にされなかった男・ガルゴ。独りぼっちのバーニーに助力を申し出るのです。
ガルゴ(アントニオ・バンデラス)

この旧メンバーたちが助けに来てくれる場面は、ベタだけど超グッときました。
やってきてくれたメンバー


最後は、バーニーとストーンバンクスのタイマンが始まって、バーニーが殴り合いの末に生け捕り命令を無視して射殺! ビルが倒壊する中、バーニーが必死にダッシュして、ギリギリのタイミングでヘリから垂れたロープに掴まって助かると、シリーズ最長の打ち上げがスタート(シーザーも無事退院)。トレンチとヤンがデキてたという衝撃のカミングアウトがされたりする中、カラオケを歌う若者4人組を眺めながら、バーニーとクリスマスがイチャイチャして、映画は終わってましたよ。


ハーグで裁くんだろ?」と言うストーンバンクスを「オレが裁く!」と「ジャッジ・ドレッド」ライクに射殺してました。
ハーグで裁くんだろ?

ラストはいつもの“イチャつく2人”。ちなみにエンドクレジットは8分30秒くらいあるので気を付けて!
最後はいつもの2人


打ち上げで流れたTaddy Porterの「Fire In the Streets」を貼っておきますね↓




最初に観た時は「なんだよ、92点の映画かよ!( ゚д゚)、ペッ」と若干の不満を覚えたんですけど、観れば観るほど点数が上がっていって、5回目に見終わった時は「やっぱり99点だな (´∀`) ナァンダ」なんて思ったりしたものの、昨日観たら95点に落ち着いた…って、わかっていただけるでしょうか。いや、今も心の中が整理しきれないところはあるのです。まぁ、とりあえずは良かったところを個条書きで書いておきますよ↓



<① アントニオ・バンデラスが超キュート!>

もうこの映画のMVPはガルゴ役のバンデラスですよね。映画後半、バーニーに「片道切符だぞ?」と言われたガルゴが「道があるだけマシです。今のオレにはそれすらない」なんて真面目な話をする辺りはかなりグッときたんですが…。そこからマシンガントークを始めてからの客席の温まり振りと言ったら、マジでみんなが笑ってる&お日様も笑ってるレベル。「何が必要だと思います? 忍耐ですよ」と言った時にバーニーの顔がアップになるところとかスゲー愉快なのです。

しかも、その後、彼の話に出て来た「最高の先導兵ミンゴ」「最高の狙撃手タイガー」「最強のメンバー・トレス」たちが死んでいたことがわかると、超シンミリしましてね… (ノω・、) カワイソウ トール・ロード(ランディ・クートゥア)が「長い旅になるぞ」とつぶやいた時に「その通り!m9・∀・) ビシッ」と返した場面は非常に笑えたワケですが、よくよく考えればその時に「オレも眠れないから」と言っていたのは、今も心を痛めているから…? 話が進むと、そんな暗い話をしたことを忘れたかのようにトークを繰り広げるのも新鮮で、よくわからないけど恐ろしく魅力的なキャラクターでしたよ。バンデラス、非常に見直しました。

明るいと見せかけて、実は影を背負っているけど、やっぱりアホみたいに明るいキャラなのです。
実は悲しい過去が



<② メル・ギブソンもスゴかった!>

ラスボス役のメル・ギブソンも素晴らしかったですね。最近のあの人って主人公役でも目が怖かったんですが、イカレたイメージがそのまま上手く作用した印象。本人が脚本を書き直したというバーニーとの問答シーンとか、真骨頂じゃないでしょうか。長年暗躍してきた武器商人の割にはあまりにも行動が短絡的という部分はあるものの、ダンプで乗り付ける勢いが素敵だからノー問題(服装が「キック・オーバー」っぽいと思った)。愛銃が大型リボルバーというのも良かったし、ラストのタイマンに関しては、あえて90年代クラシックな殴り合いをチョイスしたのが大正解。マッドマックスvsバーニー・ロス、非常に贅沢だったと思います。

ちなみに最初は監督のオファーだったそうで。それもスゲー観たかったなぁ。
ストーンバンクス(メル・ギブソン)



<③ ウェズリー・スナイプスにも萌えた!>

ウェズリー・スナイプスも良かったですね…。脱税ギャグの連発が楽しいのはもちろんとして(バーニーの「俺なら殺してた」発言が好き)、みんなに感謝を伝える場面がマジ最高。あの不器用さ、バーニーの“褒めて育てる”感がビンビン伝わってくる「久しぶりなのに演説の才能がある」発言、そしてそれを聞いてうれしそうに「古巣はいいぜ」と語るスナイプス…。なんかね、100点だと思いました (ノω・、) オカエリ

この顔が泣けるのです…。
古巣はいいぜ

結構上手いなぁと思ったのが、スナイプスをステイサムのライバルにしたこと。両者とも「演技力も評価されているアクション俳優」という面で被るというか、タイプ的に似ていると思ってて(だから、一時はジャン=クロード・ヴァン・ダムの敵だと思ってどっちもそんなに好きになれなかった)。そうすることでドラマも作りやすくなったんだろうし(序盤に言われた台詞を言い返したりとか良かった)、アクションも面白かったし、脚本を書いた人、センス良いなぁと感心しましたよ。強いて指摘するなら、彼も知り合いなんだからもう少しストーンバンクスと絡んでも良かったんじゃないかしらん。

打ち上げでのナイフ投げ合戦はスナイプスが負けるワケですが、「3回勝負」の台詞に萌え!
似た者同士



<④ 他のキャラも上手く活きてた!>

この映画、とにかく登場人物が多いんですが、上手く見せ場を分配している上にキャラを活かしていて、なかなか感心させられるんです。例えば、ドルフ・ラングレン演じるガンナーとか、場面自体はそんなに出ていないものの、「若手の携帯コンピュータに憧れて、腕に付けて見たけれど、天気予報しか見られない」とか「大事な時にバッテリーが9パーセントしかない」とか、「なにそのドジッ子振り!Σ(゚д゚;)」とハートをワシ掴みにされるんです。

携帯端末を「前から持ってた」と言い張るガンナーを貼っておきますね。
ガンナー

ちょっと空気になりそうなトール・ロードに関しても、要所要所で台詞を与えることで、ちゃんと目立っているし、クライマックス、ガンナーと戦車に乗っている時に「シーザーの恨みだ!」と言わせる辺りがスゲー良かったです。大御所ハリソン・フォードに関しても、どうせチョイ役だろうと1ミリも期待してなかったんですが、意外と出番は多いし、口の悪いCIAの司令官が似合ってて。ヘリを操縦する場面、ちくしょう、予想以上にカッコ良かったのはさすがでしたな~。

ハリソン・フォード、すっかりおじいちゃんでしたけど、カッコ良かったですねぇ…(しみじみ)。
ドラマー(ハリソン・フォード)

紅一点のロンダ・ラウジーも登場シーンから良いムードで、キッチリ活躍していて好みというか、裸足で踏んでほしかったです(アウトな文章)。天才ハッカーのソーン役のグレン・パウエルにも素手でシャフトを登らせて見せ場を作ったのは、あまり意味はないと思うけど、「そこまでやるんだ!∑(゚Д゚)」と感心しましたね。それと驚いたのがボナパルト役のケルシー・グラマーで、ごめんなさい、全然知らなかったんですが、非常に上手い役者さんでしたな。存在感はあるわ、面白いわで、彼の出演場面は非常に楽しかったですよ。

ロンダ・ラウジーのこの場面を見て、すみません、自分が腋フェチだということに気付きました。
ルナ(ロンダ・ラウジー)

この人、シャフトから下に降りて脱出するはずだったのに、いつの間にか目的が変わってましたよね?
ソーン(グレン・パウエル)

ケルシー・グラマー演じるボナパルトとバーニーが仲間を集める場面はマジで面白かったです(というか、仲間集め描写は大体愉快)。
ボナパルト(ケルシー・グラマー)



<⑤ 全体的に気が利いてた!>

というか、パトリック・ヒューズ監督、やるなぁと。いや、「刑務所の所長みたいな奴はなんであんなアホな死に方をするのよ」とか「港に潜入する場面、絶対バレるだろ」とか「GPSトラッカーに気付かないって…」とか「お前ら、あのビルに罠が仕掛けてあるって想像してなかったの!?」とか、おかしなところは山ほどあるんですけど、話の大まかな構成自体はわかりやすいし、細かい描写や台詞回しなどが意外としっかりしているから、シリーズの中では一番ちゃんとした映画に見えたんです。例えば序盤、ケラン・ラッツ演じるスマイリーが八百長試合を終えて、バイクに乗るシーン。少年にバイクを見張らせていたことがわかるんですが(そうじゃないと盗まれる)、あれ、サイモン・ウェスト監督だったら絶対スルーしてた。些末な部分ですけど、話全体が雑な分、細かいところを大事にしていたイメージがあるんですよね。

メタ的なネタはモロに言わせてましたが(チャーチとか)、作品関係へのオマージュは露骨じゃなくて。なんて言うんですかね、ソーンが登場した時、フリークライミングをしている→バーニーが「俺にもできる」→「クリフハンガー」を想起させる程度の出し方なんです。シュワルツェネッガーにやたらとバックバック言わせてた前作とは大違いで、また引き合いに出して申し訳ありませんが、サイモン・ウェスト監督だったら、ハリソン・フォードに「スター・ウォーズ」or「インディ・ジョーンズ」オマージュの台詞を100パーセント連発させてたと思います…って失礼ですかね。あと、音楽の使い方も結構良かったと思いますよ。

トール・ロードが酒場でグループ客を見てションボリしたり、ベッドに慣れないドクが床で寝たりする時に流れた「Ticking Bomb」を貼っておきますね↓





<⑥ ブロマンス要素にグッときた!>

バーニーとクリスマスに関しては、今までもブロマンス的な場面がありましたけれども。今回は一旦、別れたりするだけに感情がモロ出しというか。「オレはとことん付き合う覚悟だった」「わかってる」とか、「会いたかった」「オレもさ、このロクデナシ」とか、「バカには仲間が必要だ」とか、シリーズ中、最も台詞が熱いのです。僕はこう見えて私生活ではドライな人間なのでね(苦笑)、逆にああいうのってスゲー憧れちゃって。特にクリスマスの台詞は何度聞いても心に染み入りますな… (ノω・、)

なんとなく僕の心を代弁する「ROOKIES」の塔子ちゃんの画像を貼っておきますね。
いいなぁ、男同士って



ということで、良かったところをダラダラと書いてきましたが、ちょっと謎なのが最後のトレンチとヤンの同性愛を思わせる描写。バーニーに「部屋をとるか?」と言われて、「見られても平気さ」「妬くなよ」とイチャイチャする姿には口がアングリというか。あまりのことに若干のショック状態に陥ったわけですが…。僕なりに2つほど仮説を立ててはみたのです。


今回、一番のサプライズを提供した2人。ジェット・リーが病気で動けないのは残念でした。 
ウワサの2人


1つは「ヤンはもともとそういう設定だった説」。これはしたコメ映画祭てらさわホークさんが指摘されていたんですが、1作目でヤンはやたらと「人生つらい」と訴えていて、最終的には「家族なんていない」なんて言い出すんですよ。これはゲイである自分を隠していてつらいということだったのではないでしょうか?


1作目で「人生がつらい」と訴えるヤン。
人生つらいよ


もう1つは「メル・ギブソンのネガティブなイメージを中和するため説」。尊敬している映画評論家の町山智浩さんが「たまむすび」で今作を紹介されていたんですが、メル・ギブソンはさまざまな相手への差別発言で世界的に嫌われているそうなんですね。その中にはゲイも含まれているため、「リーサル・ウェポン4」で共演して以来、友情を育んできたジェット・リーと、少年時代に両親からゲイ疑惑をかけられたことがあるシュワルツェネッガーがひと肌脱いで、作品のイメージ改善のためにああいうオチにしてみたのでは…。ううむ、ちょっと考えすぎでしょうか。


「リーサル・ウェポン4」で共演したころの2人を貼っておきますね。
リーサル・ウェポン4


何はともあれ、ホモソーシャル感満載だった作品からホモセクシュアルが発信されてしまうのは、居心地が悪いような、それはそれで道理に適っているような。2作目の公開後、某サイトでそれを題材にした同人誌を発見しまして、「ちょっと興味あるけど、実際に読んだら相当キツい気がするし、ただでさえ『なんでアンタは男の裸がそんなに好きなの!?(゚д゚;し』なんて奧さんに言われているのに、こんなの見つかったらアウトだし… (´・ω・`)」と迷いながらウォッチリストに加えていたりしたワケですが…。やっぱり生理的に踏み出せないよなぁ。


なんとなくKONGSの「Come With Me Now」を貼っておきますね↓




閑話休DiE!m9`Д´) ビシッ さて、褒めまくっているとは言え、-5点分の不満はあるので、それを書いておきたいと思います。まず、ヴィクター・オルティス問題。若手の中では一番インパクトが弱いんですよね…。彼は銃器担当であり、クライマックスはショットガンを撃ちまくって頑張っていましたけど、それでも他のキャラと比べると印象は薄め。もう少しド派手な見せ場を用意してあげても良かったのではないでしょうか。まぁ、捕まっていたため、旧メンバーの武器を使わざるを得ない→最新の武器が使えないという縛りがあったから、あれが精一杯なのかもしれませんが。


この場面はカッコ良かったんですけどね。
見せ場はあったけど...


次にケラン・ラッツ問題。彼の主演作である「ザ・ヘラクレス」「キリング・ゲーム」を観ると、若手では最も消耗品軍団に入る資格を有していることがわかります。ただ、やたらと贔屓されて出番が多い割には、最後の見せ場が「顔が見えないバイクアクション」というのはどうなのか。確かにアクション自体は面白いけどさ、仮にも打ち上げでバーニーに「いつ俺に譲る?」なんて口を叩く男ですよ? しかも若いんだし、もう少し「自分で体を張ったように見えるアクション」を見せてほしかったなぁと。


主役が「顔を隠したバイクアクション」をクライマックスでやって良いのは、「V.マドンナ大戦争」の宇沙美ゆかりさんだけ!(暴論)
バイクスタント


それと、バカっぽさが足りない問題。本当に勝手な言いがかりなんですけど、確かに今作は映画としてのまとまりは今までよりあると思います。でも、残酷描写が押さえられているのは不満だし、こうなってみるとサイモン・ウェスト監督の雑な感じも懐かしいというか。正直、前よりもちょっと偏差値が高くなっているんですよね…。それを象徴するのが、今回は「やるか?」がないのです。


みなさん、1作目を思い出してください。この「やるか?」の後に繰り出されたのが…。
やるか?


ほとばしるほどカッコイイ“死の飛行(Fly and Die)”だッ!ヽ(`Д´)ノ 




2作目でもクリスマスが「まさかあれを!?」発言。
まさかあれを!?

バーニーは男らしく「そうだ!」と回答。
そうだ!

飛行機がそのまま洞窟に突っ込んだ! なにこの無茶な人たち (´∀`) デモアイシテル
飛行機ごと洞窟に!


これはシリーズのお約束だと思ってた。今作は確かに面白かったし、アクションも良く出来てたし(乱戦は整理しきれていない印象がかなり強いけど)、全体的にスゴく良かったと思うんですが、この点だけは超残念でしたな。なんて言うんでしょうか、ハッキングして云々なんて他の映画でも観られるというか、むしろこんな時代だからこそ“1985年ならいざ知らず”の戦法を見せてほしい…って、わかっていただけるでしょうか。

あと、作を重ねるごとに悪役側に有名なキャストがいなくなってきているのも問題だなぁと。ストーンバンクスの片腕を演じたトーマス・カネストラーロも頑張ってはいたけど、せめてクリスマスとタイマンを張る人は、もう少し名のある人をチョイスしてほしいと思ったり。ただ、ラングレン繋がりなのか、「ドルフ・ラングレン ザ・リベンジャー」に出ていたスラビ・スラボフが冒頭の変な死に方をする刑務所所長ウォーデンを演じていたり、ロバート・ダビが登場したのはうれしかったですが。


ウォーデンを演じたスラヴィ・スラヴォフは極真空手の猛者だったり(「ドルフ・ラングレン ザ・リベンジャー」より)。
スラビ・スラボフ

消耗品軍団にピッタリすぎるロバート・ダヴィ。続編もぜひ出てほしい!
ロバート・ダヴィ


最後に、これはどうしようもないことなんですけど、やっぱりオリジナルメンバーが好きだったので、新メンバーが増えたことで彼らの出番が減ってしまったのが寂しくはありました。1作目のトール・ロードなんて「バーニーがタイマンで倒せなかったストンコを屠った喧嘩番長」だったのに、今作なんて銃を撃ったりするだけなんだもの。まぁ、でも、今回は人数が多かったから仕方ないのかな… (´・ω・`)


1作目の終盤、ストンコをぶちのめしたトール・ロードの勇姿を貼っておきますね。
喧嘩番長トール・ロード


うう、かなり長くなっちゃいましたな…。そんなワケで、ちょっと気になるところはありましたが、基本的には6回観に行くほど満足しているのです ( ;∀;) ヨカッタヨー 3作目から観ても全然大丈夫なので、気になる人はぜひチェックしてみて!

宇多丸師匠の素敵すぎる時評がアップされたので、ぜひ聴いて! 「会話を巡る劇」の指摘が素晴らしいです。“第四の壁”の指摘もなるほどで、確かにメル・ギブソンがこっちを見た時はドキッとしましたな~。

<2021年12月12日の追記>
「エターナルズ」を観て今さらわかったんですが、<ちょっと謎なのが最後のトレンチとヤンの同性愛を思わせる描写>から始まる一連の文章は、ゲイの方々に対して無神経かつ失礼極まりなかったと思います。「別に誰が誰を好きになろうと関係のない話」であり、その部分をことさらに騒ぎ立てるのが差別的だったことに、ようやく気付きました。この感想を読んで不快になった方、本当に申し訳ありませんでした。




記念すべきシリーズ1作目はシルベスター・スタローン監督作。僕の感想はこんな感じ。


でも、実はディレクターズカット版の方が超面白いのです! 僕の感想はこんな感じ。


サイモン・ウェスト監督による2作目。ジャン=クロード・ヴァン・ダムが出ております。僕の感想はこんな感じ。


サントラです。「デンデデン!」みたいな曲ばかりだったり。


パトリック・ヒューズ 監督作。なかなか良かったです~。僕の感想はこの記事の2本目。