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毎年2月に1年に1回、
必ず楽しみにしていることがある。
バレンタインデーじゃない。
それは柳家喬太郎師匠の
岡山で開かれる独演会だ。
 
 
 

 
 
 
もちろん、2024年の去年も行った。
このときはもう福岡へ転勤してたが
わざわざ独演会のために
意を決して岡山に帰省したのだった。
 
 
 
福岡に住んでいれば
喬太郎師匠の噺を聴く機会は
別の落語会でもありそうだったが
2018年くらいから毎年必ず
岡山での独演会に行っているので、
この場所でこそ聴きたかったのだ。
 
 
 
だから2025年の今年も
開催日が2/14の金曜にも関わらず
仕事を半休とって行くことに。
1年間頑張って働いているんだもの、
好きな落語くらい聴かせて欲しい。
 
 
 
 
金曜日は必死で仕事を切り上げ、
一旦家に帰り荷物急いでまとめると
新幹線で移動して岡山へ。
 
 
 
 
 

 

 
 
 
 
雲のない空気の澄んだ青空。
つい1年前まで住んでいた街、
駅前の夕暮れの風景がわたしは好き。

 

 

 

 

 
 
 
 
昔からポストの上で
可愛いポーズをしている
おなじみのあのこ。笑
 
 
 

 

 
 
 
 
ところで、
毎年独演会は旭川の向こうの
岡山市民文化ホールだったけど
あらたに岡山芸術創造劇場ができ
今年から会場が変わった。
 
 
 
 
新幹線の到着時間が遅めだったので
ばびゅっとタクシーで移動。
西大寺町商店街の果てにある
岡山芸術創造劇場「ハレノワ」へ。
 
 

 

 

 
 
 
西大寺商店街の途中から、
1本路地に逸れてすこし歩くと
劇場の入り口にすぐ到着する。
 
 

 

 
 
 
建物入り口がやけにデカくて
スマホカメラの画角に収まらなかった。

できたばかりだからとても綺麗。

 

 

 

 

 
 
 
これこれ、これですよ!
1年越しの楽しみなもんで
ワクワクがとまらない。
喬太郎師匠の落語が聴ける!
 
 
 
当日の演目はこんなかんじ。
 
 
 

 

 
 
 
一、『強情灸』   柳家喬太郎
一、『のっぺらぼう』柳家やなぎ
一、『ウルトラのつる』柳家喬太郎
仲入り
一、『転宅』柳家喬太郎
 
 
 
落語の独演会というと
普通は若手の落語家さんが
前座を務めるものだが
喬太郎師匠の独演会では
師匠自身が前座を務めるのが特徴。
 
 
 
この日の最初の噺は『強情灸』
とある強がりな男が
お灸が痛いのを痩せ我慢する噺。
 
 
 
そして続いての席は
二つ目の柳家やなぎさんの
『のっぺらぼう』。
開口一番、岡山に来てみて
懐かしいような気がするというも
よくよく話をしだせば
北海道は別海町生まれ。
 
 
まったく関係ないやないかい!と
会場全体の笑いを誘い、
一気になごやかなムードに。
 
 
『のっぺらぼう』は
落語ならではの怖くない怪談噺。
オチのわかりやすい単純な噺にも関わらず
現代版アレンジを織り交ぜつつで
まったくだれることがなかった。
会場を惹きつける話術がさすが。
 
 
 
近々真打に昇進されるようで、
せっかく噺がこんなに受けたのに
今度から前座役で連れてこれないな、と
喬太郎師匠に揶揄われる。笑
 
 
 
そしてこの日特筆すべきなのは
喬太郎師匠の『ウルトラのつる』である。
 
 
 
もうね、喬太郎師匠の噺が
完全に神回だった。笑
やなぎさんも自由演技だったけど
喬太郎師匠はもっとフリーダム。笑
 
 
 
古典落語の『つる』をベースにしているが
話しはじめて早々に
ウルトラマンについて
話したいことを話すだけの状態に。笑
 
 
 
ウルトラマンのことを詳しく知っている
ファンなら一層たまらないだろうな。
私は詳しく知っていないけれど
師匠の熱量ある噺っぷりだけで
十分面白さが堪能できた。
 
 
 
そして最後は『転宅』
これもね、よかったのよ。
 
 
 
落語によくある泥棒噺の一つ。
とある豪商の妾の家に忍び込んだ泥棒が
家主の女に見つかって色々話しているうちに
まんまといっぱい食わされてしまう滑稽噺。
 
 
 
師匠の演じる女家主がね
もう、本当に色っぽくて、
この噺の泥棒じゃなくてもね、
ついその気になっちゃいそうなの。
 
 
 
そんなのありえないだろうという
突拍子もない噺だけれど
落語ならではでこういうのがいい。
 
 
 
大いに笑って、笑って、笑って…
幕が降りきる最後まで拍手をした。
 
 
 
 
 

 

 

 

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そしてそして、

この日はこれで終わらない。

 

 

 

 

落語会が終わったのが

夜の20時半ごろだったかな、

せっかく西大寺町の方にきたのなら

私には行きたい店があった。

 

 

 

 

 
 
 
 
ドイツパブG.G.Cである。
 
 
 
創業何年のお店かわからないが
私が大学生のころにはすでに
この場所にあったから
かるく20年以上は経つと思われる。
 
 
 
そういえば前回行ったのは
いつだったっけ?と遡ると
なんと2021年だった。

 

 

入り口を入ってすぐ

階段を登り2階へ上がる。

(写真は逆から撮ってしまった)

 

 

 
 
 
金曜の夜で混んでいたが
幸いカウンター席があいていた。
 
 
 
私は誰かと一緒にくるときも
この店ではどちらかというと
お店の方とおしゃべりができる
カウンターの方が好きなので
こっちが落ち着く。
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは毎月の限定ビールがあって

2月はデンマークの

ブランシュド・ミッケラーらしいが

すでに月中で完売(残念!)

 

 

 

 
 
 
メニュー片手に
なににしようか迷うのは
いつものこと。

 

 

 
 
 
この日は一人で行ったので、
あんまりお酒に強くない私が
呑めるのはせいぜいビール1本。
それならばとここは、一番好きな
黒ビールのケストリッツアーを。

 

 

 

 
 
 
まるでビターチョコレートのように
鈍い苦味のあるビール。
この味がたまらなく好き。
この一杯をここで呑めるだけで
充実感でいっぱいになる。
 
 
 
お料理が出てくるの待つ間、
持ってきていた文庫本を開く。
そうしてカウンターに座って
ビールをちびりちびりと飲みながら
本を読む時間がすごく好きだ。
 
 
 
私が一人ででも呑みに行ける
唯一の場所かもしれない。
 
 
 
 
 
お決まりのソーセージ3種盛と、

 

 

 
 
ジャーマンポテト
(実は初めて頼んだ、
もう何度も来ているというのに!)

 

 

 
 
そしてこれが食べたくて
この店に来たと言っても過言ではない
ジューシーなハンバーグ。

 

 

 
 
 
そして締めはミニピザ!
一人のくせに結構食べた。
よく考えたら仕事が忙しすぎて
日中なにも食べていなかったんだった。
 

 

 

 
 
 
一人でたららんと呑んでいたら
お店の方に大手まんぢゅうの
お裾分けをもらう。笑
苦いビールの後の甘いもの、
悪くない相性だ。笑
 
 

 

 

 
 
 
こんな場所で読むには似つかわしい
カポーティの短編集なのだった。
酔かけの頭に効く、ビターな文章。
 

 

 

 
 
 
余談だが、お店に貼ってある
ビールのこの販促ポスターがいい。
毎回この写真を見るたびに
なんだか幸せで陽気な気分になる。

 

 

 

そうそう、お店の方と話していたら

「また来てくれてありがとうね」と言われた。

来たのは数年振りだったというのに

なんとなく私の顔を覚えていてくれたらしい。

 

 

 

確かにしょっちゅうはいけないけれど

行くたびにカウンターに座っては

おしゃべりをさせていただいていたので

なんとなく初めてではない雰囲気は

伝わったのかもしれない。

 

 

 

いまだにお酒の中では

ビールが一番好きなのは

間違いなくこのお店のおかげだと思う。

遠くてもまた通いたい場所なのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽2024年の独演会。

 

 

 

 

 

▽私の落語遍歴はここから…‼️

 

 

 

 

 

 

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