微妙な境界線侵害 | トラウマから自由にするRCメソッド (株)RCM社長 高橋万紀子のブログ

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心の整理と心の外科手術専門のカウンセラー
養成もしています。

前回は境界線に関連して起きる問題
ハラスメントを取り上げました。
機会があれば、ひとつひとつ詳しく
見たいと思いますが、
まずはざっくり、すべての問題の
芯の部分、根の部分を
解明したいので、先に進みます。

何でもそうですが、
根がわかると、幹、枝葉は、たどれます。
枝葉を見ているうちは、
なかなか幹、根までたどり着けません。

そこで
今回は、微妙な境界線侵害を
見てみましょう。


「私たち、友だちだよね?」

うわー。
友だちじゃないとは言わせない空気。
そんなこと言ったら
どんなめんどくさいことになるんだろう。

これ、侵害です。

相手に友だちを選ばせない圧力を
暗にかけています。
言っている本人はそんな自覚、
一切無いかもしれません。
自覚の有る無しに関わらず
境界線の意識がはっきりしている人には
確実に嫌われます。

こんな「私たち○○だよね?」
なんていう女子。
モテないわよ。気をつけて。
理由は境界線男女の違いに書いています。

この、小さくて取るに足りないけれど
相手に選択の自由を与えない圧力。

特に女性は、無意識に日常的に
やってしまいがちですが、
パートナーとの関係を確実に悪くします。

そして、
ハラスメントのような大きな問題のスタートも
この微妙な、小さな圧力です。

最初の例で言うなら
友だちを選ぶ権利は本人のもの。

「私はあなたを大事な友だちだと思ってる。」

「あなたが私を友だちだと思ってくれていたら嬉しい。」

「私たち、友だちだよね?」

…3つ目の違い、分かりますか?
私たちということで
自分の希望に相手も巻き込んでいます。

私は、「私たち」という言葉を
否定はしません。
けれど、この「私たち」という言葉が
良い力を発揮するのは、
より強い力、立場などを持つ人が
より弱い人を抱えて使うときです。

例えば、
私はパーソナルトレーナーでもありますが
お世話になっているトレーナーさんが
私を含めて「私たち」と言ってくれる時
「私のことも、トレーナーとして
認めてくれているんだな」
と嬉しくなります。

しかし、逆に私が、お世話になっている
トレーナーさんを含んで「私たち」
と言うとしたら。
背伸びした、相手の持つ能力や立場も
自分の領域に入れようとする、
あるいは自分も同等であるとする
心理が働いています。

「私たち」という一つの単語で
ここまで心理が分かってしまうんです。
ここでいう後者は、
お世話になっているトレーナーさんの
境界線を侵害しています。


「えー?
結局境界線って、何なの?」
と、逆に分からなくなってしまった
方もいらっしゃるかも知れませんね。

境界線を侵害しない関わり方は、
一言で言うと

相手に決める自由をあげる

ということです。
たとえ自分が気に入らないことを
選ぶとしても
それが相手のためにならないとしても。

最初の「私たち、友だちだよね?」
の例で言うなら、
「あなたは友だちじゃない」
と決める自由を相手にあげるということです。
でも、わざわざ口に出して
言わせなくてもいいと思うんです。
別に相手もわざわざあなたを傷つけたいわけじゃないと思います。
だから、YESかNOか言わなきゃいけない質問は
しない方が良いですよ。
特にYESと言わせて自分が安心したい時なんかは。

優しさでYESと言ってくれるかもしれないけど、
そんなの、ほしい?

まぁ近々、
聞かずにいられない
その不安についても触れようと思います。

これは、大人同士の話です。

子どもに対しては
また違った義務がありますから
別の話です。

さて、そろそろ
次のテーマにも行きたいですな。
次回は
原因と結果の法則にいきましょうか。