先ほど、X(旧Twitter)でも書いたのですが、「ラザロの迷宮」の再校ゲラのチェックが完了し、出版社に向けて旅立ちました。
細かい確認は残っていますが、これで一応、作業は完了したことになります。
4年という長い歳月を費やした作品が、ようやく手を離れるということで、解放感に浸ると思っていたのですが、意外と寂しいものです。
本当に手のかかる作品でした……。
「一番大変だった作品は?」という質問を、よく受けるのですが、その際、私は「どの作品も、それぞれ大変でした」と答えていたのですが、今日からは「ラザロの迷宮」とはっきり答えるようにします。
ちなみに、本作はクセ強めのキャラクターが多数登場するのですが、例の如く、全て実在の人物をモデルにしています。
キャラクターが定まったことで、複雑怪奇な物語を動かす推進力が生まれ、執筆を続けることが出来たのだとおもいます。
やっぱり、私はキャラクターの造形が定まらないと、執筆が出来ないタイプなのだということを、改めて実感しました。
小説のネタにされると分かっていながら、協力して下さった皆様、本当にありがとうございます。
感謝はしますが、「こんなの私じゃない!」などのクレームは、一切受け付けませんので、どうかご了承下さい。
作品を読んだことで、関係性が崩壊しないことを、切に願います。
ちなみに、私がキャラクター造りのために行う取材は、ただ、ご飯でも食べながら、色々とお話をするだけです。
簡単なように思えて、これ、凄く大事なことです。
自分の価値観だけでキャラクターを造ってしまうと、どうしてもバイアスが生まれてしまう。
それだと、作品が一辺倒なものになってしまいます。
何気ない会話をしながら、その人の考え方や価値観、趣味嗜好、仕草や喋り方などを観察し、作品に登場するキャラクターに当て嵌めていくのです。
物語とキャラクターがカチッと嵌まることで、作品が動き出すのですよ。
この感覚が、堪らなく心地いい。
今回の作品も、ずっと迷走を続けていたのですが、ある方と話をしているときに、作中に登場するあるキャラクターとリンクしたんですよね。
(どのキャラクターかは、敢えて言いません)
そこから、一気に物語が走り出した印象です。
私の作品は、キャラクターが立っていると言われることが多いですが、それはきっと、自分と違う人の思考を受け容れ、作品の中に投入しているからかもしれません。
というわけで、「ラザロの迷宮」の発売まで、あと一ヶ月ちょっと……。
果たして、どんなキャラクターが登場するのか??
待て!! しかして期待せよ!!