エンタメジャンキー記録。映画、マンガ、小説など消費したソフトの感想。 -32ページ目

プリンセストヨトミ

万城目学

5月31日、大阪が全停止する

ただひとりを守るために


女の子になりたい中学生・大輔は、一大決心をして、学校にセーラー服を着ていく。
案の定、不良グループから攻撃された大輔を助けたのは、幼なじみの親友・茶子。

その頃、霞ヶ関の省庁・会計監査庁から3人の検査官が大阪に向かっていた。

狙った獲物は逃さない堅物・松平、モデル容姿の女検査官・旭、ラッキーガイ・鳥居。

会計監査庁は、国が資金援助する地方自治体や企業で助成金が正しく使われているか、無駄使いされていないかを、コンビニの領収書一枚にいたるまで厳正に検査するチェック機関。

松平は、大阪の財団法人OJOという謎のダミー会社に、年間5億もの助成金を政府が支出していることを知り、調査に赴いたのである。

…という、一見どこにも接点がなさそうな2組の物語が絡み合い、ある事件をきっかけに、大阪全停止を巻きおこす。

全停止、と言われても漠然としすぎてピンと来ない。何が、どう停止するのか。
しかし、そこがこの小説のキモの部分。想像を絶するアイディアで、まさに大阪が全停止する様が、色んな意味で圧巻の一大スペクタクルシーンとして描き出される。

よくもまあ、こんなことを思いついたもんだ。

こんだけ風呂敷を広げまくって、一体どうやって収拾をつける気だ…と読みながら不安になったが、見事なまでに完全な決着。爽快で感動的なラスト。


名作「鴨川ホルモー」や「鹿男あをによし」を超えて、間違いなく著者の代表作となる最高傑作。

それはもう、めちゃめちゃ面白かった。
とくに大阪に縁のあるひとは、もしかしたら自分もこの物語に巻き込まれてるかも、と楽しさ倍増だから絶対に読んだほうがいい。

レッドクリフpart2

結論から言うと、

まぁまぁな映画

全体的な印象としては

なんだか覇気がない!


前作であれだけ煽られたから、すごいものを見せてくれるのでは…と期待を膨らませていたので、なんだか肩透かしにあっちゃった感は否めない

1では武将たちの気迫あふれるアクションシーンに、鳥肌が立ち、まさに血沸き肉踊らされ

男同志の友情や絆に胸が熱くなったが

どうしちゃったんだよ!お前ら

1であれだけ男気を見せた武将たちが、どいつもこいつも元気がないし日和っちゃってるし

肝心のドラマパートが散漫で盛り上がらず、勢いとスピード感が失われ、ダラけてしまった

赤壁の戦いは、圧倒的不利な状況で孤立する呉の側から描くのが一番ドラマチックだろうし

この戦いで最も劇的なエピソードを持つ周瑜を主人公にしたのだと思うが

惜しむらくは、呉って、孫権の血族が3代に渡ってきちんと統治してきた国で、なんというか…ちゃんとしてるんだよなぁ

武将たちもエリート集団で、周瑜がきっちりかたにはめて統率してるもんだから、突出しておかしな人間がいない

つまり、周瑜以外のキャラが弱いのです


蜀は、理想バカでしみったれな劉備玄徳を、天才孔明と関羽・張飛・趙雲の激強クリーンナップでもたせており、いわばスーパーキャラ武将たちの宝庫

魏はカリスマキャラ曹操がいれば十分


やっぱり前半で、もうちょい呉のキャラ出しといてくんないと、キャラ祭の蜀や悪役の魏にはどうやっても見劣りしちゃうわな

とはいえラストのスペクタクルコンボはさすがに圧巻で

満腹なのにまだ料理でてくるぞ。だれだこんなに注文したヤツは

お前かジョン・ウー…

でももっとドラマで感動させてほしかったけどな


ただ赤壁のあと、孔明の策略で、せっかく曹操軍を退けたのに荊州ほか主要な3城はまるっと劉備がいただいちゃうんだよな

戦友にまんまと出し抜かれてかわいそすぎる周瑜を想うと、泣ける

フロスト×ニクソン

ロン・ハワード監督


ローカル番組の司会者フロストは自らのキャリアと全資産をかけて、ウォーターゲート事件で辞任したニクソン大統領への単独インタビュー契約をこぎつけた!
フロストと3人のブレーンは、ニクソン側が提示してきた様々な条件・制約をすり抜け、事件の真相を引き出そうとする

4日に渡って繰り広げられる二人の心理戦、舌戦、情報戦…駆け引き

対峙する二人が、次第にお互いを好敵手として認めあうようになり、自身の人生を賭けて戦う

二人とも特別な人間などではなく

生身であり

血の通った同じ人間なんだと感じさせる

俳優の演技も監督の演出も素晴らしい

エンタメのツボを外さないロン・ハワードはさすが

スリリングな知的興奮を堪能できる、秀逸な作品