エンタメジャンキー記録。映画、マンガ、小説など消費したソフトの感想。 -31ページ目

プリズンブレイク シーズン4

ついにファイナルシーズン

その幕開けとなる第1話は怒濤のごときスピーディーな展開

のっけからこんなハイテンションで最後までもつのかと、余計な心配をしてしまうくらいに


とばすとばす


脚本家ストのあいだ、たっぷり時間をかけて、このファイナルシーズンのストーリーを練ってたんだろう

マイケルは自らの運命を狂わせた組織を壊滅させるために、陰謀を暴く鍵となる6人の要人が隠し持つ超極秘データを手に入れようとするのだが

物語上のルール設定が危機的状況を生み出して、ドラマに緊迫感を与えている


脱獄犯ゆえに正体がばれないように動かなければならない

極秘情報を探ってることを組織に気付かれてはならない

ゆえにデータ自体は持ち出さずコピーすること

こんなたくさんの制約の中で命がけの行動を強いられるマイケルたち

難関ミッションをこなしていく、いわゆるスパイものの楽しさ満載だ

今回は脱獄ではないが、ブレイク感は増量で、毎回ハラハラドキドキ大いに楽しめる

いま6話まで見たが、意外な二人がバディを組みそうで、この先の展開が気になる

早く続きを見たい

チェイサー

韓国で実際に起こった、デリヘル嬢連続殺人事件に基づいた話とのこと

事件をどの程度まで再現しているのか知識がないので映画に限っての感想になるが、この事件はフィクションよりも凄惨だ

むしろフィクションであってほしいぐらいに惨たらしく救いがない

犯人を捕まえておきながらその異常性を見抜けず、裏付け捜査も杜撰極まる警察の無能ぶりは目も当てられず

デリヘル元締めのオッサンが独自に犯人を追うが…


以下ネタバレ


犯人に監禁されていたデリヘル嬢がなんとか逃げ出したは良かったが、よりによって逃げ込んだ先で偶然犯人に見つかって、惨殺されてしまう

元締めのオッサンはダメダメの警察に頼らず、自分で犯人を追い詰めて戦う

ラストで犯人を捕まえられて良かったが

どんだけ犠牲者出てるねんって話で

犯人捕まえたくらいでスッキリできる訳がない

デリヘル嬢の殺され方も、えげつないにも程がある

まったく救いがなく、終始イヤな気分にさせられた

何故お金を払ってわざわざイヤな気分にさせられなきゃならないのか

こういう映画は大嫌いだ


同じ韓国映画で似たような題材の「殺人の追憶」も無念な結末で終わりはしたが、見終わった後には静かな感動が生まれた

犯罪を憎み、犯罪と戦い続ける刑事たちの姿に心打たれ、自分にも正義が宿ったような気がしたのだ

残念ながら本作からはそのような義憤の魂が見えてこない

製作者はどういうモチベーションでこの作品を作ったのだろう

知ってもらうことや忘れないことが大事なのであれば、メディアを選んで発表すれば良いと思う


許せないのは

実際にあった事件ってことは、この残虐な犯人に惨たらしく殺されてしまった被害者が実在したってことなのに

それをこんなホラー演出たっぷりと、まるで被害者をスプラッター&ショッカーの小道具のように描いていいのか?

監督の手腕は認めるし脚本もよく出来ているが、こんなにちゃんとした映画を作る想像力があるのなら、なぜ遺族の方の気持ちを想像できないのだろう?

殺人シーンを視覚的に派手な直接描写で映像化する必然性はまったく感じない


やり過ぎ描写の悪例「闇の子供たち」を思い出した

あれも見た後でひどく後味の悪い気分にさせられたが、本作はそれを超える


そもそも

こういう映画が嫌いなのになぜ見たかというと

宣伝にミスリードされてしまったからである

メインビジュアルやコピーは、いわゆるエンタメに寄せてあり

「逃亡者」的な追跡劇を期待したが

まるっきり違うじゃん

「韓国デリヘル連続殺人事件」ってタイトルにしてよ

「チェイサー」とかハリウッドっぽいエンタメ感を煽ってミスリードしないでよ

宣伝担当者は、明らかに本作の売り方を吐き違えている

単館公開作品なんだから客層をちゃんとセグメントして、骨太な作品内容をストレートに打ち出していけば、これだけの熱量を放つ映画だ、手堅く動員できることだろう

なんでもかんでも分かりやすくして間口を広げる必要はない

ミスリードはやり方を間違えるとアンチを生んでしまう

バカリズム「生命の神秘」

誰にでも分かりやすく

なおかつ独創的で面白い


総合刑事というネタはとくに秀逸で、名作トツギーノに並ぶ愉快さだった

トツギーノの別バージョンカエリーノを収録した「フルーツ」では

面白いけどマニアックな笑い

、の域を超えられなかったように感じたが

本作でバカリズムは、そのありあまるアート性を封印することなく、大衆の理解しうる表現レベルにまで歩みより

一般商業的娯楽への迎合・単純化という形ではなく

上手くアートと娯楽を融け合わせて

エンターテイメントへと昇華させることに成功した


将器の大きさを見せつけた笑撃的な野心作


バカリズムは今後おそらく、他のジャンルにおいてもその才気を爆発させそうな予感

第2の宮藤官九郎になりうる逸材だと思う