エンタメジャンキー記録。映画、マンガ、小説など消費したソフトの感想。 -15ページ目

『ゴールデンスランバー』

すごく面白い映画だった

総理大臣暗殺犯に仕立てられた男の逃走活劇

ストーリーを概略するとかなり社会派っぽく聞こえるが、実はポップな娯楽作品だから気構えなく楽しめる

物語のベースはヒッチコックばりの間違われ型サスペンスだが、会話や展開はタランティーノ風のオフビート感がある


原作はもうちょっとダークでポリティカルだった

得体の知れない巨悪から逃走する主人公を、全体主義の生け贄にされる個人あるいは個性の暗喩として描いていた

映画は原作のテーマを大事にしながらも、娯楽としての面白さを際立たせることに成功している

原作にはないセリフや設定が数ヶ所あり、それがとても秀逸だった

中村義洋監督は絶妙のバランス感覚で、伊坂幸太郎小説独特の風味を損なわず、映画独自の世界観を構築していく

このコンビによる映画は、『アヒルと鴨のコインロッカー』『フィッシュストーリー』いずれも傑作でハズレがない


笑って泣けてドキドキして最後には感動できる、とてもバランスのいい優良エンタメ作

大満足。

『空気人形』

原作は業田良家の短編集「哲学ゴーダ堂」の中の一話。

印象的な物語であるが、ごくごく短い10ページ程度のエピソードだったと思う。

ペドゥナがひたすら素晴らしい。

撮影監督リー・ピンビンによる叙情的かつ詩的な映像と、是枝監督の作風が物語のムードにぴたりとハマり、せつなくも美しい良い映画だった。


『きみが僕を見つけた日』

ロマンティックでせつなくて絶対泣ける良作。

同じ時間に留まることができない男と、彼を生涯愛した女。
ふたりが運命に引き寄せられるように出会い、恋をして夫婦になり、やがて別れの時を迎えるまでの物語。

原題はタイムトラベラーズワイフ。

本作ではタイムスリップ現象を、ワクワクするような超能力としてではなく、時間能力の欠如として描かれる。
その特殊な設定がふたりの愛にドラマティックな奇跡を起こしたり、同時に哀しい障害にもなっていく。

とてもよく練られたストーリーでセリフもすばらしい。


『アルジャーノンに花束を』『バタフライエフェクト』が好きなら、100%ハマる。

映画のラストに用意されたささやかな奇跡に、涙しない人はいないだろう。