エンタメジャンキー記録。映画、マンガ、小説など消費したソフトの感想。 -14ページ目

『イングロリアス・バスターズ』

面白いんだけど、はじけきれない。
そして長い。

ブラピ演じるアルド・レイン中尉は魅力的だが、感情移入できない。彼の生い立ちが描かれないからかも。
登場人物が多すぎて、誰に感情移入して見ればよいのか分からず、結果誰にも共感できず。
ただ出来事だけを追って見てた気がする。
パルプフィクションほどキャラクターに個性がなく、俳優がセリフしゃべらせ装置に見えてしまった。

タランティーノがやりたい放題、楽しんで作ったのが分かるし、セリフももちろん面白い。
映画としてもすごく真っ当で、なんていうか、意外にちゃんとしている。

が、いかんせんテンポが悪い。
セリフが多すぎるし、描写もまだるっこしい。
あと40分尺をつめてメリハリをつけていれば、相当面白くなったと思う。

映画は長ければいいってもんじゃない。

『小太郎の左腕』和田竜

『のぼうの城』作者による戦国エンターテイメント最新作。

領地を境にして戦を始めた戦国大名、戸沢家と児玉家。
猛将・林吉右衛門がひとり気勢をあげるも敗戦濃厚な戸沢家は、追い詰められた挙げ句に城守戦という愚策をとる。
吉右衛門は圧倒的不利な戦局を逆転するため、ひとりの少年を徴兵した。

少年の名は小太郎。
幼いながらも鉄砲の名手で、その出自は秘密とされていた。
小太郎の鬼神の如き活躍で、戦況は大きく様相を変えるのだが…。


物語展開が自由で面白く、引き込まれる。
ちょっとストーリーが修羅の刻に似ているが。

戦国時代に生きた男たちの敵味方を問わない友情や、義を重んじる男っぷりが小気味よく、いい意味で渋い。

映画化の際にはぜひ、違いが分かる男・クリントイーストウッドに監督してもらいたい。

『スリ』中村文則

人を意のままに操り、運命を支配する

それができる者は、神と同じと言えないか?

強大な闇の力をふるうフィクサー木崎。
彼に翻弄されるスリ師の物語。

運命は平等に無慈悲で残酷だ。
人はそれに従うか、抗うか、選択するほかない。
あるいは選択すらも許されず、突然生命を奪い取られる者もいる。

ラスト、主人公のセリフにふるえた。

現代版文学ノワール。
文章にクセがなく、すごく読みやすかった。