「セクシー田中さん」の原作者芦原妃名子さんが亡くなって
日テレと小学館がそれぞれ
90ページ以上の調査報告書を公表
わたしはどちらも目を通していない
ネット上で多数見られる
解説や見解の記事を読む程度であるが
そこから見えてきたのは
日本のドラマや映画につまらないものが多い理由だった
そして
原作を貶めるような改変が行われる過程で
作品を大事にする原作者が追い詰められていく姿が
見えてくるようだった
弁護士ドットコムのコラムで
元テレビマンが語るのは
制作現場の意思決定の不安定さで
現場によって力関係が異なり
発言力を持つものが
監督だったりプロデューサーだったりカメラマンだったり
あるいはいろんな人が少しづつ口を挟んで
その場が収まるような作品に仕上げてゆくという
なんとも
作品の質軽視の制作のありようや
現場にいない原作者の意図や想いにまで
製作陣が考えが及ばない状況
まじめに
映画やドラマを見るわたしにとっては
見ながら首をかしげたり
見たことに腹が立つような作品ができる理由が
そういうことかと腑に落ちる
だからといって
それでいいという訳でなく
なんとかして良いものを作る方向に
改善して欲しいと
うすく望んでもいる
「セクシー田中さん」の漫画を読んで思うのは
登場人物たちが直面する困難さは
人それそれだけど
社会が内包する価値観や体制のひずみによって
じわじわ追い詰められてるところを
個々の努力や人とのつながりで生じるパワーで
乗り切らんとする様子が描かれてる
ここらへんのちょっとした、だけどとても重要なエピソードが
誰かさんの意向で改変されるのだろうけど
たぶんそれはいまの社会を体現してるスポンサー会社の人間の思惑
あるいはそこへの忖度か
はたまたテレビ局の体質か
女性は非正規で十分とか
女性に学歴は不必要とか
女は男に養われるものとか
女は家庭、男は会社とか
21世紀の近代社会とは思えない女性軽視の社会的価値観が
厳然と根づく日本社会を
正面から批判するのでなくとも
少しでも見せられると気まずい思いをする者たちが
ここはこうした方ががいいんじゃないか、なんて
気楽に、だけど有無をいわせず圧をかけてる場面が
目に浮かんでくるようだ
まさに
そういうところを詳細に
良い原作がいかにクソつまらない駄作ドラマや映画に
大金を投じて作られてゆくプロセスを
オリジナルの脚本で
ドラマや映画にしたら痛快だろうなぁ
と思ったりもした
見る人も大事ですね
つまらないドラマや映画を支持してる人たちって
どういう心理状況なんだろうか?
漫画「セクシー田中さん」は
社会問題とそこに直面するひとりひとりの苦悩について
教えてくれて考えさせてくれて
笑ったりほっこりしたりちょっと涙したり
とても面白い作品
7巻まで読んだけど
8巻は出るのだろうか?
結末は未完なのだろうか?
ほんとに作者の方が亡くなられたことは残念です