「棒銀」成功図からの勝ち方(その3) | カクザンのブログ(岡山市の親子将棋教室)

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子どもたち、保護者の方に、将棋の楽しさ・魅力をお伝えします。次回教室は高島教室が7/21(日)、津山おもちゃ図書館将棋教室が8/4(日)の予定です。また奉還町将棋イベントを7/20(土)の13時~18時30分まで開催予定です。

前回の分岐図で、後手が△2二同飛と取った場合にどうなるかをみていきます。

 

(分岐図 ▲2二成銀まで)

 

○分岐図からの指し手(その2):△2二同飛、▲同飛成、△同銀、▲3二飛、△3一銀打、▲8二飛成(途中図)、△2八飛、▲8四角、△4一玉、▲5一金、△同金、▲同角成、△同玉、▲5二金(結果図1)

 

△2二同飛には▲同飛成と飛交換をする手と、▲2二歩と交換しない手が考えられます。先手の「飛」に比べて、後手の「飛」は働きが悪いので、交換は少し損なのですが、交換しても先手が勝ちなのであれば、これが一番分かりやすい勝ち方になります。今回は飛交換をする変化をみていきます。▲3ニ飛は銀取りなので、後手の△3一銀打はこの一手でしょう。そこで先手は▲8二飛成(途中図)と「龍」をつくっておきます。

 

(途中図 ▲8二飛成まで)

ここで手番が後手に回るのが先手にとってはこわいところ。一番こわそうな手は△2八飛だと思いますが、この瞬間、後手の持ち駒が「歩」だけになったことに気が付けば(初心者にはムリ?)、▲8四角が絶妙手となります。以下、△4一玉の一手に▲5一金以下、後手玉は即詰みとなります。

 

(結果図1 ▲5二金まで)

途中図での後手△2八飛は悪手でした。そこで、この手に代わって、後手が△5二金と受けに回った場合の変化をみていきます。

 

○途中図からの指し手(その2):△5二金、▲8一龍、△4二玉、▲7六歩、△4四歩、▲3八金、△2八歩、▲同金、△2七歩、▲3八金、△2五飛、▲2六歩、△8五飛、▲3四桂、△3三玉、▲2二桂成、△同玉、▲2三銀、△同玉、▲3一龍、△3二銀、▲2二金、△2四玉、▲3二龍(結果図2)

 

先手は▲8一龍で「桂」を取ります。王手なので後手は△4二玉。そこでいったん▲7六歩と角道を開けておきます。これは後手からの△8七歩を受けたのと、後手玉が「3三」から上部脱出されるのを防いだ一石二鳥の手です。後手の△4四歩は高等手段。先手が▲同角なら△3三銀と上がる手が角取りになるという意味です(「大駒は近づけて受けよ」という格言があります)。先手は一回▲3八金と上がって後手からの△2八飛を防いでおきます。これで先手は必勝形なのですが、初心者の方のために続けます。△2八歩はイヤな手だと思いますが▲同金と取ります(後手の△3九飛には▲4九金で大丈夫)。つづく△2七歩には▲3八金と逃げます(▲2七同金にはこんどこそ△3九飛が成立)。後手が強引に△2五飛と打ってきても(次の△2八歩成が狙い)、▲2六歩と打って大丈夫です(△同飛には▲1五角の王手飛車)。仕方なく後手は△8五飛と8筋に回りますが、ここで先手に攻撃の手番が回ってきました。以下は、▲3四桂から相手の守り駒をはがしにいくのが分かりやすい展開だと思います。

 

(結果図2)

今回は分岐図から飛交換に応じる展開をみてきましたが、相手の持ち駒に「飛」を渡すので少しこわい変化だったと思います。次回は飛交換をしない安全な勝ち方をみていきたいと思います。

 

その4へ続く。

 

 

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