一方、指導対局での「手加減」には色々な方法が考えられます。下手の得意な戦型に誘導するのもそうですし、ワザとミスをするのも手加減といえるでしょう。しかし、大事なことは、「手加減」していることを、なるべく下手に気づかれないようにすることが上手には求められます。なぜなら、一般論として、自分が相手に「手加減されている」と感じることは面白くないことだからです。この点で、「手加減」は微妙な問題をはらんでいるといえます。指導対局で「手加減をすべきでない」と主張する指導員の方の主張の1つがこの点にあると思われます。だからこそ「手加減」には「技」が必要であり、「上手に手加減をする」にはどうすればよいかを考えておかなければならないわけです。
「上手に手加減をする」ための必須条件は何か?カクザンは、下手の狙いを理解することだと思います。下手がなぜその手を指したのか?これが分からないことには、「正しい手加減」(ヘンな言葉ですがw)は不可能だと思います。
白状しますと、実は、カクザンは指導対局が下手です。この「手加減」が非常に下手くそなのです。下手が初心者であればあるほど、相手の狙いが分からないことが多いです。会心の「手加減」の一手を放つためには、できるだけ早い段階で下手の狙いを看破しておく必要があり、時には周到なヨミを入れるのですが、このヨミは大体において外されます。そして、気が付いた時には、もはや取り返しのつかない局面になってしまっていることもしばしば・・・。
まあ、初心者対象の指導対局は、それが当たり前の姿なのだと思います。最近では、カクザンも開き直って、出たとこ勝負の「手加減」にまい進しています。