次に、自転車新文化の今後の取り組みについてお伺いいたします。
自転車は、環境にやさしく、健康的、経済的であり、小さな道でも自由に行き来できるため街の商店街にも立ち寄りやすく、
車社会がもたらした今の社会問題を解決できるものであり、今では全国的にも観光や街づくりのツールとして活用されています。
中でも、中村知事は全国に先駆けて自転車新文化という新しい概念を生み出し、
自転車を通した「健康」や「いきがい」、「友情」づくりを積極的に進めてこられ、その発想力と行動力に敬意を表します。
さらに、中村知事は、国際サイクリング大会の開催をはじめ、四国一周サイクリングルートの設定など、国内外からの観光客の誘致や、
サイクリストのおもてなし態勢を整備するとともに、県民の自転車利用の促進や安全利用に資する「自転車安全利用促進条例」を制定するなど、
様々な施策を実施されており、最近、県外に行くと「愛媛県は自転車施策が進んでいますね」というお声かけをいただく機会が多く、本県の取組みは他県の模範となっていることを実感しています。
私自身も県内のサイクリング大会に参加させていただき、風をきって走る爽快感はもとより、
終了後には参加者と互いに健闘を称え合うことで、いきがい、友情づくりなどを直接肌で実感したことを思い出します。
また、昨年視察に訪れたフランスでは、大規模な自転車施策が進められていることを目の当たりにしました。
かねてから交通渋滞と大気汚染対策が課題であったパリ市では、2007年にコミュニティサイクル「ヴェリブ」を導入し、
市内に約300m間隔で無人駐輪場を配置しています。24時間好きな場所でレンタルが可能となっており、観光客も含め30分以内であれば無料で利用できます。
導入以来、1日に5万台を超える自転車が利用され、2009年には近隣の30自治体に広がり、さらに2011年には利用台数が1億台を突破したとのことですので、
その規模の大きさが伺えます。
また、パリ市内にはサイクリストが集うサイクルカフェも多く、自転車が人々の居場所づくりにも寄与していました。
自転車がもたらすメリットは多く、スロージョギングの第一人者である福岡大学身体活動研究所の田中宏暁元所長によると、
自転車はジョギングと同様に有酸素運動となり、前頭葉機能や認知機能が向上することから、仕事の効率化のほか、
認知症やうつ病などの予防にもつながるとのことであります。
このほか、自転車は子供から高齢者まで誰でも気軽に乗れるため、イベント等を通じた多世代交流にも取り組みやすいのではないかと考えます。
県の自転車新文化の概念や施策は、広く浸透し成熟してきていると思いますが、
今後、超少子高齢社会の到来に備え、健康づくりや多世代交流の場の提供など、
さらに一歩進めた施策が必要になるのではないかと考えます。
そこでお伺いいたします。
自転車新文化のさらなる拡大を図るための
「健康」や「いきがい」、「友情」づくりに向け、今後どのように取り組んでいかれるのか、お教えください。
愛媛県議会インターネット議会中継
石井智恵(録画)