本日開催された農林水産委員会で担当課からの報告について概要をまとめました。以下の通りです。
議題「本県畜産業の現状と振興方策について」
1現状
1)農業産出額から
○愛媛県の畜産産出額は245億円(農業全体の約2割、果実に次ぐ2位)
○平成3年の牛肉輸入自由化により大きく減少しその後、300億円前後で推移
2)家畜飼養
○乳用牛→頭数、農家戸数ともに減少しているが、乳用子牛は増加している
○肉用牛→頭数、農家戸数ともに4割以上減少しているが和牛母牛頭数は増加
○豚→飼養件数は減少しているものの農家の規模が拡大し、出荷頭数は平成22年より横ばい
○採卵鶏→農家戸数は減少しているものの農家の規模拡大により近年は3万トン前後。
○肉用鶏(ブロイラー)→飼養戸数は減少しているが、農家規模拡大により、出荷数は450万羽前後
*地域別の家畜飼養は南予地域が全体の6割を占めている。
3)畜産経営の現状
○畜産経営の所得は近年回復傾向
4)担い手
○深刻な高齢化、後継者不足
養豚、養鶏は法人経営が6割以上
5)国際貿易協定の影響
TPP、日欧EPA、日米貿易協定の発効により、県産畜産物の販売額は豚肉を中心に全体で約9億円~19億円が減少を懸念。(輸入畜産物の増加となる可能性がある)
2競争力強化に向けた振興方策
1)畜産クラスターの推進
地域ぐるみで畜産収益力の向上を目指す「畜産クラスター」の体制をつくる
(愛媛県内では23の協議会が設立している)
2)国の畜産クラスター関連施策
○施設整備事業では本県の事業実績はないが、現在2件の事業所が活用の取り組みを希望している
○機械導入事業では平成26年から198件実施、補助金の合計額は4億円、飼料生産効率化、家畜飼養管理効率化、堆肥生産効率化を実施
3)愛媛県独自の畜産クラスター関連施策
○地域の畜産の発展のための整備を実施、規模拡大を要件化しない愛媛県独自の支援策を実施
4)酪農振興
○後継者不足のため公共牧場で高能力雌牛の増頭を推進→高能力牛への性選別精液の利用促進
○スマート畜産の導入
3販売強化・消費拡大
1)ブランド畜産物の開発
「愛媛あかね和牛」「愛媛甘トロ豚」「媛っ子地鶏」などを開発し、県内外へ展開
2)愛媛あかね和牛など競争力の高い県産畜産物の海外展開
3)地産地消の推進
○学校給食へ
○畜産女性ブループの活動
4技術支援
○家畜管理の高度化、バイオテクノロジー、スマート畜産などの技術確立など
5スマート畜産
○5Gの整備、AI、ICTの活用など
6家畜防疫の取り組み
衛生指導、疾病診断、防疫演習、消毒など
畜産関係では、どの分野にも共通する、後継者不足などの問題がありますが、規模拡大や技術開発が進み、ある程度維持できている状況でした。
質疑応答などについて引き続き報告していきます。