【フランス訪問報告】
〜日本政府観光局(JNTO)〜
こちらは日本に観光に来るフランス人の方に向けてインバウンド・ツーリズム(訪日旅行)のプロモーションやマーケティングを行っている場所です。
フランス人の日本への関心は高く、2015年では15万人でしたが、2018年は過去最高の30万人を突破しています。
主な訪問地は多い順から東京、京都、千葉、大阪、広島。日本の主要都市が中心ですが、しかしながら今は有名な観光地に飽きている人も多く、まだ誰も行ったことがない場所、とくに四国は「お遍路」「瀬戸内国際芸術祭り」が人気で注目されている土地であるとのこと。電話がつながらない未開の地なども関心が高い場所になっています。
訪日外国人の1人あたりの消費額は世界の中でフランス人が一番多いというデータがあり、
視察では愛媛県が今外国人観光客誘致に向けてどのような取り組みを行っているのかを説明し、愛媛に来て頂くために何が必要なのかなど意見交換を行いました。
主な内容をまとめてお伝えしたいと思います。
まずはアプローチをどう行うのか?
1 愛媛県を知ってもらうには?
日本の中での「四国」「瀬戸内海」という枠でアプローチしていくこと。
とくに広島県から愛媛県に入ってもらう方法が有効的。島根県、松江などは積極的に広島からの観光客を誘致しており隠岐の島など人気があるとのこと。
2 SNSをフルに活用した情報発信のポイントは?
日本人の目線ではなく、フランス人の目線でコンテンツを作らなければならない。動画は人気だが、とくに若者向けにはテンポの早いものが必要。
実際にフランス人に散歩をしてもらい、日本人が気がつかない普段の何気ないものの良さを掘り起こしてもらうことが大切。
3 パンフレットは?
フランス人は文章を読むのが好きであり『テキスト文化』に対応すること。
「読んでもらい、関心を高める」工夫が必要。いかにも観光ガイドブックのようなものではなく、テキストのようなものが好まれる。実際にJNTOが発行しているパンフレットを見せて頂きそのポイントをお聞きしました。
4 文化の視点が大切
「祭り」「躍り」が好きであり、その歴史や背景を知ることを好み、躍りに使う道具を作っている場面を見せるなど単に見せるだけではない、さらに奥深く理解できるための説明があるとよい。様々な質問に答えてもらえる「ガイドの力」が大切である。
5 時期は?
4月のイースターの頃、桜が見れる時期や10月末〜11月初めの秋休みの頃に来る方が多い。夏休みはヨーロッパなど近場で長期バカンスを楽しみ、クリスマスは家族で過ごすことが多いためあまり来ない。
6 民泊などでの宿泊に関しての希望は?
普段のライフスタイルに近いものが安心できる。ベッドで寝る、朝食はコーヒーとパンなど日常やっていることに合わせた宿泊が好まれる。布団やご飯、味噌汁、焼き魚などの朝食は1回ならよいがずっとはあまり好まない。
(日本人が旅館に宿泊するような感覚でのおもてなしは必要ない)
7 「本物志向」へのアプローチ
日本は富裕層向けの対応がほとんどない。JNTOでは瀬戸内海をクルーズする「ガンツウクルーズ」のモニター体験を実施。茶道体験など日本の本来の伝統文化に触れる体験ツアーが人気。
他にも様々な意見交換を行い、何が求められているのかを聞きながら、いかに知って頂き、訪れてもらえるようにできるのか、直接会話を通して話し合うことができました。
自然が多く、伝統文化を大切にしてきた愛媛県の魅力は多くの外国人の方に訪れて頂ける要素が十分にあり、
そのアプローチの方法や受け入れ体制は今までの考え方ではない今必要とされてあいることに焦点を当て展開していく必要性を強く感じました。
さらにはヨーロッパなどの現地において直接アプローチするためのアンテナショップ的な機関での情報発信の必要性を感じました。
明日は多文化共生社会のための国際交流を知るため、自治体国際化協会パリ事務所に伺います。