④【オランダ訪問報告】
〜農業・自然・食品品質省訪問〜
市場、教育・研究機関のあとは政府機関を訪れました。
安倍首相が2014年にオランダを訪問し、日本の農業政策はオランダの施策に影響されているといわれています。
そのため、オランダ農業を知ることは日本の農業の今後を予測していくために非常に重要なことであると私は思っています。
その上で愛媛県としてどうあるべきかを考えていきました。
そのオランダ政府ではかつては「農業・自然・食品安全省」として食品安全、品質、動物愛護、土地利用、コミュニティ農業に関して「持続可能であり、国際競争力のある農業を促進しました。
2010年に省庁再編で経済省に統合、「選択と集中」による『ビジネス農業』を推進。
2017年に再編して「農業・自然・食品品質省」に移行しました。
オランダ農業の特徴である『少品種大量生産』を可能にしているのはヨーロッパ最大の貿易港「ロッテルダム港までの流通ルートを確保していることと
政府が取り組む『グリーンポート』の存在です。
アメリカのシリコンバレーのような農業に関して種苗会社や建設、機械、エネルギー、金融、輸出コンサルなど施設園芸に関してあらゆる企業、機関が集まる『フードバレー』をつくり出していることが最大の強みだと思いました。
担当してくださったオランダ政府関係者の方から現在の取り組みと課題、そして現在の日本との関係について説明がありました。
これほどまでに成長したオランダ農業も日本と同様に高齢化や人手不足に悩み、そのため少人数でも大量生産できる効率的な施策を推進しているとのこと。
とくに日本とは『ロボット開発』で連携を取っているとか。
例えば「搾乳ロボット」で搾乳する際110のデータが分析できるようにし管理できるようにしているそうで驚きました。
日本の筑波大学と連携し世界150カ国850万人が定期購読されている「ナショナルジオグラフィック」にも取り上げられています。
またグローバルビジネスの戦略として9つの産業を「トップセクター」に指定し、循環型農業を推進しているとの説明がありました。
今回の意見交換の中で愛媛県の農林水産の最大の課題でもある海外からの感染対策についてお聞きしたところオランダでもかなり難しい分野だといわれ
過去の分析によって安全な流通ルートを確保しているとの回答でした。
オランダ農業をそのまま日本に導入することは気候、風土、文化、価値観などが違っているなど全てを取り入れていくことはできませんが、
日本と同様に少子高齢化を迎えて、労働力不足、環境汚染、そして世界の食料自給率の低下などは共通のテーマとなっています。
農林水産分野で日本政府とオランダ政府とが互いに交流を深めている現在において
愛媛県としては自然と調和し、地域経済の発展を目的に循環型農業を推進しながら、放棄された農地の活用やICTや機械による効率化を行っていく農林水産分野の施策を考える題材になりました。
またこれからさらに考えていきたいと思います。
愛媛県議会議員としてオランダ政府に直接出向き、意見交換をさせて頂いたことを担当者の方から感慨深い思いでいるとのお言葉を頂きました。
建物の前には私達の訪問を歓迎して日本の国旗🇯🇵も掲げてくださっていて感激しました。
担当者の女性の方は日本に精通していて日本語も上手で、愛媛県にも訪れたいと言って頂き本当に嬉しく思いました。
貴重な訪問の機会を頂き心から感謝しています。