【オランダ訪問報告】
〜アールスメール花市場〜
現地通訳の方とアールスメールのスタッフのマリスカさんに案内頂き説明を受けました。
アールスメールの歴史は1911年、花の生産者が街まで売りに来た帰りにカフェで話をしていた時、「みんなが集まって販売し、情報を共有しようじゃないか」と
バーのビリアード台の上に花を置いて販売していたことから始まったとか。
オランダの生産者は
「一人よりも多くの人が協力して何かをしよう」とする気質があり、この市場は
「生産者にとって一番よい方法を」
という考え方の元で「花の鮮度」を最優先に今のような世界規模の市場へと広がっていったことにありました。
今では世界中から年間約4万〜5万人の見学者が訪れ、サッカー場220個分という広大な敷地に年間1250億本の花が集まってきています。
生産者から運ばれた花はバーコードにより管理され、巨大モニターでセリにかけられ、輸出するものはその日のうちに車で20分ほどのスキポール空港から空輸されます。
オランダの花の約8割〜9割が輸出されており、鮮度を保つために先進的な流通システムと短時間で運べる立地を整備しています。
ここでは仕分け作業に500人、市場全体で約32
00人の人が働き、
アールスメールの市場に加盟している生産者は約4500団体。
取引きは相対取引が半分、直接生産者と話しをして売買され、残った花をセリにかけられています。
セリはオンラインで遠隔地から参加でき、4〜6秒で落札されていきます。
多くの業者は自社内にディーラー室をもっていて実際にセリに来ている人は一日20人くらいとか。
世代交代により、年齢が若い業者はオンラインを好み、古くからセリに参加している人は今も直接買い付けに来ているそうです。
市場内には当時のセリ場の現場を残している場所があり、また移転した跡地には当時の建物を残し、レストランやテレビスタジオが併設され100年以上前からの歴史を後世に伝えています。
時間があればこの施設にも立ち寄ってみたかったです。
先日、農林水産委員会で豊洲市場に伺いましたが時代とともに移り変わる時に何を最優先するのか、
『市場』を考える時に直接扱っている生産者の声が尊重され、互いに助け合い情報を共有しながらより効率的な方策を考えることが結果的にうまく行き、成長していくことができると感じました。
また、常に歴史を振り返ることができるように次世代に伝えていくことを忘れてはならないと思います。
愛媛県の農林水産業においても規模は小さくても市場の在り方は同じことが言えると思います。
これからの一次産業を考えていくにあたり、アールスメールの考え方はとても参考になりました。
市場を後に道を走ると花を積んだ色鮮やかで洗練されたデザインのトラックと多くすれ違いました。
ガソリンスタンド横のショップには花のアレンジメントも置かれています。
「花の国オランダ」のイメージを随所に感じることができました。
市場の後は世界の最先端をいく
「農業大国オランダ」を知る視察へと続きます。