土星の品格
内容:土星はどうあるべきか? 土星の成分、構成物の分析だけでなく、その姿の美しさにも魅了された、藤澤清灯短期大学準教授の香椎滋朗が提唱する、土星の端正な美。「輪をもって尊しとなす」。
評価:★★★★
感想:女性の品格からはじまり、いつのまにか増殖しまくっている品格ブーム。だじゃれが得意な明譚社新書が満を持して送り出してきたのは『土星の品格』。タイトルはだじゃれだが、中身は驚くほど真剣な土星論。伝統に基づく土星らしさとは? 自然とにじみ出る土星の美しさ……。宇宙開発が停滞する中、あらたな土星像を考える一冊。
酸素取得権
酸素取得権―究極の環境トレード、その光と影―
エンゾ・ヴィットーリ、霜鳥貴好訳、投資金融ニューズ社
内容:炭素排出権(カーボンクレジット)に続く第二の環境取引として脚光を浴びるのが、酸素取得権。このまま環境破壊が続けば近いうちに水没の危機にさらされるという南太平洋の小さな島、ティキアイカイ島に、世界最初の酸素取得権市場が開かれた。各国のグローバル企業が注目し、ついにあのリヤド危機の立役者までが動き出す……。
酸素の価格が上昇し続ければ、いずれ日本から酸素がなくなる日もくるかもしれない。環境金融工学のパイオニア、震撼の警告!!
評価:★★
感想:ガソリンは少し安くなったが、相変わらず食べ物は高いまま。大好きな菓子パンが同じ値段で5つ入りから4つ入りに変更されたときは悲しかった……。
酸素取得権がどれだけ私たちの生活に影響するか分からないが、この本を読んでいると恐ろしくなる。金持ちの国しか酸素を吸えず、下手をすると日本であっても酸素を買い負けして息苦しくなるとか! 絶対に生きるのに必要なものや世界的に深刻すぎる問題を経済に絡めていいのか。真剣に考えさせられる。
ハミル・クッカアの魔法學校(旧仮名遣ひ文庫)
![ハミル・クッカアの魔法學校](https://stat.ameba.jp/user_images/53/5e/10082605000_s.jpg?caw=800)
ハミル・クッカアの魔法學校
イライザ・T・ジョウンズ、椙村明乃訳、暁空書房社
内容:イギリスで生まれ、世界中で大ベストセラーとなった傑作ファンタジー『ハミル・クッカーの魔法学校』が、旧仮名遣いで翻訳決定! 魔法世界のファンタジックな雰囲気と、旧仮名遣いのレトロ感が新たな世界を創造した。
評価:★★★
感想: 最近、なぜかブームの旧かなづかい本。いわゆる若者向けのライトノベルでも、旧かなづかい版が売れて話題になったが、ついにあの世界的ファンタジーまでもが餌食に。
「おゝい、お願ひだから妖怪馴致學(えうくわいじゆんちがく)のノオトを貸しておくれよ。」
「佳(よ)いけど条件(でうけん)があるよ。今月、僕は貧乏(びんばふ)だから、お八(や)つのライス・プヂングぐらゐ奢(おご)って欲しいな。」
「ちえつ、全く君はゼントルマンぢやないね。」
いったい何時代のどこの国の本なのか……。味があるようでもあり、ないようでもある。しばらくこのブームは続きそうだ。
キャバクラ嬢の手相100
内容:歌舞伎町、六本木、池袋、銀座。キャバクラ四大都市から人気キャバクラ嬢100人の手相を収録した、手相シリーズ第2弾。二重人格線、小悪魔線、清純線など、詳細な解説付き。「手相の勉強になる」「キャバクラで会話が途切れたときに役に立つ」「女の子の手を握りやすい」と反響続々。
評価:★★★
感想:キャバクラには若い頃、先輩に誘われて2~3度行ったが、そんなにハマるほどではなかった。売れっ子キャバクラ嬢とはどんな手相の持ち主なのか、純粋に興味があるが、どうやら一般的には、手を握ってスキンシップが取れる小道具としてこの本は人気があるようだ。第3弾は、『ナースの手相100』。病院の中限定でベストセラーになりそう……。
回覧板をまわすマナー集
ステキな貴女のマナー集・8 回覧板をまわすマナー集
墨沼すみ江、家友社
内容:今さら人に聞くのも恥ずかしい、でも、他人に迷惑をかけるわけにもいかない……。そんな、マナーの時代を生きる貴女のバイブル。第8弾は、回覧板を回すマナー集。「回覧板は何時ごろ回せばいいの?」「お隣さんが不在の場合はどうする?」「回覧板と一緒にいただいたおみやげへのお返しは?」など、実用的な項目多数。
評価:★★
感想:今や、マナーは本で勉強する時代になったが、回覧板まで……。普通に笑顔で渡せばいいのでは? という気もするが、回覧板のない地域から急に引っ越してきたら、ちょっとは戸惑うかも。付録の「とっさのあいさつ 100例」には笑った。「ご主人、忙しいんですって?」「お義母さまはお元気?」はまだしも、「息子さん、ここのところ見かけないわね」「こないだ来ていた若いお嬢さんはどなた?」なんてケンカを売るようなものも……。
ちなみに、予告されている第9弾は、『道で右によけようとしたら相手も右によけてきたときのマナー』。ますます細かい。
仕事力を16時間時計で劇的に伸ばす
仕事力を16時間時計で劇的に伸ばす
乙幡悠二、マクダック・ジャパン
内容:来た! ビジネス界の時計革命。1~16までの文字盤が、あなたの能力を劇的に変える。約1.33倍の速度の時間感覚に慣れておけば、通常の12時間制に戻したときの仕事効率がUP。
「筋肉と同じように、時間感覚にも負荷をかけることが有効と考えられる」――カナダ・クラウドナイン大学シオドア・S.クローバー博士。
評価:★★★
感想:通販を中心に、ビジネスマンにジワジワと広まっている16時間時計のマニュアル本・活用本。スイスのブランドと提携したおしゃれな16時間腕時計も発売され、大ブームの予感さえする。実際に時計を買ってないので、効果のほどはわからないが、楽しいときは速く過ぎて、辛いときは長く感じるわけだから、時間感覚を鍛えるのはアリかも。1.33倍速い時間に慣れれば、普段の世の中はスローに見えるのか? しかし、待ち合わせには危険な時計だ……。
どうせなら薔薇花粉症になりたい
![どうせなら薔薇花粉症になりたい](https://stat.ameba.jp/user_images/d4/5c/10049065058_s.jpg?caw=800)
どうせなら薔薇花粉症になりたい
玉野祐剛、ドラゴンライン・ファクトリー
内容:舞台の上でもマスクとゴーグルは欠かせないというほど、花粉に敏感なお笑いコンビ・いりこだし2倍の玉野が、花粉症に一喜一憂する半生を振り返った自伝的小説。「スギ花粉症では当たり前すぎてモテやしない。こうなったら薔薇花粉症になってやる!」。初めてのギャラを薔薇につぎ込んだタマノに呆れる相方のヤギュウだったが……。
評価:★★★
感想:これからの季節、花粉症は本当に辛い。ただ、これは一種の国民病。ゆううつになるより、対策をしっかり取って前向きに過ごそう! そんなポジティブなメッセージが伝わってくる。コンビの定番ネタ「スギですか?」「ブタクサですよ」が生まれたエピソードは爆笑もの。実話をもとにしているのだろうが、全体的に哀愁も漂っていて純粋な小説と考えてもなかなかのデキ。
世界の爺や650人
世界の爺や650人
ジュンコ・K・ブランチフラワー他、風塵堂出版局
内容:『世界のプリンセス280人』『世界の宝石商440人』に続く、世界人物紹介シリーズ第3弾。グローバルな視点で、爺やの魅力を再発見できる1冊。ヨーロッパ小国の王族付き爺やから、将軍家ゆかりの爺やまで、すべての爺やがここに集う。
評価:★★★
感想:小説にはよく出てくるが、思えば、爺やに実際に会ったことってないかも。世界中にはいろいろな爺やがいるもんだなあ。包容力があってどっしり構えている爺や、眼鏡が厳しそうな爺や、30歳の若さにして爺や……。それぞれの教育方針や、お坊ちゃまのいたずらエピソードなどが入り、読みごたえもたっぷり。すっかり爺やファンになってしまった。雇うならフランツかな。
1食1万円以上のおかず
内容:大反響! セレブな奥様必見の“手軽”で“おいしく”“値段が張る”三拍子そろったレシピ集。どのおかずも、必ず1万円オーバー。“よそさまの献立の数十倍”という最高の調味料を食卓に。
評価:★★
感想:料理好きの姉にこの本を渡したら殴られた。「国産熟成フォアグラのフォアニラ炒め」、「鳴門うず潮若鯛のフィッシュバーガー」、「ゴールデンパイナップルのカリカリ酢豚」……。とにかくもったいないレシピ連発。ただ材料費を増やすためだけに考案されたような……。調味料にもこだわり、「しょう油 大さじ2杯(古醤油丹波の生豆かめ造り10年もの。ない場合は、タカユタカ木桶二段仕込み「万秀」でもオッケー)」。「オッケー」と気軽に言われても、3000円以上しますが……。
ベロ火傷ダイエットにだまされるなにだまされるなにだまされるな...にだまされるな!
ベロ火傷ダイエットにだまされるなにだまされるなにだまされるなにだまされるなにだまされるな!
田中館智文、ゴールディロック社
内容:舌をわざと火傷して、食欲を抑える人気のダイエット法に初めて異を唱えた著者による反論本に対する反論本への反論本に対する反論本への反論本。ダイエット提唱者・山城せいら氏の捨て身の反論にまたまた著者がキレた!? 自身の生い立ちも告白。
評価:★★
感想:今やおなじみになった2人の反論本争い。ダイエットが効果的かどうかはもうどこへやら、最近はただの罵りあいになっている。「あなたの頭の上のおしゃれも取って、正しい体重を公表したらいかがですか?」とあっちが言えば「お顔に描かれている現代アートを落とせば、2kgは痩せられるのでは?」と返す。あと何弾続くのか? なんとなく夫婦漫才を見ているようで、楽しみにすらなってきた。出版社同士の仕掛けに乗せられてんのかなあ……。