大島からの手紙・・偽りの恋編 | 大島からの手紙

大島からの手紙

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そんな訳で皆んな元気かー!
あれから40年ついに「赤いちゃんちゃんこ」の日が来たのかぁ。
今日の一曲目は5月の爽やかな風の日にピッタリのオリビアニュートンジョン「そよ風の誘惑」でいくのだ。

まぁ何にしても「還暦を祝う会」を企画してくれた面々には感謝なのだ。
振り返ればこの60年色々皆もあったと思うが、今生きていることが一番良かった事なのだ。
幹事の皆様ご苦労様です、まぁつのる話は当日のお楽しみという事で。

話は突然飛ぶのだが、矢島豊の永遠のアイドル「岡村孝子」の白血病の件はビックリしたのだ。
なんせ「孝子クラブ」の会員NO.7の豊だから、彼の青春はこの人なくして語れないのだから。
20代の青春の全てを孝子に捧げた豊もそうとう辛かったと思うのだ。

その頃の俺は、矢島の付添人&ボディガードとして孝子のコンサートにはよく同伴したものだ。
真夏の横浜アリーナからクリスマスコンサートまで、まぁよく行っていたなぁ。
その頃、矢島も私生活で色々な悩みや仕事のストレスを抱えていて、彼女の歌を聴いては慰められたり勇気をもらったりして「また明日も頑張るぞー」と言っていたものだ。

コンサート会場では「夢をあきらめないで」がかかると豊は必ず、目からキラリと光る涙を流していたのだ。
俺もそんな豊の隣で、心の中では泣いていたのだ。
そんな青春の1ページが蘇ってきた今日この頃なのである。
早く元気な姿でまた豊の前に戻ってきてほしいものだ。

さてこの辺でコーヒータイムだ。
今日は暑いのでアイスコーヒーなのだな。
さぁそんな訳で今日の2曲目はご存知チューリップの「虹とスニーカーの頃」で決まりなのだ。

そう言えば財津さんも今は闘病中なのか、あまり出てこなくなってしまったよなぁ。
またあの切ない声で「サボテンの花」を聴きたいのだ。
だんだん寂しくなってくるよなぁ。

さぁ気を取り直して行くぞー!
そんな訳で今日は「偽りの恋」のお話なのである。

それは高校2年の夏休みの出来事だった。
毎日の暑さで日々ボーっとして生きていた俺に、ある日突然電話がかかってきた。
相手はまったく知らない子だった。

その子の話では彼女の友達が京商で、その友達に俺と会ってみろと言われたらしいのだ。
とにかく会って話をして欲しいとの事だった。
電話口での彼女の声は切なくて、俺の心にジーンと響いてきたのだ。

今この子に会って話を聞いてあげなければ男がすたる、今俺が助けてあげねばダメだと直感したのだ。
その頃の俺はすぐ熱くなる男だったのだ。
「分かった!今どこにいる?直ぐ行くから待ってろよ、早まっちゃいけねーよ」と飲みかけのキリンレモンを一気に飲み干してチャリにまたがり、その子の待つ公園に全速力で走ったのだった。

公園に着くと2人の女性が待っていた。
電話してきた子と、友人の子だった。
その友人の子が京商のK子で、今まで話をした事はなかったが顔は知っていた。
そしてとりあえず3人で喫茶店に入り、アイスコーヒーをグッと飲み干して身体の熱を下げた俺は、ようやく2人の話を聞くのであった。

話を聞くと、今の自分は家にいても学校にいても毎日が辛くて寂しいのだとか、何か心に燃えるものを持ちたいのだとか、そんな悩みだった。
なぜ俺と関係があるのかと思ったのだが。
K子の話では、彼女の悩みを聞いてるうちに、星野君とは話をしたこともないけれど、きっと彼女を元気づけてくれるってひらめいたのだそう。
まぁそんな理由で俺に電話をかけてきたのだった。

その時どんな話をしたのかは詳しく覚えてないのだが、2時間くらい何だかんだ色々話したのだ。
帰り際に悩んでた彼女は「今日は星野君と話せて良かった、少し元気になれたよ」と満面の笑顔で言ってくれた。
そして「ありがとう」と言って、二人は夏の夕暮れの中を帰って行ったのだ。

一人取り残された俺は、まぁ俺たちくらいの青春真っ只中の奴って、誰かに心の声を聞いてもらえただけで立ち直れる時もあるんだよなぁ
と一人納得して、チャリを引きずりながら夕陽の中をトボトボ帰るのであった。

その後K子とは学校でたまに顔を合わせる事もあったのだが、お互い何も言葉は交わさず、目と目で「元気か、大丈夫か」と分かるような感じになったのである。
青春時代にはこんな事でも心が熱くなれるんだなぁ。
今もその気持ちだけは無くしたくないと思ってる俺なのである。

さぁ今日はこの辺で勘弁してやろう!
次回は「生徒会長の芳賀康明だけど何か文句あっか!」の巻に続くのだ!じゃんじゃん!
あの頃、芳賀も熱い恋をしていたからなぁ。
そんな訳でさらばじゃ!