クリス・グレンさん講演会 | おおとり駆の城日記

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子供の頃からお城好き 今までに巡ったお城の感想 その他どうでもいい趣味のことなどあれこれ綴っていきます

先日私のブログでもご紹介した「れきしる小牧」のオープン記念講演会があったので、再び小牧まで行ってきました。



講演者はクリス・グレンさんです。
クリスさんはオーストラリア出身。地元愛知ではDJとして活躍されていますが、日本の歴史・文化に魅せられ、甲冑や刀剣に造詣が深く、もちろんお城に関しても日本人顔負けの知識をもち、日本一?の外国人城ヲタクを自称しています。クリスさんが日本で初めて訪れたのは江戸城。今の皇居ですね。石垣の見事さに一目惚れしたそうです。
それ以来25年でなんと約450箇所の城跡を訪れています。(しかも名古屋城にはなんと796回登城!)
れきしる小牧の展示説明で英語訳のあるものはクリスさんに監修をお願いしたそうです。ちなみにクリスさん枡形を"Death spot"と意訳されたそうです。nice!
講演では流暢に日本語をあやつり、ユーモアたっぷりな話術で参加者のみなさんを魅了します。

さて、今回のテーマは「クリス・グレンから見た愛知県の城」
日本全国にはかつて5万もの城や砦がありました。そのうち愛知県には約3600、岐阜県約3000、静岡県約950と全国でもトップクラスの数の城が集まっていました。(全国一多くの城跡があるのは兵庫県の5000)

東海地方は平野が多く、古くから農業が盛んでした。また海や大きな河川があるので、海運にも恵まれ、東海道、中山道が交わる交通の要衝でもありました。京にも近いこの地から天下人3人が相次いで登場したことは決して偶然ではありません。城の数が多いのもそんな理由からとクリスさんは説明されました。

クリスさんが独断と偏見で選んだ愛知の城ベスト10がスライドで順番に紹介されました。

1位 名古屋城
2  犬山城
3  小牧山城
4  清須城
5  岡崎城
6  足助城
7  小原市場城
8  吉田城
9  西尾城
10  大高城 

この中で7位の小原市場(おばら・いちば)城は私もその名前を知りませんでした。愛知県内で唯一竪堀がみられる中世の城だそうです。勉強不足でお恥ずかしい。私個人としては長篠城か古宮城が入ると思っていた・・・

また小牧山城といえばこの人、小牧市教育委員会考古学専門員の小野友記子さんとのトークセッションもありました。

2008年から始まった小牧山城の発掘調査の成果が紹介され、今回の第11次調査での信長の居宅跡とみられる礎石や玉石、茶碗などが発見されたことが報告されました。玉石敷が発見されるのは大変珍しく他には肥前名護屋城での例があるだけだそうです。

次の発掘調査でどんなものが出てくると小野さんは期待していますか?というクリスさんの問いに対し、もちろん信長に関連するものが出てくれば嬉しいけれども、最初からそれを期待するのではなく、発掘調査をするときは、先入観をなくし、ニュートラルな思考で臨むようにしている。そうでないと大切なものを見落とす可能性があるから、と考古学について熱く語られたことが印象的でした。

城は軍事施設であるけれども、城ができればそこに人が集まり、生活と文化が生まれる。昔も今も城は街のシンボルであると同時に日本人の文化のルーツだと思ってほしい、どうか小牧のみなさん誇りをもってください。という言葉でしめくくられました。






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