虎渓山永保寺(岐阜県) | おおとり駆の城日記

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子供の頃からお城好き 今までに巡ったお城の感想 その他どうでもいい趣味のことなどあれこれ綴っていきます

今回の城日記はお城ではありません。
岐阜県多治見市にある臨済宗のお寺、虎渓山永保寺です。


正和2年(1313年)美濃国守護である土岐氏の招きをうけた夢窓疎石(国師)がこの禅寺を開創したと伝わります。もともとこの地は長瀬山といいましたが、土岐川を背にしたその景観が中国廬山の虎渓という渓谷に似ているところから虎渓山の山号がつけられたといいます。
夢窓疎石はのちに世界遺産にもなっている京都の西芳寺や天竜寺の庭園を設計した人ですが、この永保寺の庭園も国の名勝に指定されており、「幽玄の美」を感じさせるものです。
もし京都や奈良にこのお寺があったら間違いなく人気のスポットになっていたことでしょう。しかも驚くことにここは入場無料なんです!秋には紅葉の名所として賑わいますが、どの季節に訪れても心穏やかになれる穴場のお寺だと思います。

観音堂(国宝)
永保寺の中心的建造物です。創建年代ははっきりわかっていませんが、南北朝時代といわれています。中には本尊の聖観世音菩薩像が安置されています。

開山堂(国宝)
臥竜池の西、奥まったところにあり、足利尊氏により建立されたと案内板にはありました。その真偽はともかく、室町時代初期の建築とみられています。中には夢窓疎石と永保寺の開山元翁本元の木像が安置されています

無際橋(むさいきょう)
観音堂前の臥竜池にかかる反り橋。
彼岸と此岸を結ぶ橋といわれています。橋の中央には観月台が設けらています。観音堂をバックした景観が一幅の絵画のようです。

鐘楼
除夜の鐘は一般の人も搗けるそうです。

庫裏
2003年に本堂、大玄関、庫裏が火災で焼失。2011年に再建されています。

多治見といえば最近は日本一、二を争う暑い街として有名ですが、この日は穏やかでとても過ごしやすい気候でした。

私ごとになりますが、私の両親は多治見出身で、父親の実家は今もこの近所にあります。父が高校生のころ、この永保寺の本堂の一部屋を借りて受験勉強をしていたと話してくれたのを思い出しました。何十年も時の流れが止まったかのような静かな空間です。

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