「クリス・ロックの勝手に激オコ」 2023(令和5)年3月8日配信開始 ★★★★☆

 

 

 

まだ記憶に新しい、去年のアカデミー授賞式での

「ウィル・スミス ビンタ事件」

 

 

 

 
 
去年、自分で書いたものをみると、
当初のうちは
ウィル・スミスの映画は面白いけど、

好きな俳優じゃないし

「まあ、やりかねないな」と思っていたのが
彼の行いに対しての一般的な日本人の反応に驚いて、
びっくりして書いたのが2番目の記事。
当時はかなりの少数派でしたが、今も考えは変わっていません。
 
 
当事者であるクリス・ロック。
彼は無抵抗のままその場を収め、
その後もノーコメントを貫いていたように思いましたが、
今年のアカデミー授賞式の直前に
Netflixが彼のショーをライブ配信しました。
 
あえて妻ジェイダの故郷のボルチモアで
上下白の衣装で、マイクだけを手に、大観衆の前にたつロック。
 
ライブ配信のあと、
日本語字幕付きで若干編集したバージョンも、
授賞式に前にすでに配信されていたんですね。
見逃していたんですが、
彼の口から直接、「あの事件」のことを聞きたくて、
いまさらですが、見ることにしました。
 
 
さすがに冒頭からは「あれ」には触れませんが、
 
「言葉の暴力とかいうけど、
それは顔を殴られたことのないヤツのせりふだ!」
 
これは、めちゃウケていました。
 
 
◎Selective Outrage(相手を選んで攻撃すること)はイヤだ!
 
とも言っていて、これはラストへの伏線になっていました。
「勝手に激オコ」とか、よくわかんない邦題がついていますが
もともとのタイトルは「Selective Outrage」でした。
「人を見て、ターゲットを決めて攻撃する」ことを指し、
「恣意的な暴力」というか、いい日本語訳がありません。
「セレクティヴ・アウトレイジ」のままで良かったのでは?
 
◎メーガン妃ネタ
 
「王室で人種差別された」
「生まれてくる子の肌の色はどんなになるかしら、と言われた」
とかいってるけど、
英国王室なんて、歴史的にはレイシストの大御所みたいなところなのに
知らなかったの?
いまさら、何言ってんの?
それに、肌の色がどんな風になるか、別に王室の人じゃなくても
ボクたちだってすごく興味あるし・・・(笑)
 
そもそも黒人の側からしたら、父親が白人のメーガンのことを
仲間とは思っていないらしく、
「都合のいい時だけこっち側にくるんじゃねえ!」
と思っているのかな?
 
メーガンが王室とうまくいかないのは
「人種」とは関係なく、
ふつうに婚家先との問題だよね!って言ってました。
◎カーダシアン家の呪い
 
カーダシアン家の長老、ロバートは弁護士で
昔、あの殺人犯、OJシンプソンを無罪にしたことから
「今後娘たちは黒人、
それもクレージーな黒人としか付き合わない」
という呪いをかけられたんだって。
LGBTもウエルカムだし、カーダシアン家はほんとにインクルーシブ。
 
 
◎注目を集めるための4つの方法
 
①ケツをみせる
②悪名をとどろかせる
③努力して優れた人になる
④被害者になる
 
そして最後に・・・
◎ウィル・スミス殴打事件
 
「痛かった?」とよく聞かれるけど
痛いにきまってる!今もまだ痛いくらい。
だって、モハメド・ハリやった肉体派の大男にやられたんだから・・・
 
でも、ボクは、オプラの番組に出て、被害者面はしない。
 
ジェイダは昔、息子の友だちとヤッたことを公にしたうえ
ウィルの前で堂々と正当化して、ウィルをイラつかせて・・・
問題は夫婦間のことなのに、その怒りの矛先を
力も立場も弱いボクに向けてきた。
これが「Selective Outrage」。ほんと、迷惑。
 
ボクとのかかわりは7年前、
ウィルが主演した「コンカッション」がオスカーにノミネートされなかったことに
腹を立てたジェイダが、なぜかボクにむかって
「授賞式の司会を辞退しろ!」といってきた。
ジェイダが始めたことを、今回ボクが終わらせただけだ。
 
 
なんであの時、殴り返さなかったか・・と良く聞かれる。
「自由の道」の映画のなかで
奴隷役のウィルがご主人様にボコられてるのをみて
ちょっと嬉しくなってるけど、
あの時殴り返さなかったのは、親の教えがあったからだ。
「白人の前でけんかするな!」
と言われて育ったから・・・


 

いやあ、面白かったです。

ただ、わからないことも多くて、

知らない人名が出るたびにスマホでググりながら見てました。

 

満員の聴衆のなか、たったひとりでマイク1本で

1時間ちょっとしゃべり倒すのって、すごいよね。

 

あんまりウケなかったときもあったし、

ちょっと表現まずいんじゃない?という箇所もあったけど

いいたいことはよ~くわかりました。

 

悪意に満ちた切り取り方をして

批判するのはたやすいけど、それは卑怯なこと。

1時間ぶっつづけの「芸」として評価すべきと思いました。

 

あの「事件」について、

加害者はウィル・スミスだけど、

ロックは彼には同情的で、むしろジェイダのほうに文句いってました。

夫婦の問題に自分を巻き込むな!

て思ってるみたい。

 

 

こんな堂々とスキンヘッドにして

「どう?私」

ってアピールしてる人が

「(脱毛をいじった)ジョークで傷ついた」

とかいうのは、めちゃくちゃかっこ悪いと思うんだけど・・・

 

いや、彼女は発言してないから、都合よく

「言葉の暴力の被害者」枠に収まってるだけですね。

 

都合のいい時だけ

「黒人だから差別された」

「弱い女性だから傷ついた」

とかいうの、もうやめませんか?