「ハリー&メーガン」 2022(令和4)年12月8日配信開始 ★★☆☆☆

 

 

[エピソード ①]

 

このドキュメンタリーの取材は、すべて(エリザベス二世がなくなった9月8日より前の)

2022年8月までに終えていることの断り書きがあったあとで、

2020年3月 ヒースロー空港からカナダへ旅立ち

「王室離脱」宣言をした直後のハリーの姿。(*この部分最後で追記します)

 

新聞には「女王に宣戦布告した」などの文字が踊り

悪意に満ちた報道のなか、ハリーは

「マスコミの搾取と腐敗をあばくのが私の義務と考えた」

「彼らは私たちを破滅に追い込む」

メーガンも

「誤報が氾濫するなか、ほんとうの私たちのことを知ってほしかった」

と、このドキュメンタリーの取材を受けた理由が語られます。

 

1984年9月15日

ダイアナ王妃が第2子の王子を出産、それを祝う国民たち。

退院時の映像や幼少期の家族の映像が流れます。

 

「メーガンは母に似ている」

と、ハリーはいいます。

「結婚相手には、自分の本心より、条件にあった人を選ぶ傾向があるが

決断を下すのが頭か心かの違い」

「母は心で決断してきた。私は母の子どもです(だから条件にあわなくても愛する人を選んだ)

 

「王室は『金のとりかご』で、自由がないから、

彼女ができても結婚には結びつかず、みんな私のもとを去っていく」

 

2016年10月、メーガンとの交際が明日スクープされるという日、

「ハロウィンのパーティで最後のバカ騒ぎをして楽しんだ」

「仮装しているからバレないだろうと」

 

 

[エピソード2]

 

2022年1月 ロスアンジェルス

メーガンは実母のドリアと昔住んでいた地区を訪れ

小学校の校長先生たちと会って昔話をしています。

 

「私はカリフォルニアでも治安の悪いコンプトン育ちだと新聞に書かれた」

「母親は清掃員だったとか、うそばっかり」

ハリー付きの広報官がまめに反論してくれても、きりがなかったといいます。

 

「王室にはハリウッドへの偏見があり、

私がハリウッド女優だったことも大きなネックになった」

 

2017年11月にふたりは婚約しますが、

ちょうどそのとき、EU離脱の「ブレグジット」や移民に対する議論の最中だったことも

ふたりには不運でした。

ただ、国内のアフリカ系の社会からは

「メーガンが王室に入れば、差別がなくなると思う」と大歓迎されました。

 

[エピソード3]

 

「婚約会見は、リハーサルもあり、

前もって用意されたリアリティショーだった」とメーガン。

 

「イギリスには『王室記者』とか『ロイヤルロタ(王室記者クラブ)』に

特権的な取材権を与え、税金がつかわれることの対価として

メディアへの露出が義務のようになっている」

「なので、カメラマンにサービスしないと、否定的なことをかかれてしまう」

と、ハリー。

 

「ファッションのことはハリーにも聞けないので、

なるべく目上の人たちとかぶらないように無難な色を選んで

めだたないようにしてきた」

「この家に溶け込むよう、私はあらゆる努力をしてきた」

 

メーガンはアフリカ系の母ドリアと

離婚して別居している父トーマスとのハーフなんですが

父が多額の報酬と引き換えにインタビューを受けたり

いわれるままにヤラセ写真を撮らせたりしていたことが発覚。

 

 

また、会ったこともない17歳も年上の異母姉のサマンサも

取材を受けて、あることないことペラペラしゃべり、

多額の報酬を受けていました。

 

サマンサの娘のアシュレーとメーガンは仲良しで、

ぜひ結婚式に招待したいのに、

サマンサを拒否してアシュレーを呼ぶわけにいかず、泣く泣く断ります。

 

結婚式でバージンロードを一緒に歩く予定だったトーマスも

直前になって「急病で欠席」となり、

それも、メーガンには伝えず、タブロイド紙に発表したのです。

心配で何度も父に電話するも、

父の番号から、明らかに別人からと思われるメッセージが届いたりして・・・

いよいよ明日はふたりの結婚式です。       (あらすじ ここまで)

 

(*冒頭部分の追記)

冒頭でヒースロー空港の出発ゲートが映し出され、

2020年3月の字幕が出たので、この時にカナダに移住したと勘違いしてしまいました。

カナダ移住は1月で、3月は王室の公務から離れることを宣言した時でした。

 

「今日は3月のなんにちか、火曜日か、いや水曜日か・・・」と

日付をあいまいにしてたのは、単に朦朧としていたのかと思ったんですが、

3月には王室にも極秘でタイラー・ペリーに提供してもらった家に移り住んだりもしていたし、

Netflixのためのビデオ撮影をはじめたタイミングとか、

日付をあいまいにしたかったのかもしれませんね。

 

 

 

「ザ・クラウン」を見た後にこれをみちゃうと、

あちゃ~!

というのが正直な感想。

 

明日には後半の④~⑥が配信されるというので

焦って3話をぶっ通しで見ましたけど、

合計で3時間なのに、内容、ぺらっぺらに薄いです。

時間を返してくれ!って叫びたいです(笑)

 

「メディアがウソばっかり書くから、

自分たちの言葉で語りたい」

という気持ちはよくわかるし、

ことばを選んで淡々と話していている印象なんですけど、

彼らへの同情や共感は、ふしぎなことに、起こりませんでした。

 

いつも批判ばかりされていると、

本能的に自分を守る態勢に入っちゃうのって、ありますよね。

まだ何もいわれていないのに、先回りして言い訳をしたり、

ほかの人への気配りより、自分の事情を優先したり・・・

だから気の毒な部分もあるんでしょうけど、

言っていることが筋が通らなくて、矛盾だらけ。

なのに、登場人物は好意的な人ばかりだから

誰も指摘しないのが、イライラしたなぁ~

 

王室の実情やイギリスの新聞文化の解説をするジャーナリストたちも、

メーガンの友人たちも、

いいことを言ってくれる人だけ厳選してますからね。

 

ハリーとメーガンが

「愛に満ちたカップル」で

世界中から批判を受けたことで

「より強い絆で結ばれた」

ということは伝わりましたが、

ほんとにそれだけ。

 

「頭じゃなく、心で決断してきた人生」ってドヤ顔でいわれても

それって、王室じゃなくて一般社会でもあんまり通用しないことだと思うけどね。

こんなところでダイアナを引き合いに出されても

それはちょっと違うと思います。

(ダイアナに似ている自分が、ダイアナに似ているメーガンを選んだってこと?)

 

 

①母親がアフリカ系

②ハリーより年上

③離婚歴がある

④アメリカ人

⑤ハリウッド女優

 

メーガンは、この中でも

⑤のことが嫌われる要因になったといってたけど

そもそも彼女はテレビ女優じゃなかったっけ??

(グレース・ケリーくらいのレベルになってから言ってほしいものです)

 

①に関しては障害というよりはむしろ彼女にとっては「武器」で

ジョークも差別発言になるから、もう王室メンバーは戦々恐々ですよね。

 

3時間続けて見て、感じたことは

上の①~⑤の理由が気になる人はもちろん一定数いるでしょうが

そんなことより、問題なのは、彼らの立ち振る舞い方のほうじゃないかと。

 

女王に会った時のお辞儀(カーテシー)が大げさでおかしいと

ゲラゲラわらってしゃべったり(メーガン)

20歳のとき、うっかりナチの制服を着たのは

失敗だったと話したり(ハリー)

父や義姉がメディアに露出して大金を得てることを批判してたけど

自分たちも実母を巻き込んで、同じことをやってるのにね!

 

あと、ローライズのパンツから下着をわざと見せるおしゃれもありますけど、

だらしなくてパンツが見えてるハリーの後ろ姿が何度かありました。

ふつうは、ああいうのって編集でカットしてくれない?

 

そう思うと、どれもこれもNetflixの陰謀かもね!

 

オペラ・ウィンフリーみたいな焚きつけるタイプのインタビュアーをぶつけて

「アウトな一言」を引き出させちゃう・・・

という方法はとらず、

そこはかとなく漂う「知性の欠如」とか

「王室メンバーとしての不適格さ」を多くの人に知らしめる意図かもしれませんよ。

 

エピソード③まで見て

「ハリーとメーガンが大好きになりました!」

「ふたりを応援したくなりました!」

という人だってもちろんいるでしょうが、

ある程度人生経験ある人がみたら、

「こりゃダメだ・・・」って思うんじゃないかな?

 

と思った次第です。

 

ドキュメンタリーとしてはどーにもこーにも・・・でしたが、

一周まわって、そこそこ面白かったかも。

明日の配信が楽しみです!