滲出性中耳炎と集中力のハナシ | クラニオセイクラルな日々-あたまをさわれば幸せになる

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大阪市淀川区西中島かなや整骨院院長のブログ

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出社すると「帰りたくなる」という不思議な主訴の患者さんを拝見したことがある。自分のデスクに座ると周りの音が気になってしんどくなるのだそう。ご本人は「大人の登校拒否みたいです」と仰っていたけれど普通に出勤はできるらしい。

 

頭蓋骨の動きを触診してみるとね(脳の呼吸に合わせて頭蓋骨はごくわずか膨張したり収縮したりする)、明らかに片方の側頭骨の動きが良くない。側頭骨というのは耳のくっついてる辺りの骨のことで、聴覚とか平衡感覚とかに問題のある人はたいがいこの骨の動きが良くない。

 

「子供の時にひどい中耳炎になりませんでした?」と伺うと動きの悪い側かどうかは記憶にないけれどずいぶん長いこと耳鼻科にはかかっていたらしいという。炎症は収まるけれどその時に耳の中の組織が癒着したままになっているんだろうね。

 

カクテルパーティ効果というのをご存知だろうか。電車の中とか人込みとかいろんな話し声が飛び交っている中でも、例えば自分の名前を呼ばれたのはわかるよね。そんなふうに周囲のいろんな音のなかから自分に関心のある音を取捨選択できる能力をカクテルパーティ効果と呼ぶ。

 

それでね、側頭骨やら耳周辺に癒着がある人は情報の取捨選択ができなくなりやすい。カクテルパーティ効果のしくみについてはまだよくわかっていないようなんだけれどさあ、中耳炎の既往のある人には自分に必要な情報だけでなく周囲の関係のない話もおんなじウェートで耳に届いてしまうらしいの。そうして脳はそれらの情報をいっぺんに処理しようとするもんだからすぐに疲れてしまう。

 

今回のケースだってそうだし、集中力のない子供さんを拝見してみるとやっぱり側頭骨が固いのよ。伺ってみると大抵はひどい中耳炎を経験している。ただし聴覚そのものは正常なケースが多いから、「集中力がないのは幼少期の中耳炎が原因」と説明しても大体は疑わし気な視線で見られてしまう。

 

科学的に正しいのかどうかはわからんが耳管の癒着をはがしてやると集中力がつくのは紛れもない事実。情報の取捨選択ができるかできないかと集中力には相関関係があるのよ。