齢とともにね、いろんな固有名詞が思い出せなくなる。自分でも驚きよ。そういう時オレはどうするか、というとタッピングを自分でやってみるの。
頭のてっぺん、眉尻、眉頭、眼の下、鼻の下、顎のくぼみ、鎖骨の下、わきの下を人差し指と中指の2本の指で「トントン」と叩いていく。5秒間に10回くらいのスピード。叩くのは右左どちらの手の指を使って身体のどちら側のツボを叩いてもいい。鍼灸の経穴のように正確なポイントでなくて大体そのあたりをトントンとタップする。
一通りのツボをタップし終わって深呼吸をすると、「思い出しかけているのに思い出せない」名前がひょいと出てくることがある。うまく出てこなければもう一巡。それでだめならそこで中止して。しばらくすると不思議と思い出そうとしていた名前を思い出すことができる。
タッピングにはいろんな流派があって、TFT(思考場療法)とかEFT(感情解放テクニック)が有名。もともとこれらの療法は度忘れした固有名詞を思い出すためのものではなく、記憶や感情と結びついた心身の不調を解放するのが目的だった。
たとえばオレは鰤の塩焼きを食べていて、皮の下からミミズみたいな寄生虫が出てきてから鰤が食べられなくなった。寄生虫が出てきた、という記憶が頭の中から抜けなくなって鰤が食べられない。記憶をオレの身体の中に閉じ込めているナニモノかがタッピングによって解放されることでオレは再び鰤を食べられるようになったわけよ。
記憶していたはずの名前が脳から出てこられなくなったことと、イヤな記憶が脳の中に閉じ込められたままで解放されないのはコインの裏表みたいなもんかもしれない。老化やらイヤな記憶によってカラダは緊張し、そのことによって記憶の閉じ込めが起きる。閉じ込められた記憶が表に出てこないのが度忘れで、緊張そのものによる心身の不調と同じタッピングで改善するのが興味深いと思う。
久しぶりにオレとどこかで会うことがあって、オレが顔やら頭をトントン叩きだしても生暖かく見守っていただけると大変ありがたい。


