膝の痛みの原因が転んで顔をぶつけたこと、という不思議 | クラニオセイクラルな日々-あたまをさわれば幸せになる

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大阪市淀川区西中島かなや整骨院院長のブログ

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昨日は広島市のF医院さまに伺って施術をしてきた。両膝が痛む、という患者さん。片方の膝は顆間隆起の骨折で手術の既往あり。無片方は半月板損傷でこれも観血的処置の既往がある。でもなんか膝が痛いという。仰向けに寝てもらうと両膝の裏側がベッドについていない。股関節と膝関節を軽度屈曲している状態。

 

股関節の屈曲拘縮というやつね。それでお話を伺ってみると、転倒して顔をぶつけて眼窩底骨折したという。それが治ってから立て続けに膝のケガをしたという話。顔をぶつけてケガしたのと膝のケガとに関係はあるか?と思ったのだけれど顎関節と股関節はシンクロしているし、骨折するくらいの勢いでぶつけているのなら頭蓋骨にも制限はあるだろうなと考えてまずは患者さんの頭を触診してみた。

 

動きの悪いところを調整してさて膝に取り掛かろうかと思ったら、膝がまっすぐになっているの。試しに立って歩いてもらったら「全然痛くない」。「へええ。」オレは驚いたんだけれど患者さんはそんなにびっくりしていない。「先生凄いね」とか言って頂いたけれど本当にすごいのはこの方の自然治癒力よ。

 

それでね、たぶん顔をぶつけたときにそれが原因で膝が伸びなくなったんだと思う。顎関節とシンクロしている股関節が緊張したのか、転んだ拍子に筋緊張が起きてその結果股関節が伸びなくなったのか、その辺はわからん。とりあえず膝をきちんと伸ばさずに日常生活をしていればどこかで膝をケガするのは必然と言っていいと思う。

 

膝は伸ばした状態で安定する。気ヲ付ケの姿勢ね。逆に言えば膝を(股関節も)屈曲したままだと関節部は非常に不安定なのよ。それで膝をケガするのはそういうときが多い。つまり膝をケガした背景には股関節の屈曲拘縮という遠因があり、さらに顔面を骨折(打撲でも似たような経過にはなっていたはずよね)したという根本原因があった、ということ。

 

眼窩底骨折を起こすようなことにはあんまりならないだろうけれど、例えば目の使い過ぎで股関節の屈曲拘縮は普通に発生する。こういうところに注目するかどうかが一般の医療と補完医療との違い、もっと言えば補完医療の値打ちだと思うんだけれどどうだろうか。