パレスチナ自治区、Bel'in村
エルサレムからほど近いところにあるもう1つのパレスチナ自治区、Bel'in村。
ここもイスラエルが領土拡大のために占領、というか壁を築きパレスチナ人から土地を奪っている場所(言葉が適切かどうかはわからないが、自分が見聞きした感じではこう)で、毎週金曜日になるとデモが行われることで知られている。
デモとは、パレスチナ人が投石をして土地返還抗議をし、それに対してイスラエル軍が催涙弾で応戦するという形で行われ、催涙弾が直接被弾して、抗議運動の主導者が死亡するという事件も起きている、決して安全ではないものだ。
なお、催涙弾が目に当たって失明したと観光客がいるという噂も聞いたことがある。
なるほど、‘決戦は金曜日’か。
そんなBel'in村、危なっかしくて金曜日には行ってられない。というか旅程的に金曜日まで待てないってことで、6月の最終日曜日に行ってみた。*
来る途中のバスで一緒になったおじさんの家に招かれ食事を御馳走になり、色々話しを聞かせてもらうことができた。
そんなおじさんと元気いっぱいの一番下の息子
大きくない村のほとんどはオリーブなどを作る農家で生計を立てているそうだが、中にはイスラエルに畑の大半を奪われた人もいて、生活は楽ではないらしい。おじさんもその1人だという。
さらにおじさんの長男はイスラエル軍のゴム弾に被弾し車椅子生活を余儀なくされたそうだ。
一見ブルーベリーにも見えるゴム弾、近距離では殺傷能力もある
柵の向こう側がイスラエルの領域
鉄柵のところには高い塔があり、24時間体制でイスラエルが監視を続けているという。
イスラエルが作った鉄柵の近くの至るところに転がっている催涙弾
写真を撮っていたらイスラエル領域から2人の銃を持った兵士が出てきて、「オレら兵士の写真を撮ることは禁止されている、そのことを知っているのか?」と詰め寄られる場面も。
そこはビシッと、「あんたらが勝手に出てきただけで、写真は撮っていない。確認したければどうぞ」とカメラを差し出して事なきを得た。
兵士と言っても徴兵制のあるイスラエルでは大半が学生くらいの年頃の人達だが、正直、銃を持った人に詰問されるのは気持ちのいいものではなかった。
軍事力に物を言わせるイスラエルと投石などの原始的手段で対抗しつつそれに耐えるパレスチナ。
オサマ・ビン・ラディンで知られる9・11も、元をただせば、イスラエル、アラブの争いに端を発するという考え方もあり、今後の世界平和にはイスラエルの問題を解決するのが最優先なのかもしれない。
*エルサレムからバス18番で終点のラマーラへ。往復13NIS(約330円)。そこからバスでBel'in村まで。往復12NIS
キリスト教最大の巡礼地、聖墳墓教会
キリストが十字架に張り付けられ処刑されたゴルゴダの丘、その丘だと伝えられている場所に立つのが聖墳墓教会である。
天井に空いた穴からの一筋の光
その下にはキリストの墓があり、多くの巡礼者、観光客で溢れている
イスラエル(パレスチナ自治区含む)、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地が集まっているだけあり、数多くの見所がある。
それぞれの宗教に属する人としては一度は訪れたい場所だろう。
十字架から下ろされ、キリストの体に香油を塗ったという大理石の板で、ゆかりにあずかろうと順番をまつ人々、に交じりちゃっかり大理石を触る無宗教なオレ
旅に出るとよくよく宗教についての話をされるのだが、なんの宗教ももたないオレみたいなヤツからすると、ふぅーん、あそぅなわけで。でもなぜかそういうゆかりのあるものには触れてみたいし見てみたいっていうミーハーっぷりを発揮してしまう。
パレスチナ自治区とイスラエルの間・・・
前々話で、第3次中東戦争に勝利したイスラエルが東エルサレムを占領し、ユダヤ人は再び嘆きの壁で自由に祈ることができるようになり、ユダヤの悲願が達成された、ということを書いたが、実はその後様々な事情が絡み合い、ユダヤ教徒がイスラム聖域を乗っ取ろうとしているのでは!?という疑いを持ったパレスチナ人とユダヤ人の間で暴動が起こり、今だきちんとした解決を見ないままイスラエル、パレスチナ自治区で緊張状態が続いている。
イスラエル側からパレスチナ自治区へはなんのチェックもなしに簡単に入ることができる。
だが、逆にパレスチナ自治区からイスラエル側へは国境でも越えるかのような検査があり、パスポートチェックもある。
壁を抜けイスラエル側へ入国(入域!?)チェックを受けに行く途中
イスラエル側に近づくと見えるのが、上の写真にもあるパレスチナ自治区とイスラエルとを隔てている壁。
東西ドイツ時代のベルリンの壁とはっきり言って同じ役目をしているこの壁。
イスラエルは‘パレスチナ側からのテロ組織(脅威)がイスラエル側に入るのを防ぐため’という建前で自治区をぐるりと囲む形で建設したという。
確か国連でも問題になったくらいだが、イスラエルは建設を強行。現在に至っている。
防弾チョッキを身に付けた平和の象徴である鳩が銃で照準を合わせられている様、この絵1つでパレスチナ人の心をすべて形容しているというくらいインパクトがある。
立派な建物を背中に乗せている黒い動物で象徴されたイスラエルと、今にも崩れそうな建物を乗せて、背中から血を流す白い動物で象徴されたパレスチナ
かろうじて尻尾だけでお互いの均衡を保っている。
平和への扉
壁の各所にある監視塔にも多くのメッセージが
赤ちゃんが息を吹き付けている人間達から出ているのは‘お金’
何を目的に、何のために生きている!?ということかな。
ONE LOVE PALESRAEL(ワンラブ パレスラエル)
イスラエルの国旗とパレスチナ自治区の旗がハートで繋がる、多くの人が望んでいること。
何人かのパレスチナ人に「イスラエルをどう思う?」という質問をしたところ、「嫌いだ。あいつらは武力で俺らを潰してくる。俺らがなんの武器もないのにだ」という趣旨の回答がきた。
また、イスラエル人に「パレスチナをどう思う?」と聞いたところ、「彼らは自爆テロをしてくるんだ。だからそれに対抗するためにやるべきことをやっている」との回答。
自爆テロをやるにはやるだけの理由があるだろうし、それを阻止する側の言い分もわかる。
根底にはユダヤ人、アラブ人という人種の違いからの軋轢、もしくはユダヤ教、イスラム教という宗教観の軋轢、さらには世界を巻き込んだ金、利権がらみの問題があるのだろうが、もうちょっと世界的にプッシュしてほしい話題だ。
ガキの頃からずっといつ血を流すかわからない環境にいるのはつらいよ。













