で
前回は、ドイツでの転職活動に
必須の『成績表』の中に書かれた
評価の文章には、
実は、知る人ぞ知る
怖いシークレット・コードが
隠されているというお話でした。
もしよろしければ、
あわせてお読みください。
『ことば』は、使い方次第で
『武器』にも『凶器』にもなります。
『成績表のシークレット・コード』
についてのページに載っていた
具体例を見ていきたいと思います。
彼女は自分に割り当てられた業務
に大変熱心に取り組みました。
（でも、それがどれくらい大変な
業務だったかは聞かないで下さい。
大したことない業務をを必死に
やっていましたよ）
彼は、彼にできる
最大限の仕事をやりました。
（残念ですが、彼は完全に無能
でした）
彼女は常に時間を守る
素晴らしい時間厳守のお手本です。
（残念ながら、それ以外の何物でも
ありませんでした。時間厳守以外、
仕事は無能でした）
彼は課された仕事のすべてを忠実、
かつ、適切に完了しました。
（彼は言われた通りにやっただけ。
主導で動くことはありませんでした）
彼女は課されたすべての仕事を
問題なく委任する能力に
長けていました。
（彼女は怠惰で、自分のやるべき
仕事を巧みに同僚にさせていました）
彼は常に彼の部下たちに理解ある
上司でした。
（彼は上司であるにも関わらず、
なんの権限も持っていませんでした）
彼は、専門の知識と
健全なる自信を持ち合わせています。
（彼は歌姫よりも傲慢な男です）
*ここでの歌姫は勘違いセレブのような意味
彼の社交性は、職場の雰囲気の
改善に役に立ちました。
（彼は仕事中にシュナップス*を
飲むのが好きでした）
*アルコール度数の高い蒸留酒
彼女は、上司や同僚に向かって
さわやかな対応を見せていました。
私たちは彼の成功と健康を
願っています。
（彼は病んでいます）
私たちは彼が将来、とりわけ
彼の成功のために最善を尽くす
ことを願っています。
（彼はここでは成功しませんでした）
読んでいて、
背筋がゾクゾクしてきませんか？
はりついた笑顔の仮面の裏にある
のは氷よりも冷徹な厳しい社会です。
長くなってきたので、続きはまた次回。
最後までお付き合いくださいまして
ありがとうございました。
今日も一緒に楽しく頑張りましょう