2020年 7月30日
今日は、病室で涙ぐみながらタイプをしている。
朝になると看護婦さんが点滴をしに来る。
昔の東京での生活を思い出している。
猛勉強の末、一生の念願である東京の大会社に就職したが、期待した程に幸福ではなかった。
最後は自殺を決意して…でも死にたくはなかった。
駒込の商店街を下を向いて啜り泣きながら毎日通勤で歩いていた。
自殺の直前、イエス・キリストは私を助けてくれた。
教会に行く気になり、彼を信じて救われた。
すぐ後に、環境は激変した。
商店街の外れの古い汚いアパートに住んでいたが、教会の近くの住宅の離れに転宅した。
当時は、駅近くでも住宅が所々残っていた。
大家さんが娘夫婦のために庭に離れを建てたが、どんな理由か空き家となり、私に貸してくれた。
花畑の奥の立派な物である。
家賃は同じ4、5千円と記憶している。
教会の牧師夫婦が、食事や洗濯等面倒を見てくれる事になり、環境の変化には驚いた。
ある日、帰宅して庭の扉を開けた時、幻を視た。
暗い部屋に幼児がいた。
死にかかって、母親がしがみついて叫んでいた。
「私の子供が死んで行く!私の子供が死んで行く!!」
と…。
その母親は、私を睨みつけ言った。
「私の子供達が死んで行くのに、あなたは何もしてくれないのですか」と。
その凄惨さに私はすくんだ。
もう返す言葉もなかった。
その後、何十年の間には、イエス様の頼みを随分断ったのであるが、最後には、この幻を思い出し、断りきれなかった。
聖書を読むと、多くの預言者も同じですね。
最後には、神様のすごい愛に負けたのです。
でも、裏切り者にならなくて良かった。
私もイエス様には薄情であった。
今からでもその愛に報いたい。
カトリック教会のイエス様の十字架は、神様の愛情の現れの様だ。
「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。」(ヨハネの福音書3:16)
その現れが十字架である。
もう夜が明けた様で…看護婦さんが点滴に来る…。
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