教会の土地

75年頃、手元に資金があったので、そのうち別荘でも建てようかと淡路島に土地を買っておいた。

海の良く見える200平米程の静かな所であった。

これを買う時には神様に何の相談もしなかった。

（この程度の事は相談する程でもないし…）

と、思っていた。

5年近くも経って、自分の家を建て替える事になり、大阪郊外に400平米程の土地を買った。

資金は足りなかったが、淡路島の土地を売れば何とかなると考えていた。

そして買いたいと云う2、3の人に交渉したが、どうもうまく纏（まと）まらなかった。

その当時は、土地の値段は年々上昇しており、私は5年前に買った値段で売るつもりであったので、非常に安い売り物であったのに、何故か話しが纏まらなかった。

不思議に思い、神様に聞いた。

数日の内に神様は返事をして呉れた。

いわく…

「売る為に買ったのではない」

そこで私は売るのをあきらめて、資金不足分300万円を銀行で借りた。

銀行で借金するのはこれが初めてで、多分最後である。

丁度その頃、その土地の近くの教会で建物の立て替えの計画があり、教会の土地の所有者の承諾が取れず、暗礁に乗り上げていた。

そこで私は、自分の土地の売却の一件をその教会の牧師さんに(私の古い知り合いでもあった)話した処、

「それは神様の計画に違いないので、教会の土地に貸して下さい」

…との返事で、その土地を貸すことにし、すぐに立派な教会が建った。

今迄で、すでに10年位になる。

勿論、借地料は無料である。

神様がもし、

「所有する為に買ったのではない」

と云われたら…献品したでしょう。

私はここで非常に不思議に思う事がある。

私は自分の考えのみで、神様にも相談せず土地の購入をしたのであるが、神様はご自身の計画によってそれを許された。

どう考えたら良いか、私には判らない。

そのうち神様に聞く事にしようと思う。

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