或る夕方、家に帰る途中、歩いていると、神様は非常にハッキリした声で言われた。
「私に従って来ると、あなたは殺されるが、いいか?」
突然の事だったので、私は何の返答も出来なかった。
その声は何回も臨むので、私は神様に言った。
「重大な事ですので、一週間待って下さい」
一週間、言葉は臨まなかった。
しかし、私には何の返答も思いつかなかった。
又、同じ言葉が臨んできた。
「もう少し待って下さい」と私は頼んだ。
どう返事しようかと思いあぐねている時、ある夜、幻を見た。
幻の中で神様と私がいた。
神様は私に言った!
「私に従って来ると、あなたは殺されるが、いいか?」
すると幻の中の私が、
「いいえ従いません」(一寸言葉は違うかも知れない)と言った時、幻の中の神様(イエス様であったかも知れない)が、とてつもない大声で泣かれた。
先の言葉は昼も夜も激しく私に臨み、返答をせまった。
最後の夜、私は布団を頭からかぶり、泣きながら神様に言った。
「もうどうにでもして下さい」
その瞬間、幻を見た。
棚が何十段もあった。
棚の上には宝石の様な花器が置いてあった。
一番上の左には、小さいが宝石の様であった。
それ等は使徒達の霊である事が即座に判った。
下の方の棚は段々大きい花器の様であった。
真ん中位の段の中頃に、かなり大きい花器が並んでいた。
その一つに目がついたので私は神様に尋ねた。
「あれは、誰のですか?」
神様は言われた。
「○○○のだ」
(○○○は私の名前である)
そして私は、この幻は黙示録に出ている殉教者の霊である事を知った。
そして、この事も判った。
決定された未来、及び将来必ず通る過去について(聖書の中で未来について神様が過去形を用いられる時、それは未来にある過去)。
私は確信している。
私は殉教者の中に加えられる事を(これは未来ではなく、決定された過去である)。
その後、暫くは、いつ殺されるかとビクビクしていたが、何の変わった事も起きなかった。
数年のあとには気にしなくなった。
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