追記しました。
リック ルービン（プロデューサー デフジャムの創始者 コロンビアレコードの元社長）
nme 2023
私が見てきたビートルズ関連のものは、すべてソングライティングについてのものかビートルマニアに関連するものかのどちらかだと思ったんだ。だけどベースプレーヤーとしてのポール マッカートニーとか、ミュージシャンとしてのポール マッカートニーとかについてはね。彼は何でも演奏するからね。。。。それはちょっとした（物語）なんだよ。
君は彼をビートルズのポールとしか思っていないかもしれないが、私の考えでは、彼はすべてのベースプレーヤーの中で最高のベースプレーヤーであり、ナンバーワンの演奏者なんだよ。
〇そしてこのプロデューサーは、80歳の音楽界の象徴がメガヒットを書くための "最もシンプルな "アプローチを持っていることに驚いていると続けた。
驚いたのは、彼がピアノの前に座って、私に曲の作り方を教え始めたときだ。彼は「ほら、こんな感じで」と言って、最初に見せてくれたのは一番シンプルなものだったんだけど、そこから彼が指を少し動かし始めると、突然それが'Hey Jude'や'Let It Be'に発展していった。彼は子供なら誰にでもできるそういったテクニックを使って、それを史上最高の歌の1つに変化させたんだよ!
ギブソン ２００８
リックルービンのフェイヴァリットアルバム
①ビートルズ （ザ ビートルズ）
これは他のいくつかのビートルズアルバム程は洗練されていないかもしれないが、僕はそれが個人的な感じであり、個々のスタイルを聴くことが出来るという理由で好きなんだ。バンドという形式でありながら4人の別々の人の様に聞こえる。僕は彼らの個々の個性を音楽と演奏の中で見ることが出来るから好きなんだ。
2) Neil Young: After the Gold Rush
3) Black Sabbath: Black Sabbath
4) AC/DC: Highway to Hell
5) Run-D.M.C: Run-D.M.C.
6) Gang of Four: Entertainment!
7) The Ramones: Ramones
8) Devo - Q: Are We Not Men? A: We Are Devo!
◎さて、私はあなたにいくつかの年齢を提示するつもりです。あなたは人生のその時点で聞いていた音楽を教えてください。それでは5歳。 あなたは5歳のときに何を聴いていましたか？
おそらくビートルズとモンキーズ。ハーマンズハーミッツ、デイブクラークファイブとか他にもブリティッシュインベージョンの音楽。すべてブリティッシュインベイジョンの音楽と言えるだろうね。特にシングルが好きで、そういった音楽が本当に好きだったのを覚えている。
（中略）
◎30歳ではどうですか？
ビートルズに30年で戻ってきたと思う。僕は完全に一周したんだよ。ビートルズ、そして多分ザ ドアーズ。ある時点でかなり重いドアーフェーズをもう一度経験したよ。
◎今までで仕事をしていない人でいつか一緒に仕事をしたい人はいますか？
ポールマッカートニーはそのリストの上位にいると思う。なぜなら彼は私の心を長年に渡って動かしてきた音楽をたくさん作ったからね。きっと彼と音楽について話すことが出来るのなら、それは素晴らしいことだと思うよ。
ポールマッカートニーは特殊な人だよ。多分、ビートルズではジョンレノンとポールマッカートニーの二人が重要なのは言うまでもないんだけど、ポールマッカートニーは彼の楽曲では何も言葉では伝えてないんだよ。彼は素晴らしいメロディーを持った楽曲を作り続けている。彼の楽曲には素晴らしいフックがある。中にはフックばかりの曲さえある。つまり、彼は昔から僕にいつも楽曲で伝え続けてくれたんだよ。長く聴き続けてもらうためには何が大事なのかをね。
ツイッター
◎ビートルズについてはどう思いますか？
ビートルズはすべてを超越している。リバプール出身の4人の子供という意味よりもはるかに大きいものだ。私にとって、ビートルズは神が存在することの証明だった。彼らは非常に優れており、他のすべての人をはるかに超えていて、彼らみたいな人達は他にはいなかった。
ローリングストーンズは実のところ好きだったためしがない。でも、モンキーズは好きだった。彼らは最高に良い作曲家連中を抱えていたからね。
デフジャム以前のヒップホップのレコードは、やたらに曲が長くて、フック（サビ）の無いものばかりだった。そういう曲は、ビートルズみたいには流されなかった。僕達のレコードは、ラップレコードをもっとポップソングみたいに聞こえるようにすることで、スタイルを変えたんだ。そのおかげでレコードは大ヒットしたんだよ。
僕の仕事はスローペースだ。1枚のアルバムを完成させるのに何年も費やすこともある。時間をかける大きな理由は楽曲にある。アーティストには、1枚のアルバムのために曲を作るのではなく、何世代にもわたって聞いてもらえるための楽曲を作って欲しいんだ。アーティスト達は、曲が出来ると僕のところへやって来て、それを聴かせてくれる。多くの人たちは10曲も出来ると、それでレコードを作るには十分ですべてが終わったと思うんだ。そして、僕が曲を聴かせてもらうと、なぜか決まって最後の2曲が、作った中でのベストなんだ。そこで言うんだよ。「やっと2曲出来たな。じゃ、家に帰って残りの8曲を作ってくれ」ってね。
自分が好きなものは判っているし、自分の好きなものを他人が好きか嫌いかなんてどうでもいいことだよ。だって全員が好きなものなんて、この世にありえる訳がないから。もっとも、全員が嫌いというものも考えつかないけど。
amass 2023
〇ルービンは、自身のポッドキャスト『Tetragrammaton』のあるエピソードで、「盗用」についてどう思うかと尋ねられて、こう話しています。
ありえない考えだと思う。クレイジーだよ。他の誰かが作ったことのあるようなものを作る唯一の理由は、それに敬意を表しているからなんだ。決してその作品を貶めるのではなく、自分が美しいと思うからこそ、そのようなことをすることによって、その作品に光を当てているんだよ。......僕たちは何からでもインスパイアを得ることができるし、それは良いことだと思うよ。
どこかでやっていることをそのままコピーしようとしても、あなたがやるのと彼らがやるのとでは違ってくる。音楽の歴史を見てみると、ビートルズはモータウンのような、アメリカの音楽のような音楽をやりたかった。でも、そうは聴こえない、ビートルズにしか聴こえないよ! レッド ツェッペリンはアメリカのブルース音楽をやりたかった。でも、アメリカのブルース音楽には聴こえず、レッド ツェッペリンにしか聴こえない！ なぜなら、それが彼ら自身だからだ。映画の脚本を書いて5人の監督に渡せば、同じ脚本でも5通りの映画ができるのと同じだよ。僕たちはそれぞれ自分のやり方を持っていて、それは常に違うものなんだ。
◎どうして超越瞑想に興味をもったのですか？
14才の時、学校に行くと首が痛くなるので、生まれたときから世話になっている小児科の先生に診てもらったんです。彼は当時にしては非常に先進的な医師で、「首の痛みはストレスが原因だから、瞑想を学ぶといい」と勧めてくれました。彼がそう言ったとき、「両親は賛成しないだろうな」と思ったのですが、「お医者さんがそう言うなら……」と言って両親も了解してくれたのです。
◎瞑想を始めるとき、疑いを感じませんでしたか？
瞑想に対しては何の疑いもありませんでした。私は熱狂的なビートルズファンだったので、ビートルズがマハリシ マヘーシュ ヨーギーから超越瞑想を学んだと聞いて、ビートルズが関わったものなら何でもやってみたいと思ったのです。
◎超越瞑想は効果がありましたか？
首の痛みに効果があったかどうかは憶えていませんが、私の人生には明らかに大きな影響がありました。14才からニューヨーク大学を卒業するまで、ずっと瞑想していました。その後で瞑想を止めたのは、私なりの自分探しだったんだと思います。瞑想は、両親と一緒に暮らしていた頃の私の生活の一部だったからです。
カリフォルニアに移った後、５年ぶりに超越瞑想を再開しようと決意しました。実際に始めるまでには、数カ月かかったのですが……。それは、私にとって一大決心のように思えたからです。そして、最初に瞑想を行ったとき、私という人間は、何年にもわたる瞑想の体験によって形作られていたのだと気づきました。私の周りの多くの人が見ようとしない、あるいは見ることのできない深いレベルまで、私は物事を見通すことができるように感じます。
◎瞑想は、音楽の仕事にどのような影響を与えましたか？
瞑想することで、一緒に働いているアーティストとよい関係を保ち、相手の話をよく聞くことができるようになりました。それは、私の仕事にとって非常に重要なことです。
◎誰かとスタジオで仕事をしていて、その人達も超越瞑想を学べば効果があるのにと思うことはありますか？
しょっちゅうです。それで、アーティストにも瞑想を勧めていますし、アルバムを作るときには、レコーディングの前に一緒に瞑想することもあります。レッド ホット チリ ペッパーズと『カリフォルニケイション』を制作したときも、毎回レコーディングの前に、最低でも２人のメンバーと瞑想していましたし、ときには３～４人で瞑想したこともありました。
音楽を作るとき、彼らはどうでもいいことをたくさん考えているんです。超越瞑想は、余計な考えを取り除いてくれるので、目の前にある仕事に集中することができます。経営側が何を望んでいるのか、レコード会社は何を求めているのか、ラジオ局の人々はどう考えているのか、そんなことを考えなくなるのです。
