水曜日でマンション浴場休館日で事実上映画の日になっている。日本人監督・脚本だが、台湾が大きな舞台で役者も台湾の人が多く出るのだが、最近、なんだか訳のわからない映画が多いという感想を持っていたが、舞台が台湾ということもあって、バックパッカーとして行ったアミ(清原伽耶)とお金がなくなってカラオケでバイトするという設定も「昭和」という雰囲気がして、馴染みやすさがあってのだろう。台湾の四歳年下の青年のジミー(ショー・グァンハン)の、最近の日本ではあまり見ない感じのういういしい青年役の演じ方、そして18年後の演技など、古き日本映画の良さというく雰囲気たっぷりだった。
過去の台湾での出来事と18年後に起きた今の前後しながらの進行も、不自然さもなく見事な種明かしが進んでいく(原作を知らないので)のだが、そのシーンで登場する黒木華、松重豊などの演技と日本の田舎のシーンがうまくマッチしながら、進み、福島の中でも豪雪地帯の雪のシーンなどの入れ方も秀逸。そして、ラストに向けて、新潟福島県境付近の空飛ぶランタンと台湾でのシーンをダブらせせながら、只見の実家にまで来て、実はアミが亡くなっていたこともわかり、彼女の母から、「多分貴方に残したラブレターよ」と渡された彼女が残したスケッチブック。それを見ながら回顧で順次明かされながら、アミだけでなくジミーが過ごした青春時代などの経過もわかり、青春時代から中年期からの人生をどう生きていくか示唆しのなかで、エンドロールが出てくる。
この間、映画を観てもすっきりしない感を、多く抱えた日々だったが、ようやく私が好きだった映画に巡り会えたような余韻を残してくれた。